見た目で生涯年収は2700万円も差がつく!? デキるビジネスマンの「身だしなみ」基礎講座

ビジネスシーンにおいて、「見た目」が重要であることは周知の事実。とはいえ、なぜ見た目が年収や人間関係に影響を与えるのか、具体的にどのような点に気をつけるべきなのか、理解できている人は案外少ないのではないでしょうか?

見た目で生涯年収は2700万円も差がつく!? デキるビジネスマンの「身だしなみ」基礎講座

ビジネスシーンにおいて、「見た目」が重要であることは周知の事実。とはいえ、なぜ見た目が年収や人間関係に影響を与えるのか、具体的にどのような点に気をつけるべきなのか、理解できている人は案外少ないのではないでしょうか?

そこで今回は、一般社団法人日本メンズ美容協会理事長であり、メンズ美容家の山川アンクさんに、ビジネスにおける身だしなみの重要性と、今すぐできてグッと印象が良くなる「ビジネスマンの身だしなみ改善ポイント」について教えていただきました。

ちょっとした工夫で見た目や第一印象は劇的に変わります。これは知らなきゃもったいない!

見た目の影響は55%! 生涯年収の差は家1軒分と驚愕の数字


そもそも、なぜビジネスにおいて身だしなみが重要なのでしょうか。その理由を山川さんに分かりやすく解説していただきました。

「労働経済学者のダニエル・S・ハマーメッシュ教授が20年の歳月をかけた研究によれば、ビジュアルによる男性の生涯年収の差は、2700万円にものぼります。見た目に気を配る人とそうでない人では、生涯でなんと家1軒分もの収入格差があるのです」(山川アンクさん:以下同じ)

山川さんいわく、この差は「メラビアンの法則」が関係しているとのこと。

「メラビアンの法則とはアメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した概念で、初対面の人物の印象を決定付ける要素は、『見た目・表情・しぐさ・視線等』の視覚情報が55%、『声のトーン・速さ・大きさ・口調等』の聴覚情報が38%、『言葉そのものの意味・話の内容等』の言語情報が7%といわれています。視覚情報が占める割合が半分以上であることから、仕事において見た目が大きな影響を及ぼすことが分かるでしょう」(同)

初対面の場合、話の内容がたった7%しか印象に残らないのであれば、就職活動や新規営業においてビジュアルの良さがどれほど有利に働くかは想像に難くありません。

「新卒採用で何万通も履歴書が届くような大企業になると、限られた時間内で大量の就活生をふるいにかけなければなりません。そのため、第一印象につながる証明写真が重要になることも。単純に美形であればいいというわけでなく、髪型や眉毛がスッキリしていて清潔感があることが一番重要です。もちろん新規営業も然りです」(同)

また就職してからの人間関係においても、見た目によって大きな差が出てくるのだとか。

「身だしなみは、コミュニケーションスキルそのものです。清潔感がない人とは気持ち良くコミュニケーションが取れないですよね。とくに会社は近い距離でのコミュニケーションが発生しやすい場ですから、余計に気を配る必要があります」(同)

今日から実践できる! 20代ビジネスマンの「身だしなみ改善ポイント」


見た目には十分気を配るべきことが分かったところで、今日から実践できる20代のビジネスマン向けの「身だしなみ対策」について、山川さんに伝授していただきました。

ポイントごとに絞って解説しているので、ぜひ今すぐできることからご活用ください!

●髪型・・・髪型はプロに聞くべし! 自分が勤めている業界を美容師さんに伝えたうえで、好感度の高い髪型、自分に似合う髪型をアドバイスしてもらいましょう。

●眉毛・・・眉毛は顔の額縁といわれているほど、顔の印象を左右する大切なパーツ。つくり込みすぎるとかえって悪目立ちするので、お手入れはほどほどにしておきましょう。

●ヒゲ・・・毎日のことにもかかわらず、案外正しいシェービングの仕方を知らない男性は多いもの。朝起きたばかりの顔はむくんでいるので、起床から20分後ぐらいにシェービングするのが適切です。また、そうすることで「すぐにチクチクした毛先が生えてくる」という悩みもなくなりますよ。T字カミソリの刃は1週間に1度の交換が理想的です。ヒゲは銅線ほど硬く、数千?数万もの本数を毎日剃ると刃先が傷みます。傷んだカミソリを使い続けると、肌にダメージが生じます。これくらいの頻度で刃を替えることで、肌荒れ防止にもつながりますよ。20代はまだそれほどスキンケアに高いお金をかける必要はないので、リーズナブルなもので毎日保湿と保護をする習慣をつけてください。

