前回のはたらき世論調査では、年齢別の転職に関する意識を調査。「年齢が上がるにつれて一社志向が高まる」「入社して3年、5年、10年が節目となる」などの傾向が明らかになりました。(参考:「【年齢別に調査!】今の職場で一生勤めたい人って何割いる?」)
それでは、転職に関する意識は“年収”によっても異なるのでしょうか? 今回のはたらき世論調査では、若手ビジネスパーソンを対象にした転職意識調査の結果を、年齢別に見ていきましょう。
全体を通じて安定志向だが年収1000万円以上は例外?
グラフを見てみると、ほぼ全年収を通じて「今の職場(会社)に一生勤め、今と同じような仕事をしていたい」と回答した人の割合が多いことが分かります。
年齢別の転職意識調査でもそうだったように、安定志向の若者が多いことが年収別の転職意識調査の結果にも反映されているといえそうです。
それでは、年収ごとの差をいくつかピックアップしてみましょう。
年収1000万円を超えるとチャレンジしたくなる?
ほぼ全年収を通じて「今の職場(会社)に一生勤め、今と同じような仕事をしていたい」と回答した人の割合が多い一方で、注目すべきなのは、年収1000万円以上です。「今の職場(会社)に一生勤め、今と同じような仕事をしていたい」と回答した人の割合が一気に下がり、「その他」と回答した人が5割を超える結果に。
「その他」に含まれるのは、「起業したい」「店舗などを開業したい」「独立したい」「海外で仕事をしたい」といった回答です。年収1000万円を超えると、それまでの職場や働き方に捉われずにチャレンジしたいと思うようになる傾向があるといえそうです。
年収700万円以上800万円未満が一つの転機?
「今の職場(会社)に一生勤め、今と同じような仕事をしていたい」と回答した人の割合は、全体として右肩上がりに推移していることがグラフから読み取れます。
ただ、年収700万円以上800万円未満だけガクッと割合が落ちています。一方この年収層で増えているのが、「今の職場(会社)に一生勤めたいが、今とは異なる仕事をしたい」「別の職場(会社)に転職して、今と同じような仕事をしていたい」と回答した人の割合です。このことは、年収700万円以上800万円未満が「職場も業務も、両方変えたいわけではないけど、どちらかを新しくしたい」と思う転機となる年収であることを示唆しています。
年収900万円以上1000万円未満は時短、パート、自宅勤務も選択肢に?
また、意外なのが「今の職場(会社)に一生勤めたいが、働き方は時短、パート、自宅勤務などに変えたい」と「別の職場(会社)に転職して、働き方を時短、パート、自宅勤務などに変えたい」と回答する人の割合が、年収900万円以上1000万円未満で高くなっていること。
これはあくまで推測にすぎませんが、ある程度の収入を得るようになると、それ以上の収入よりも、私生活の時間や、より自由な働き方を求める人が増える、その節目が年収900万円以上1000万円未満なのかもしれません。
年収=市場価値ではない
ここまで、年収ごとの転職意識を見てきました。
年収と転職との関係で注意しておきたいのが、自分の市場価値。今の職場での年収が、かならずしも自分の転職市場における価値であるというわけではありません。現在の給料には将来への期待がこめられていたり、その企業自体の体力が反映されていたりするからです。
これまで大日本印刷、ベネッセコーポレーション、ライブドアなど、大企業やベンチャー、スタートアップなど10社を経験してきた小林佳徳さんは次のように語ります。
小林さんの言うように、「現在の年収=自分の市場価値」と考えてしまうのではなく、本当の自分の市場価値を知ることが大切です。そして自分の市場価値を知るという意味で、転職活動は有効な方法なのだといえるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ぜひ皆さんや皆さんの周りの人の転職意識と、今回の調査結果とを比較してみて、キャリア形成の参考にしてみてくださいね!
↓↓↓調査結果はこちら
年収別転職意識調査
※値は%。小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない。
※この記事は2015/11/19にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
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