1人でできる働き方改革!「自分」の生産性をあげる10のポイント

「働き方改革」の浸透に伴い、企業には副業やフレックスタイムなど続々と新しい制度が導入され、生産性の向上を真剣に検討する風潮が高まっています。

1人でできる働き方改革!「自分」の生産性をあげる10のポイント

「働き方改革」の浸透に伴い、企業には副業やフレックスタイムなど続々と新しい制度が導入され、生産性の向上を真剣に検討する風潮が高まっています。

そんななか、「働き方改革は必ずしも組織単位のものではなく、個人レベルで生産性を高めていくことも十分にできる」と提唱するのは、『「自分」の生産性をあげる働き方』の著者で業務改善士の沢渡あまねさんです。

20代のビジネスパーソンにとって、自分の生産性をあげてどんな職場でも役立つような一生モノの働き方を身につけることは、今後のキャリアを築く上で最大の強みにもなります。そこで、沢渡さんに「自分」の生産性を最大限にあげる10のポイントを伝授していただきました。ぜひ今日から実施して、必要最低限の時間で最大の成果をあげてみませんか?

生産性をあげるには「自分の勝ちパターン」を見つけよう


「生産性をあげる」というと、パソコンのショートカットキーやエクセルの操作を覚えるなど、真っ先に実務的な効率化が思いつくかもしれません。しかし、「作業効率をあげるだけでなく、自分自身の生産性を高めることが大切」だと沢渡さんは話します。

「時間短縮をかなえることももちろん必要なんですが、それだけでは日々仕事を消化しているだけにすぎません。周りの期待に応え、自分を成長させていくことが、結果的に生産性をあげることにつながります」(沢渡あまねさん:以下同じ)

沢渡さんいわく、20代のビジネスパーソンのなかには、自分が得意なこと、好きなことをまだ把握できていない人も多いのだとか。今この記事を読んでいるキャリアコンパス読者のなかにも、共感する方がいるかもしれませんね。

「最初から自分の得意分野や好きなことを分かっている人は、そう多くありません。20代は任された仕事をとにかくなんでもやってみて、自分の専門性を見極める時期だと考えてください。30代以降になったら、専門性を伸ばしていけばいいんです。なかには最初から好きなことだけやりたいと思う人もいるかもしれません。しかし、若いうちに範囲を狭めてしまうのは成長を妨げることになってしまい、もったいないと思います」

好き嫌いにかかわらず目の前の仕事に全力で取り組むことで、「自分の勝ちパターンが見えてくる」と沢渡さんは続けます。

「日々さまざまな仕事にチャレンジしていれば、必ず自分の価値を周囲の人が見つけてくれます。そうやって、だんだんと自分の好きな仕事、得意な仕事、効率化の方法が分かるようになると、自分なりの『勝つための方程式』が出来上がってきますよ」

時短をかなえてくれる5つのメソッド


では、まず日々の仕事を効率的に行うためのメソッドを、5つのポイントに沿ってご紹介します。これまでの概念を覆すようなメソッドもありますが、理由を聞けば「なるほど」と納得できるはず。これらのポイントを仕事に取り入れることで、時短効果を実感してみてくださいね!

突発オーダーには「安かろう、悪かろう」で対応


「上司からの突発オーダーって日常茶飯事ですよね? そんなとき、いつも完璧に仕上げようとすると、時間が押して他の業務に支障が出るなど良い結果にはなりません。突発オーダーがあったときに確認すべきポイントは2点。限られたリソース(安かろう)で可能な品質レベル(悪かろう)を依頼者と合意すること。そして、突発オーダーに対応することのリスクを依頼者と合意することです。突発な依頼ほど『安かろう、悪かろう』の姿勢で対応しましょう」

議事録は先に書く


「通常、議事録は会議が終わったあとに書くものだといわれています。しかし、議事録を最初に書くことで先読みして動くことができるようになります。もちろん詳細な内容まで書くのは難しいですが、ある程度のあらすじを立てておけば会議の準備が滞りなくできますし、周囲に気が利く人という印象を与えることになり信頼を得ることにもつながります」

会議は「三本締め」でキメよう


「なかなか結論が見えず、ダラダラ続く会議ってうんざりしませんか? そんな締まりのない会議は、あなたが率先して仕切ることで実りのあるものに変えればいいのです。私がオススメする方法は『三本締め』。自分が口火を切って、『決定事項』『宿題事項』『次回予告』の3つを確認して、さっさと会議を締めてしまいましょう」

