眠気覚ましに効くツボはどこ?3つのツボと押し方のコツを紹介!

「眠気覚ましのツボを知りたい!」仕事中にそんなことを思った方もいるのではないでしょうか。今回は、JHT日本ホリスティックセラピストアカデミー校長を務める加藤雅俊さんに、眠気覚ましのツボを解説していただきました。

昼食後の眠いをすぐに解決! 気分をスッキリさせる眠気覚ましのツボ4選

眠気覚ましのツボを知っていれば、仕事中の眠気に惑わされずに、効率よく業務を進められます。しかし、基礎知識がないと具体的に何をすべきかわからないでしょう。

そこで今回は『ホントによく効く リンパとツボの本』をはじめ、ツボにまつわる書籍を多数出版し、JHT日本ホリスティックセラピストアカデミー校長を務める加藤雅俊さんに、仕事中でもさりげなくできてスグに効く、眠気覚ましのツボを教えていただきました!

眠気・睡眠は自律神経と関係が深い

""

ピンポイントに肌の上から指圧しただけで、本当に眠気はなくなるものなのか、疑問に感じる方もいるでしょう。そこで、眠気覚ましのツボを知る前に、まず眠気や睡眠と自律神経の関係を解説します。

自律神経とは

自律神経とは、内臓や血管などの働きを制御して体内の環境を整える役割を担い、意識しなくても勝手に働く神経のことです。会話の中で、「『自律神経のバランス』が悪い」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

神経からの情報が脳に届かないと不調を解消できない

薬には、痛みの緩和やかゆみの抑制など、あくまでも症状を一時的に止めるための働きがあります。一方、実際に症状を治しているのは、自分自身の脳がコントロールする自然治癒力です。

脳は神経を通して全身からの情報を集めることで、全身をチェックしています。特に、体のメンテナンスが集中的に行われているタイミングが、就寝時です。

私たちが寝ている間に、食べものから摂取した栄養素を体のあちらこちらへ送り届け、傷ついているところを再生させるなど、全て脳が指令を出した上で修正を行っています。だからこそ、何よりも睡眠が大事なのです。

今までに腰痛や腹痛など、体のどこかに痛みを感じたことはありませんか。これらの症状は、体が脳に『気づいてほしい』というSOSサインを出しているということです。

本来、自分が痛みを感じる前に脳が先に体の不具合に気づくため、寝ている間に自然治癒で勝手に治してくれます。自分の意識で先に体の不調に気づくということは、脳に神経からの情報が届いていないということです。

届くはずの神経からの情報が脳に届いていないと不調を解消することができない――。

それを解決するためのヒミツが、実は“ツボ”にあるとのことです。ここからそのメカニズムについてさらに詳しく説明します。

【無料診断】そのモヤモヤの原因は?生き方のヒントが見つかる「モヤモヤ解消診断」

ツボは“神経の交差点”

体中のあらゆるところに張り巡らされている神経は、毎日体に関する多くの情報を脳に届けています。しかし、情報量が多ければ多いほど、車の流れと同じように詰まってしまい、交通渋滞が起きやすくなります。体も道路と同じように、交通渋滞が起きれば、緩和するための交通整理をしなくてはなりません。

特に渋滞が起きやすい場所が、神経が一番集まっているところ(交差点)の「ツボ」です。そこで、体で交通渋滞が起きている際には、ツボを押して交点を刺激し、スムーズに流れるようにしてあげるといいでしょう。

ツボを押すことで、不調が解消されるメカニズム

ツボは押せば治る“魔法のスイッチ”ではありません。以下のメカニズムが働くため、ツボを押すことで、不調が解消されるのです。

  1. ツボ押しによってその部分の鈍った神経が活性化して流れをスムーズにする

  2. 体に関する情報が脳の司令塔である視床下部へ届く

  3. 脳からの調整命令が出ることによって症状が緩和される

そもそも、私たちの体にはもともと自然治癒力が備わっているため、基本的に放っておいても治るのです。しかし、運動不足や疲労などで血行が悪くなると、体に関する情報がどこかで滞り、脳からの調整命令も出づらくなってしまいます。

