神奈川県横浜市を中心に、デジタル家電、携帯電話専門店を展開している株式会社ノジマ。同社で入社1年目にして、年間1億円を売り上げるという快挙を達成したのが、現在、季節サポート部隊に所属する「坂内洸貴(ばんない・ひろき)」さん(25歳)です。
カリスマ販売員としてフジテレビ「幸せ追求バラエティ 金曜日の聞きたい女たち」にも出演し、出演者たちも坂内さんのプレゼンを絶賛していました。
お客様ともっとも近い場所にいる販売員のプロとしてのノウハウ、また坂内さんが心がけているコミュニケーションのコツや販売の鉄則についても、たっぷりとお話を伺いました。コミュニケーションがちょっと苦手、というビジネスパーソンの皆さん、必読です!
一度目は「あいさつ」、断られても必ずもう一度声をかける
2014年に新卒で株式会社ノジマに入社した坂内さんは、現在は店頭での接客のみならず、本社所属として各店のスタッフ指導や販売戦略の立案も担当しているといいます。入社3年目で指導を任されるのは、彼の実績と人間性があってこそ。そんな坂内さんは接客の際、「お客様に果敢に声をかけること」を実践しているそうです。
「販売員であれば当然ですが、フロアにいるお客様には自ら積極的に声をかけます。まず『何かお探しですか?』と声をかけて、『大丈夫です』と断られたとしても、少し間を空けて、もう一度お声がけしますね。一度目は『あいさつ』、二度目はもう少し深いお話をするためのキッカケ作りだと思っています。入社して間もないころは、一度断られたらそれっきりだったのですが、今は躊躇(ちゅうちょ)なくお声がけができるようになりました」(坂内洸貴さん:以下同じ)
その後は、お客様のニーズを引き出すべく、商品のリクエストに関する質問を投げかけていくそう。その際、「相手の反応」がコミュニケーションの要になると教えてくれました。
「お客様とのやり取りのなかで気を付けているのは、『相手の顔色をうかがう』こと。質問を投げかけた際に興味関心があれば、お客様は何かしら反応を示してくれますが、逆の場合は当然、反応が鈍くなります。それをくみ取って、お客様のニーズを把握してご案内をするように努めています。
また、その際『専門用語を使わないこと』も大事にしています。コンパクトに分かりやすく情報を伝えることは、何よりも忙しいお客様のためになりますから」(同)
マイルールは「お客様と仲良くなること」、それだけは誰にも負けない
そして、販売の鉄則として坂内さんがモットーにしているのが「お客様と必ず仲良くなること」だといいます。そのために欠かせないのが「世間話」とのこと。
「僕が一番自信を持っているのが、お客様と仲良くなることです。相手との距離を縮めるためには、まず自分から心を開く必要があります。僕の場合は5人兄弟の末っ子であることや、家族が多いからこそのリアルな家電の悩みなどをお伝えして、そこから話を広げていきます。
5人兄弟って珍しいので、相手は何かしらリアクションをしてくれますし、家電を変えたことで使い勝手が良くなった経験談を語ると、リアリティーがあるからか抵抗なく受け入れてくれるんです。そうやってコミュニケーションをとりながら熱心にアピールするなかで相手の心が動き、『じゃあ、君から買うよ』と言ってくださる方が多くいらっしゃいました」(同)
また、ノジマが接客の方針として掲げているのが「コンサルティングセールス」だそう。これは、お客様に一番合った商品を提案するということ。店舗側が売りたいものを積極的に勧めるのではなく、ユーザーファーストの視点を持つことを大切にしていると語ってくれました。
「僕自身、コンサルティングセールスというノジマの方針に強く共感していて、その視点は絶対に忘れないようにしています。だからこそお客様から『ありがとう』という言葉をいただけるのだと思っています。『君から買えてよかった』と言っていただけたときは、心の底からうれしく、やりがいを感じますね」(同)
日々の目標を定め「全社1位」を目指して全力疾走
今年の7月度は1800万円を売り上げ、全130店舗、販売員約4,000人のなかで堂々の15位に輝いた坂内さん。その功績の裏には、日々の明確な目標設定と反省点の冷静な分析がありました。
「目標は明確に設定していて、1カ月の目標を立ててから逆算して日々の目標を決めています。そして1週間単位で区切り、目標が達成できなかったときはその週の反省点をあぶり出して、翌週に生かすようにしています。これは上司のアドバイスによるものです」(同)
そんな坂内さんの現在の目標は、全社のなかで「1位」を獲得することだそう。「後輩たちに手本を見せるには、それが一番だと思います」と語ってくれました。
最後に、坂内さんと同世代の若手ビジネスパーソンに向けて「仕事をがんばるためのアドバイス」をお願いしたところ、こんな答えが返ってきました。
「やっぱり『息抜き』が大事ではないでしょうか。僕の場合は、休日や仕事終わりに同期や友人たちとお酒や食事を楽しんだり、温泉に行ってリフレッシュしたりすることで、頭を切り替えるようにしています。そういったオフの時間があるからこそ、仕事に集中してがんばれているのかなと。
あと、『社内に信頼できる人を作ること』も必要だと思います。同期でも上司でも、困ったときに悩みを相談できる人がいると行き詰まらなくなりますよね。ひとりで考え込んでも限られた回答しか出てこないので、選択肢を広げるためにも何でも話せる相手の存在は支えになるはず。僕自身もまだまだ成長途中です。一緒にがんばりましょう!」(同)
まとめ
終始、人懐っこい笑顔でインタビューに答えてくれた坂内さん。「接客ではその天性を生かしているのでは?」とも思える彼でしたが、入社したばかりのころは、お客様の心をつかめず苦労したことが何度もあったそう。そしてその都度、反省点を見いだして自分を変えていったと話してくれました。
今回伺ったお話は、何も販売職に限ったことではなく、ビジネス上のコミュニケーション全般において参考になるはずです。相手と良好な関係を築くために、まずは勇気を出して、自分から一歩踏み込んで話しかけてみては。距離を縮めるキッカケになるかもしれませんよ。
※この記事は2016/09/14にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています
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