視野を広げるために、社外でも人脈をつくりたい……。そう願うビジネスパーソンの間で話題となっている「ミートアップ」をご存知でしょうか。
今回は、堅苦しい勉強会や異業種交流会が苦手なビジネスパーソンでも、気軽に人脈を広げることができる、このミートアップという新たなイベントのかたちについてご紹介します。
ミートアップとは
ミートアップとは、興味関心や地域といった共通項のもと、ネット上でイベント管理・告知をすることで集うイベントのこと。主に参加申し込みはツイッターやフェイスブックといったSNSで行われます。
時間と場所とテーマを決め、少人数がカフェなどに集まって行われ、勉強会や異業種交流会よりもフランクな集まりといえるでしょう。
ミートアップが参加しやすい2つの理由
ミートアップには、誰もが参加しやすい理由が2つあります。
◎初対面でも打ち解けやすい
交流会への参加はツイッターやフェイスブックなどを通じて申し込みできるものも多いため、あらかじめ、参加者同士で互いについての情報を知ることができます。
つまり、当日の参加者が初対面ばかりであっても、共通のテーマに加え、事前に互いの情報を得ているので、「フェイスブックで○○の投稿をしていた○○さんですよね?」と会話が生まれやすくなり、スムーズに打ち解けることができるのです。
◎専門性が高い趣味でも仲間が見つけやすい
専門性の高い趣味は、自分の身の回りだけだと仲間探しに苦労することもしばしば。でもだからと言って、ネット上のコミュニティに参加するだけでは、得られるものはあくまでも情報のみにとどまってしまいますよね。
その点、ミートアップは実際の交流会に参加することを目的にメンバーが集うので、効率良く仲間を探すことができるだけでなく、自分の興味関心についても深い話をすることができるのです。
ミートアップ誕生の経緯
そもそもミートアップはどのように誕生したのでしょうか。
◎「ミートアップ社」が始めたウェブサービスからはじまった
ミートアップのはじまりは、アメリカ・ニューヨーク市のミートアップ社が始めたソーシャル・ネットワーキング・サービスでした。
利用者は自分と共通の興味を持った仲間や交流会をオンラインで見つけたり、時には自らが会の主催者になったりして、出会った仲間とオフラインの場で情報交換をすることができます。
今やサービス名の「ミートアップ」という言葉は、オフラインで会って交流するという意味を持つほど、世界中で利用者が増えている人気サービスなのです。
◎きっかけは9.11
ミートアップが誕生した経緯には、2001年に起きたアメリカ同時多発テロが大きく関わっています。
ミートアップ社の共同創設者、スコット・ハイファマン氏は、アメリカが国家的な悲しみに暮れていたテロの直後、「4年ぶりに近所の人と会話をした」という市民の声から、近所同士のつながりが希薄になっていることに注目。インターネットを通して、リアルなつながりやコミュニティを構築するべく、2002年にミートアップ社を設立したのだそうです。
◎現在はシリコンバレーでも頻繁に開催
設立当初は主に読書や野鳥観察といった趣味系の交流会が多く、その規模も地元のカフェで集うくらいのものだったそうです。しかし今や、起業家によるミートアップ、母親たちによるミートアップ、 語学学習ミートアップなど、さまざまなテーマで交流会が開かれているそう。
なかでも技術やキャリアをテーマにしたミートアップが頻繁に行われるシリコンバレーでは、参加者が数千人という大規模なものもあるのだそうです。
ミートアップに参加する3つのメリット
とはいえ、なぜ今これほど多くの人がミートアップに参加するのでしょうか。その理由となる3つのメリットをご紹介します。
1.仲間をつくることで趣味や関心を持続できる
「例えば「健康のためにランニングを習慣にしたい」と走り始めても、その楽しさや喜び、はたまたつらさを共有できる相手がいないと、挫折しやすくなってしまいますよね。
しかし「ランニング」をテーマにしたミートアップに参加することで、自分一人では知り得なかった情報を得ることができたり、仲間ができることで、励まし合いながら続けることができたりするようになります。
2.物事の理解を深める機会になる
インターネットの情報に日々触れていると、テキストを読んだだけで物事を分かった気になってしまうなんてことも、よくありますよね。
そんな“頭でっかち”な状態を防ぐのも、ミートアップのメリットの一つ。例えば意見交換も、ネット上ではなく対面で行うことで、余計な誤解を招く心配がなくなります。知識の共有がスムーズになるのはもちろん、なんとなくでしか理解していなかったものについても、きちんと考えながら学ぶ機会となるのです。
3.地域や人との絆を築く
日本でも東日本大震災が起きて以降、地域の絆や近所付き合いの大切さがあらためて説かれるようになりましたが、ミートアップはまさにそのつながりをつくることを目的とした取り組みです。
最近では隣人の顔を知らないことが当たり前になっているほど、近所付き合いが希薄になっていますが、いざというときに頼りになるのは地域の団結力。「機会がないと地域の人と交流するのは難しい」と言われがちですが、その機会となるのがこのミートアップなのです。
ミートアップに参加するには
最近では、ATNDやこくちーずのような国内向けイベントの企画・告知ツールや、フェイスブックのイベント機能を使って、ミートアップを企画する人が増えているので、誰でも気軽に参加することができます。
また、本家「Meetup」のサイトは日本語未対応ながら、日本で行われるイベントが多く登録されているので、海外の人とも交流したいという人は参加してみるのもおすすめです。
まとめ
ネットを通して人とのつながりを持ちやすくなった今だからこそ、大きな注目を集めるようになった「ミートアップ」。
ネットとリアル、双方の異なる良さを取り入れたこのサービスは、人と人を橋渡しするものとして、これからさらに注目されていくはずです。皆さんもこれを機に、地域のミートアップに参加してみてはいかがでしょうか。
※この記事は2015/07/08にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
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