ツボ押しによって痛みが治まったり、自然治癒力が高まったりする理由は、刺激によって滞っていた情報が脳にちゃんと届くようになるからです。

ツボの効果については、大学などの研究機関によって科学的にも証明されています。薬のような副作用もなく、費用が一切かからないのも大きな利点といえるでしょう。近年の研究では、血管を拡張して血液の循環を良くする神経伝達物質が神経から放出されることや、免疫系の細胞が活性化され自然治癒力を向上させることなどが分かっているのだとか。

きちんと知っておきたい正しいツボの押し方!

ツボは正しく押さないと効果を期待できません。確実に効くツボを押すために、まずはツボの見つけ方からマスターしましょう。

ここでは、各所の痛みやコリ、内臓の不調など、どんな症状にも効果がある万能のツボ、「合谷(ごうこく)」をベースにしてお伝えしていきます。

ポイント1・ツボの基準は親指と人差し指の骨が交わったあたり

ツボの場所

まずはツボの場所を確実に見つけましょう。

親指と人差し指の骨が交わったあたりから、やや人差し指側に位置するこの赤い点が合谷のツボです。ここを目安に骨をたどりながら骨の内側に指を入れ、押し上げるようにして押します。周辺でツーンと来る場所を見つけましょう。

 

ツボの探り当て

押すときは骨の上ではなく、骨のキワを押し上げるように。



「骨のキワをたどっていき、目当てとするツボを探り当てます。

骨の上を押すのではなく、骨のキワに指を差し込みそこからグッと押し上げましょう。このとき、「ツーン」とか「ビリッ」とする感覚が走れば、ちゃんと押せているということ。感覚がつかめない場合は、骨に沿って少しずつ場所をずらして押してみてくださいね」

ポイント2・イタ気持ちいい強さで5秒間刺激

息を吐きながら徐々に力を入れて「イタ気持ちいい」強さで5秒間押し続けましょう。1つのツボを押す回数は2〜3回が目安です。何回も押すと感覚が麻痺して効果が得られなくなるため、自分が“イタ気持ちいい”と感じる強さで押すことがポイントです。

時々、痛ければいいと思って強引な強さで押す人がいます。しかし、強引な強さで押すと痛みから筋肉が緊張して硬くなり、ツボをまともに刺激することができなくなるでしょう。すると、本来の効果が得られなくなるばかりか、患部が炎症を起こしてしまう恐れまであります。

正しい位置・正しい角度で押せば、それほど強い力は必要ありません。同じツボでも目的によって押し方の強さは変わりますが、不調を解消するときはイタ気持ちいいと感じる程度でやや強めに押すのがいいでしょう。

その眠気を吹っ飛ばせ! すぐ効くツボ3選!

「今こそ頭をシャキッとさせて仕事に集中したい!」「眠たいけど今すぐ目を覚まさなきゃいけない!」、そんなときに役立つ、瞬時に目が覚めるツボを3つ紹介します。いずれも仕事中にさりげなくできるので、周りにいる同僚や上司に違和感を与えません。

早速今日から実践できるように、各ツボの効果や場所を確認しましょう。

1:睛明(せいめい)で重たい眼をスッキリ

睛明(せいめい)を押せば、重たい眼をスッキリさせられます。眼の前がスッキリして眼精疲労にも効果アリ!

