新入社員のキャラを知るカギは兄弟構成にあり! ポジション別に異なる人材育成法とは

4月も下旬になって新入社員の部署の配属先が決まりかけているこの時期。これからどのように接していくべきか、迷っている人も多いのではないでしょうか?

新入社員のキャラを知るカギは兄弟構成にあり! ポジション別に異なる人材育成法とは

4月も下旬になって新入社員の部署の配属先が決まりかけているこの時期。これからどのように接していくべきか、迷っている人も多いのではないでしょうか? 

そこで今回は、兄弟構成の視点から新入社員への接し方を紹介。長男、中間子、末っ子、一人っ子の気質を明らかにした上で、それぞれへの適切な接し方を、心理カウンセラーの根本裕幸さんにお聞きします。

相手の兄弟構成を把握するメリットとは?


「例えば自分が長男の場合、職場の後輩にも弟かのように接してしまいがち。また、自分が末っ子の場合は、年下へ接することにあまり慣れていないため、後輩との意思疎通が図りにくかったりします」(根本さん、以下同)

このように、兄弟構成は人の性格に影響を与えることが多いといいます。そのため相手の兄弟内でのポジションを把握しておくことで、よりそれぞれの性格にあった適切な接し方ができるのだそうです。

兄弟構成別に見る気質の特徴


まずは、兄弟内ポジションによって性格がどう異なるのかについて伺います。

1.長男長女=優等生タイプ


「まず、第一子である長男長女は親にとって初めての子ども。不安を抱えての子育てになり、過度に気を遣うため、その神経質さが子どもにもうつりやすいのです。また、一人っ子でいるうちは天下なのですが、下が生まれると一気に陥落の思いを味わうことになります。そういったことから、長男(長女)の人は神経質になりやすいのです。そして、兄弟内を仕切る長男長女には、良い子でいようとする優等生意識があります。職場でも、親からいろいろ世話をされていたように、『まずはちゃんと教えてもらうのが当たり前』『教えられたことを全うしたい』と考えている傾向があると思います」

2.中間子=自由人タイプ


「中間子は良く言えば自由なポジション、悪く言えば放置されているポジションといえます。例えば三人兄弟の真ん中である場合。上の兄はきちんと管理され、下の弟は過保護に守られるため、どっちつかずになり、兄弟内で存在が浮きやすいんですね。その結果、わが道を自由に行く人柄になることが多いのです。そのため、輪になることに抵抗があったり、目上の人に反発心を持ちやすかったりします。また、四人兄弟の三番目にあたる中間子の場合は、親から少し距離があるポジションなので、見捨てられているという感情を抱きやすく、集団から分離していく傾向があります。

こうしたタイプの後輩には、ルールやマニュアルで縛るのではなく、ある程度の自由を与えつつも、きっちりと目を配るという教育方針がオススメです」

3.末っ子=いじられキャラタイプ


「兄弟の数が多いほど、面倒を見てもらえたり、長男には禁じられていたことが末っ子にはOKになったりするので、甘え上手な気質になります。いじられキャラで周りの関心を得ていくことが多く、また、自分から積極的に先輩に質問などするタイプのため、目上の人間から見ると一番接しやすいタイプだといえます。しかし自分が先頭に立つことは苦手なので、例えば研修でチームを組んでも、リーダー役はたいてい長男の人。末っ子はムードメーカーにはなるのですが、幼少時代に『お前は小さいから無理だよ』と言われて育ったり、兄や姉の影があるため自信を持ちづらく、リーダーシップにコンプレックスを抱きやすいといえます。

ただそう言われてきたことで打たれ強く根性があるのも事実。懐いてくる後輩に対して、指導しつつも、ある程度の段階が来たら、手を離して仕事を任せてみるという方法で教育するのがいいでしょう。これらの傾向は、三人兄弟ほど明確ではなくとも、二人兄弟(妹)の弟や妹にも見られます」

