出世する人に共通する習慣はあるのでしょうか? 今回は若手ビジネスパーソンならぜひ知りたい、出世できる人の習慣についてです。
キャリアの専門家であり、『35歳から出世する人、しない人』などの著書を持つ「佐藤人材・サーチ株式会社」の代表、佐藤文男さんの協力のもと、“出世する人がしている習慣”をチェックリスト形式にしてみました! さぁ、皆さんは出世できる人の習慣を実践できているでしょうか?
出世する人たちは共通の習慣を持つ
そもそも出世する人には、本当に共通の習慣があるのでしょうか。率直に佐藤さんに聞くと、明快な答えが返ってきました。
「私自身の数多くのビジネスパーソンのキャリアに関わってきた経験から言えることですが、出世する人には間違いなく共通の習慣があります」(佐藤さん:以下同じ)
そして、佐藤さんは20代という若いうちからそれらの習慣を身に付けるべきだとも話します。
「習慣というのは、若ければ若いほど身に付きやすいものです。30、40代になってから一念発起して始めようとしても、なかなか習慣は身に付きません。入社してすぐ、20代のうちから意識して取り組むことが大切だと思います」
これができたら出世間違いなし!? 10の習慣チェックリスト
それでは、出世する人の10の習慣をチェックしてみましょう! 以下の質問のうち、いくつYESといえるか、数えてみてください。
□出勤したときに1日のスケジュールが組めていますか?
□自分の会社や業界のマナーと、一般的なマナーの両方を身に付けていますか?
□この1年間のうちで海外に行きましたか?
□自分のスキルアップのために投資をしていますか?
□1年後、3年後、5年後の目標を決めていますか?
□社内と社外、両方のネットワークを築けていますか?
□打ち込める趣味は持っていますか?
□物事をプラスに捉えることができていますか?
□意識的に世の中のトレンドを掴む情報収集をしていますか?
□自分の適正体重をキープするための生活の基礎はできていますか?
YESが8~10個:出世の確率90%
YESが5~7個:出世の確率60%
YESが3~4個:出世の確率30%
YESが2個以下:出世の確率5%
いかがでしたか? ここからは、それぞれの項目について、佐藤さんの説明を見ていきましょう。
チェック1「時間管理」
出勤したときに1日のスケジュールが組めていますか?
「朝起きて通勤電車に乗って会社へ行き、自分のデスクに座る。その瞬間、今日やるべきことが把握できていますか? 例えば通勤電車の中で、スマホを使ってゲームをするのか、1日の時間管理をするのかで、その日の仕事の出来が決まると言っても過言ではありません。はじめは1時間単位(ベストは15分単位)でもいいので、出勤までに1日のやるべきことをイメージしましょう」
チェック2「ビジネスマナー」
自分の会社や業界のマナーと、一般的なマナーの両方を身に付けていますか?
「基本的なことですが、あいさつの仕方、ビジネスレターの書き方、言葉遣いなどのビジネスマナーは出世に必須のスキルです。ここで大切なのが、2つのビジネスマナーを意識すること。自分が勤める会社や業界が持つ独自のものと、一般常識として知らなければいけないものの2種類です。この2つのビジネスマナーを、状況に応じて使い分けることができるようにしたいですね」
チェック3「グローバルな感覚」
この1年間のうちで海外に行きましたか?
「さまざまなところで言い尽くされているかもしれませんが、日を追ってグローバルな感覚が問われる時代になってきています。皆さんはこの1年間のうちで海外に行きましたか? 日本だけにとどまっていると、このグローバルな感覚は鈍ってきます。例えばシンガポールであれば、週末を活用するだけで行くことができます。旅行でいいので、気軽に海外へ出掛けてください。もちろん英語力も大切で、できればTOEIC700点レベルはほしいですね」
チェック4「自己投資」
自分のスキルアップのために投資をしていますか?
「身銭を切って自分への投資をしていますか? 仕事を通じた講習会だけではなく、読書やセミナー、勉強会、ビジネススクールなど、仕事以外のところで自己投資をしないといけません。特にこれらは20代のうちにやっておくべきことでしょう。30代40代になると、家族や家庭の事情などに使うお金が必要になってくるからです」
チェック5「目標設定」
1年後、3年後、5年後の目標を決めていますか?
