「収入やスキルのアップ」、「人間関係などの職場環境の向上」などなど、転職を考え始める理由はさまざま。そんな中、結構な割合で「好きなことを仕事にしたい」という転職理由を耳にします。
確かに、1日24時間のうち1/3もの時間を仕事に費やすのですから、「好きなことややりたいことに関わっていたい」と思うのはごく自然なこと。ですが、その一方で、「仕事にしたらかえって嫌いになってしまった」や「イメージと違った」などの声もよく聞く話。
なぜ、そうしたミスマッチや勘違いは生まれるのでしょうか? 仕事探しで陥りがちな例をもとに、後悔しない仕事選びのヒントをまとめてみました。
後悔しない仕事選びのポイント
旅行業界の例
よく例として挙げられるのが、人気業種の「旅行業界」のハナシ。「3度のメシより旅行が好き」だった人が、「給料をもらって色々な場所に行ける」という憧れを実現しようと、旅行代理店への転職を希望する……これは残念ながら、憧れと現実がマッチしない、よくあるケースです。
旅行代理店では、観光施設との交渉や、お客様のためにプランを立てたり、予約をしたり…といった通常業務もあります。このような仕事の場合は、旅行そのものが好きな人よりも、「旅行について人と話したり、計画を立てたりすることが好き」な人のほうが、楽しく働けそうなイメージですよね。
つまり、「旅行が好き」という漠然としたイメージではなく、「自分は旅行のどういったところが好きなのか?」をもう少し掘り下げてみることが大切です。
「したい!」よりも「なりたい!」欲求を優先する
仕事を選ぶときに、「好きなことをやりたい」という欲求で決めると、転職後、なかなかうまくいかないことが多いようです。これは自分の「好き」という欲求が満足(解消)してしまったら、途端に「飽きたり」「嫌いになったり」するケースといえるでしょう。
例えば、「洋服が好き」という理由で、自分の好きなアパレルメーカー(orショップ)に転職したとします。そのブランドの方向性が変わったり、ショップが閉店したりしたら、仕事への興味をあなたは失ってしまうかもしれません。
ですが、「大好きな洋服で流行を発信する人になりたい」という理由にしただけで、可能性はグンと広がります。転職先も、アパレル系だけでなく、洋服とコラボする他業種やIT系…と選択肢は増えますよね?
これは自分の「好き」という欲求を満足させるより、人生の目標を「○○になりたい!」という自己実現に変えることが成功のヒントといえそうです。
仕事は「好き」よりも「楽しい」で選ぶ
よくイキイキと楽しそうに仕事をしている人を見ると、「あの人は○○の仕事に向いているナァ」と羨ましく思うことってありますよね?
でも、その楽しそうに仕事をしている人に話を聞くと、「もともとこの業界(や業種)は特にやりたいことではなかった」というケースがしばしばあります。
自分の趣味嗜好や適性を気にする人は多いですが、いったんその世界(=会社)に飛び込んだら、まずはその世界のルールで、目の前の仕事を頑張ってみる。そうして、一生懸命に取り組んだ結果、成果をあげ、やりがいを見出せるようになる人はとても多いのです。
つまるところ「好きなことを仕事にする」より、「仕事が好きになって楽しく生きる」方法を自分なりに考える……につきます。ニワトリが先か卵が先か? まずは自分の「好き」の可能性をできるだけ広げて、アクションを起こしてみることをおススメします。
※この記事は2016/11/04にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています
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