睛明(せいめい)の場所
睛明(せいめい)の場所

睛明(せいめい)の場所は、左右の目頭の上あたりで骨の内側のくぼんだ部分にあります。

睛明(せいめい)の押し方

睛明(せいめい)の押し方

骨の内側に親指を当てて睛明(せいめい)を押し上げます。くぼみの奥に指を入れる感じで上に押し上げましょう。

2:太陽(たいよう)で脳の疲れをとる

太陽(たいよう)を押すことで、自律神経を刺激して脳の疲れをとれます

太陽(たいよう)の場所

太陽(たいよう)の場所

太陽(たいよう)の場所は、まゆ尻と目尻の中央からやや後ろにあるくぼみの内側です。

太陽(たいよう)の押し方

太陽(たいよう)の押し方

骨のキワを意識して骨の内側に指を入れるように太陽(たいよう)を押します。

3:風池(ふうち)で気分爽快

風池(ふうち)を押せば、肩や首、頭の血行を促して脳を活性化させられるため、頭がスッキリします。また、風邪や頭痛、利尿作用の効果もあるのだとか。字のごとく、頭の中に風が通るように頭や気分をスーッと爽快にさせてくれる効果を期待できます。

風池(ふうち)の場所

風池(ふうち)の場所

首の筋肉から外側にたどって行き、くぼみがあるところが風池(ふうち)の場所です。

風池(ふうち)の押し方

風池(ふうち)の押し方

くぼみに親指を引っ掛けて持ち上げましょう。手を固定したまま頭を支えるように後ろに下げると楽に風池(ふうち)を押せますよ。

ツボ押しは特別な準備が不要で、いつでもどこでも手軽に行えます。会議中についつい眠くなってしまう、という場合も、数秒間さりげなくツボを押すだけでみるみる目が覚め、頭がさえていくはず!

番外編 飲み物も眠気覚まし効果が期待できる

ツボ押し以外に、カフェインの入った飲み物を摂ることで、仕事中の眠気をなんとか覚そうと試みている人もいるでしょう。眠気覚ましの効果は、飲み物の種類によって異なります。

眠気覚ましに効果のある飲み物や、カフェイン摂取の注意点について気になる方は、以下の記事を参考にしてください。

mainichi.doda.jp

毎日のツボ押し習慣で体調の変化に気づきやすくなる

最後に、20代のビジネスパーソンに向けて加藤さんから一言いただきました。

「ツボ押しを毎日の習慣にすることで、自分の体調の変化や体の声に気づきやすくなります。体調の変化は他の人からは見えませんし、自分の体調を自分自身で知ることは体調管理という点でも大切なこと。押すことで自分の体の中の異変に気づくばかりか、より深く自分の体を知ることだってできるし、考えるきっかけにもなるはずです。体調から逆引きして、ツボを押したときの痛みで症状が悪化する前に対処できたりもするんです。

20代のビジネスパーソンの中でも、忙しさゆえに薬を多用している方を見かけます。頭痛や生理痛など、その不調とする一部のみに薬の効き目があると思っている方は多いかもしれませんが、薬は血流に乗り全身の細胞に効いているため、あまり頻繁に利用してしまうと健康な細胞まで傷つけることになります。なので、できれば最後の手段として利用しましょうね」


体調管理も仕事のうち。いつも最高の状態でパフォーマンスを発揮するためにも、ツボをうまく活用して毎日シャキッとした状態で仕事に集中していきましょう!

(取材・文:東京通信社)

識者プロフィール

 


加藤雅俊(かとう・まさとし)
ミッツ・エンタープライズ株式会社 代表取締役社長/JHT日本ホリスティックセラピー協会会長/JHT日本ホリスティックセラピストアカデミー校長/薬剤師・体内環境師R
外資系製薬メーカー開発に勤務。プロダクトマネージャー就任後、全国の病院を見てまわり医療現場の問題点に気付く。退社後、薬剤師だから気付けた「薬に頼らず不調を治す」ための食事や運動、東洋医学など多方面からアプローチする総合的な予防医療を確立させ、1995年に起業。「心と体の両方」をみるサロンやセラピスト養成のためのアカデミーを展開。現在、昭和大学薬学部研究室にて「食と運動と脳(心)の病気」の関連性をテーマに研究を続けている。
加藤雅俊主宰サロン/アカデミー/月一セミナー情報 → http://jht-ac.com


【関連記事】
睡眠の質を上げるには? 眠りが浅い原因と質を高める7つの方法
【「睡眠・眠いシリーズ」記事まとめ】

 

※この記事は2017/09/11にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

page top