●スーツ・・・ブランドうんぬんよりも、ジャストサイズのスーツを着ること。20代のビジネスマンなら、ボーナスで少し頑張って3万円ほどでつくれるイージーオーダーに挑戦すると驚くほど見た目が変わりますよ。またこれからの季節は、クールビズに則ってノーネクタイでスーツを着ることがあるかと思います。

その場合は、襟のはしをボタンでとめる「ボタンダウン」、内側で留める「スナップダウン」などの襟が立つシャツを選ぶと、ネクタイがなくてもスマート感を出せます。

左は低めの襟のシャツ、右が高めの襟のシャツ。襟がしっかり立つシャツは、あなたをスマートで上品に演出してくれる。

さらに胸ポケットに白無地のポケットチーフを「TVホールド」と呼ばれるスクエア型で挿すと、控えめながら品が出てオススメです。

髪型、シャツの襟、体型にあったスーツに胸ポケットのチーフ。ポイントを押さえるだけでこんなに印象が変わります。


●靴・・・ビジネスマンが一番お金をかけるべきアイテムは「靴」。とはいっても、20代で何万円もする靴を購入するのは難しいと思います。1万円以上の靴を目安とし、3足をローテーションで履きましょう。こうすることでそれぞれの靴の傷みが最小限になり、必要以上に買い替えることがなくなります。そして、週に1回は靴磨きをしてください。丁寧なお手入れによって色あせやかかとの擦れなどを防げます。美しい足元は、印象も良くなり靴も長持ちしますよ。

●カバン・・・無理に高いものを買う必要はありませんが、下に置いたときにだらしなく横に倒れることのない、自立するものを選びましょう。

●名刺入れ・・・20代であれば派手な柄や色を控え、ノーブランドの無地のものが無難です。

●ボールペン・・・お客さんの目に留まりやすく、ときにはお貸しすることもあるボールペン。持ち歩き用のボールペンは、2,000~3,000円ほどのものがオススメ。なかには自分の名前を入れられるものもあるので愛着もわきます。文字を書くことに少しこだわることは、取引先への心象も良くさせるはず。

●香水・・・香りは好みが分かれるので、ビジネスシーンではできるだけ使わないことをオススメします。汗対策ならデオドランド剤を使ってくださいね。

日々のわずかな努力で将来の差は歴然と


女性と違いビジネスシーンで化粧という武器が使えない男性は、見た目においてやや工夫をしにくい面があるといえるかもしれません。だからといって美容や身だしなみに無理に多額の投資をする必要はなく、ちょっとした気配りで十分周囲に好印象を与えることができるのです。

逆に過敏になりすぎて、年代にそぐわない高級品を持ったり、髪型や眉毛をつくり込みすぎたりするのは、目上の方に誤解されることもありますので注意しましょう。

日々のわずかな努力が、きっと10年後、20年後に大きな差となって現れてくるはずです。ぜひ無理のない範囲で、身だしなみの改善を取り入れてみてはいかがでしょうか?

<取材・文:小林香織>


識者プロフィール
山川アンク/メンズ美容家。一般社団法人日本メンズ美容協会理事長。

大阪生まれ。幼少期に母娘で種子島に移住し、海と空が美しい自然の中で育つ。大学卒業後、クリスチャンディオールをはじめ4社の化粧品メーカーに勤務。その間に深刻な鬱病や全身に赤斑ができる免疫疾患にかかり、人目がつらく絶望的な日々を送るが奇跡的に回復する。2012年よりメンズ美容家として活動を開始。現在、協会理事長としてメンズ美容文化の普及推進に精力的に取り組んでいる。
公式HP:http://www.ankh-yamakawa.com/

※この記事は2017/06/29にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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