「それがたとえかなわなかったとしても、1年後、3年後、5年後の自分のありたい姿をイメージすることが大切です。出世をする人はみんな出世のシナリオを持っています。“3年後には◯◯部署で仕事に幅をつける”“5年後にはMBA留学にチャレンジする”など、具体的な目標を設定しましょう。ここで留意していただきたいのが、プライベートを関連付けること。結婚や趣味の目標なども頭に入れておく必要があるでしょう」
チェック6「人脈づくり」
社内と社外、両方のネットワークを築けていますか?
「社内の人脈と社外の人脈、この2つのネットワークを持つことが、出世のために必要となるでしょう。社内の人脈は、社内派閥などを意識して政治的に動くのではなく、より自然な形で築き上げましょう。社内サークルや研修、プロジェクトを通じた出会いを大切にするのです。社外の人脈は異業種交流会、勉強会などで出会うという方法があります。インターネットの普及によって社外の人と出会いやすい世の中になっていますので、ぜひ別の世界を知るためにも、社外に人脈を築き上げてください」
チェック7「休日の使い方」
打ち込める趣味は持っていますか?
「出世できる人は、生活にメリハリをつけるのがとても上手です。オンのときにはしっかりと働き、オフのときには趣味に打ち込む、という人が多いです。それも特に体を動かすスポーツ系の趣味がオススメです。心身ともにリフレッシュできる趣味に打ち込むことで、仕事をより充実させることができるでしょう」
チェック8「ポジティブシンキング」
物事をプラスに捉えることができていますか?
「物事をプラスに考えるポジティブシンキングは、出世している人たちが共通して持つスキルです。このポジティブシンキングは、意識して行うことで習慣化することが可能です。特に20代のうちから物事をプラスに考えるクセを身に付けておけば、仕事の壁にぶつかったときにも、“ダメだ”と諦めずに、“自分ならばできる!”と踏ん張りが利くようになるでしょう」
チェック9「情報収集」
意識的に世の中のトレンドを掴む情報収集をしていますか?
「情報収集という視点を持って、さまざまな物事に触れていくことが必要です。新聞、雑誌、本、インターネット、どんなものでも構いません。また実際に街に出掛けて歩いてみる、話題のものを実際に使ってみる、話題になっているレストランで食事をしてみるのもいいでしょう。そのときに大切なのが、情報収集の視点を持つことなのです。エンターテインメントとしてただ楽しむだけではなく、そこから情報を拾い、感度を高めることが大切です」
チェック10「健康管理」
自分の適正体重をキープするための生活の基礎はできていますか?
「どんなに能力があっても、体が健康でなければ仕事はうまくいきません。特に食事や飲酒には気を配りたいところです。30代になってから健康管理をしようと思っても、なかなかうまくいきません。20代のうちから健康管理のベースをつくっておくととても楽です。自分の適正体重を把握し、それをキープする生活の基礎を築き上げるようにしてください」
いかがでしたでしょうか。今回紹介したチェックリストをもとに、自分の習慣を見つめ直してみては?
識者プロフィール
佐藤文男(さとう・ふみお)/1984年一橋大学法学部卒業後、日商岩井株式会社(現・双日株式会社)、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社(現・シティ・グループ証券会社)、株式会社ブリヂストン等を経て、人材サーチビジネスへ。2003年10月に佐藤人材・サーチ株式会社を設立。人材サーチ(ヘッドハンティング)を中心にキャリア、転職、中途採用、新卒採用等に関するセミナーや講演会を行う。2013~2014年にかけてシンガポールにて人材紹介ビジネスに携わる。著書は共著も含め15冊。主な著書に『10年後に後悔しない転職の条件』(経済界)や『35歳から出世する人、しない人』(クロスメディア・パブリッシング)等がある。
※この記事は2015/06/15にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
あなたの本当の年収がわかる!?
わずか3分であなたの適正年収を診断します