4.一人っ子=個で勝負タイプ


「かわいがられる一方、神経質に育てられた一人っ子は、長男と末っ子の気質を両方持っています。ただ、兄弟というのは良くも悪くも社会性のシンボルなので、そこで磨かれていない分だけ、周りとの付き合い方が分からないという傾向が多いです。特に核家族の一人っ子の場合、学校生活は比較的個を認める横並びの環境なのですが、職場では上下の関係が入ってくるので、人間関係の構築に難しさを感じやすいでしょう。父親が忙しく母子家庭のような環境で育った男性は、職場の男社会に苦手意識を抱くことも多いです。また、家庭内の価値基準がベースになるので、集団になじめず浮きやすいこともあります。

ただ、周りに縛られず、競争もなく育ったことから独自性は強いので、オリジナリティーを求められるような場面では信頼して仕事を任せ、本人の判断を尊重しながら教育するのがいいでしょう」

では実際に、相手が長男、中間子、末っ子、一人っ子のいずれかと分かった場合、どのような接し方をしていけばいいのでしょうか。兄弟内ポジション別に適切な褒め方、叱り方を伺いました。

1.長男長女の場合 プライドの高さを上手にコントロールするのがベスト


■褒め方
「長男にはプライドが高いところがあるので、褒めるときは『さすがだな』『○○に任せた俺に間違いはなかった』と第一にリスペクトを表すのがポイントです」

■叱り方
「下手に叱るとプライドをねじ曲げてしまうことがあるので、『今回はどうしたんだ? お前らしくないな。次からは頼むぞ』と、能力を認めていることを前提で、叱る、というよりも、次に期待する形が理想的だと思います」

2.中間子の場合 大切なのはこちらの注目度の高さを真っすぐ伝えること


■褒め方
「『○○ならそれくらいできて当然だよ』『○○ならやると思っていたよ』など、ツンデレ系の褒め方が有効です。ちゃんと以前から見ていたことを伝えて、プライドをくすぐるのがポイントです」

■叱り方
「バシッとストレートに叱ったほうが良いですね。上と下に挟まれて育った分、見放されているという意識がどこかにあるので、『何してるんだ、俺は○○に期待しているんだぞ』と意見をぶつけられると、『しっかり自分のことを扱ってくれている』と感じるため響きやすいと思います」

3.末っ子 失敗も成功も本人の実力として評価するのがカギ


■褒め方
「褒められ慣れている末っ子には、よりオーバーな褒め方が必要です。『○○がここまでできると思わなかったよ。本当にすごいな』『俺は○○の実力を甘くみていたわ。悪かったな』と持ち上げるように褒める。褒めるという行為は上から目線で行われがちですが、下から見上げるように褒めると、末っ子ならではのリーダーシップに対するコンプレックスにも届くので有効だと思います」

■叱り方
「ほかの兄弟と比べて叱られる経験があまりなく、きつく叱るとへこみやすいので、あえて突き放すのが効果的です。末っ子は『失敗しました』と結果だけを持ってくることが多いので、上司としては過保護になりやすいところをぐっと抑えて、『そこは自分で解決しなきゃだめだ』と本人に考えさせましょう」

4.一人っ子 普段の接し方からタイプを見極めるのがポイント


■褒め方・叱り方
「一人っ子の場合は、褒め方・叱り方ともに、相手が長男、中間子、末っ子のどの気質に近いのかを見極めて接しましょう。見極めるためのポイントとしては、一言で言うと、『長男=プライドが高い』『次男=自由なタイプ』『末っ子=いじられキャラ』という特徴。先輩と接していて、けっこうつっかかってくるなと思ったら長男タイプだし、つかみどころがないと思ったら中間子タイプ、いじりたくなってくるなと思ったら末っ子タイプと考え、それぞれに合った褒め方・叱り方をしましょう」

何気ない会話の中でよくある、「長男?末っ子?」といった質問。しかしその答えには、「ふーん」と済ますにはもったいないほどの、コミュニケーションのヒントが隠れているようです。皆さんも新入社員と接するときにはぜひ兄弟構成を尋ねてみてはいかがでしょうか。


※この記事は2015/04/27にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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