ちょっとした期待や理想があなたを苦しめる。仕事が上手くいかない人が知るべき、「ポジティブ思考」の罠

「仕事で大事なプレゼンに失敗してしまい、コンペに負けてしまった・・・。」

ちょっとした期待や理想があなたを苦しめる。仕事が上手くいかない人が知るべき、「ポジティブ思考」の罠

「仕事で大事なプレゼンに失敗してしまい、コンペに負けてしまった・・・。」

こんなとき、あなたならどう考えるでしょうか?

A「次はもっとうまくできる。成功することを想像しながら、次回頑張ろう!」
B「失敗するとは思わなかった。次回も成功できる気がしない・・・。」

他にも考え方はあると思いますが、大きく分類すると上記のように、二つに分けることができると思います。前者がポジティブ思考、後者がネガティブ思考。世間一般では、ポジティブ思考が良いとされ、落ち込んでいると、「次、頑張ろうよ!」と声をかけられることも少なくないでしょう。

ですが、ポジティブ思考がかえって自分のことを苦しめてしまっていることを、あなたは知っているでしょうか?

ポジティブ思考の罠は、ポジティブになることにある?

 


ポジティブ思考は良いことですが、あまりにポジティブでいると、冒頭の例のように、「次回はもっとうまくできる」と、将来の自分に対して期待をしてしまうことになります。

このとき、将来の自分が成功していることを想像しています。具体的に言えば、前回の失敗を反省して、冷静にプレゼンしている自分です。プレゼンの結果、コンペに勝利していることまで考えているでしょう。が、ここで一つ注目していただきたい点があります。

それは、ポジティブ思考でいること。つまり、将来起こる、プラスの部分だけを見てしまいがちな状況です。「ポジティブ思考だから当たり前でしょ?」と考えてしまうと思いますが、ここに、ポジティブ思考の罠があるのです。

ポジティブになればなるほど、知らぬ間に陥る、罠

 


このように、ポジティブでいることが行き過ぎてしまうと、将来起こりうる、良い部分だけを見ることになってしまいます。

とはいえ、当然、世の中は良いことばかりではありません。良い部分に行くまでに、大変なこと(ネガティブ)を通過しなければならないことを忘れてはないでしょうか?過度なポジティブ思考でいると、この部分が欠落してしまいます。成功している自分を思い浮かべるだけで、その時に通過するネガティブなことが見えなくなってしまうのです。

そして、成功しなかったときに、「できる」と思って期待していた分と、できなかった分の差が同時に押し寄せてきます。ポジティブでいればいるほど、失敗したときの差は大きく、この差にいつの間にか悩んでしまいます。すなわち、ポジティブでいたがために、知らぬ間に自分の首を絞めてしまっているのです。

過度なポジティブに陥ってしまうことで、自分の首を絞めてしまう。そうならないためには、予め、ネガティブな部分も受け入れる心の準備が重要になります。

良い面と悪い面を、バランス良く見ること


良い面を見る方が楽なため、多くの人はポジティブなことにしか目を向けません。しかし、自分が思い描く姿を手に入れるためには、ポジティブなことだけでなく、同時に今後、起こるであろうマイナスなことも考えておかなければなりません。でなければ、過度なポジティブ思考に陥ってしまいかねません。

その状態に陥ることを防ぐために大切なのは“ネガティブな面を知る機会を作る”こと。やり方としては、将来起こりうるネガティブな要素を列挙するのがオススメです。

自分ができないと思う部分を知ることで、期待する将来の自分になれなかったときに受けるショックを小さくすることができます。

ポジティブ思考は良いことです。ネガティブできるよりも、気持ちが楽ですし、次のことに集中することができるでしょう。しかし、過度にポジティブになってしまうと、知らぬ間にその罠にはまってしまいかねません。適度なポジティブ思考を心がけて仕事に臨むようにしましょう。

※この記事は2016/11/04にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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