気の進まない仕事ほどマニュアル化する


「とくに会社員の場合、どうしても気の進まない仕事って存在しますよね。そんな面倒な仕事はマニュアル化するに限ります。感情を入れずマニュアルの指示通りに淡々とこなせば、結果的に早くその仕事を手放すことができるからです。また、マニュアル化しておけばミスがなくなりますし、あなたが対応できないときは他の誰かに渡すこともできます」

環境・時間をコントロールする


「人によって仕事がはかどるパターンは異なります。仕事を『考え仕事』『資料作成』『事務作業』と3つの枠に当てはめたとき、それぞれどんな時間帯や環境であれば仕事がはかどるかを考えてみましょう。自分が一番はかどるパターンを把握して、日々、環境や時間をコントロールしてみてくださいね」

自己成長につながる5つのメソッド


続いては、周りの期待に応えて自己成長に有利な環境をつくるためのメソッドをお伺いします。ここが「生産性をあげる」ための肝といえます。ぜひ、時短だけではない真の働き方改革について学び、トライしてみてください。

6割できたらチャレンジする


「新しい仕事にチャレンジする場合、それを完璧にこなせる自信がなくても構いません。『6割できる』と思ったらそれで十分。20代の方にいたってはまったくの未経験でも、『やってみたい』と思ったら手を挙げてみましょう。不足しているスキルは誰かの手を借りて補っていけばいいのです。足りないところを埋めるために頼れる上司がいるわけですし、あなたの積極性は必ず誰かが評価してくれるはずです」

失敗を恐れず財産にしよう


「失敗は『してはいけないもの』『恥ずかしいもの』と思っていませんか? いいえ、失敗は『宝の山』であって、『次に同じ失敗をしないためのノウハウ』が詰まっているんです。失敗には、背景、原因、行動、結末といった一連のストーリーがあり、非常にリアリティーがあります。この失敗体験を忘れてしまわずに積極的に周囲に共有することで、自分自身の成長だけではなく、組織全体の成長に活かすことができるのです」

聞かれ上手になる


「自分がやりたい仕事をしたいと思うのであれば、聞かれ上手な人を目指すのが早道。たとえば、普段の業務のなかでやりたい分野の情報をさりげなくアピールしてみたり、広報誌や社内SNSなどのコミュニケーションツールで伝えてみたり、いろいろな場所で自分を示していくのが大事です。その情報について聞かれる場面が増えれば、自然とやりたい仕事が舞い込んでくるでしょう」

褒めるときはヒトを主語に、注意をするときはモノを主語にする


「周囲の人との信頼関係を育むには、この鉄則を覚えておくのが有効です。たとえば、褒めるときは『佐藤さんが素晴らしい提案をしてくれました』とその人の名前を前面に出す。一方、注意をするときは『間違ったデータがインプットされていたため、修正が必要です』と、叱っている対象を人ではなく、間違ったデータがインプットされていたこと、とする。こうすることで日頃から良い人間関係を構築できれば、いざというときに頼りなる人ができます」

「思う」「伝える」「動く」の3ステップを実行する


「将来的にやりたいことやかなえたい夢が見つかったら、『思う』『伝える』『動く』の3ステップに分けて、いま自分がどこのステップにいるのかを把握してみましょう。まずは『かなえたい』と思うこと、その思いを誰かに『伝える』こと、そして『行動する』ことです。伝える相手は先輩や上司、社外の人など、自分よりも広い世界を持っている人がベストです」

主体的に動いていると、おのずと「生産性があがる」


自分の生産性をあげるには、何よりも「主体的に動くこと」が求められます。上司や先輩の指示を待っているうちは、自分の生産性は一向にあがりません。働き方が多様化している現代は、会社員であっても自ら働き方をクリエイトしやすい環境が出来上がってきているともいえるでしょう。

そんな状況をうまく利用して作業の効率化を図り、さらには周囲をあっと言わせるくらいに率先した行動力をみせて自己成長につなげましょう。自分の意識が変われば周囲からの評価が上がり、おのずと「自分の生産性をあげる」ことになるのです。組織の変革に頼るだけじゃなく、まずは自分自身から働き方改革を始めてみませんか?


<取材・文:小林香織/編集:東京通信社>

識者プロフィール


沢渡あまね(さわたり・あまね)/あまねキャリア工房代表・業務改善・オフィスコミュニケーション改善士
1975年神奈川県生まれ。早稲田大学卒業。サラリーマン歴16年。日産自動車、NTTデータ(オフィスソリューション統括部)、大手製薬会社などを経て、2014年秋より現業。IT購買部門、情報システム部門、広報部門などを経験。現在は企業の業務プロセスやインターナルコミュニケーション改善の講演・コンサルティング・執筆活動などを行っている。NTTデータでは、ITサービスマネージャーとして社内外のサービスデスクやヘルプデスクの立ち上げ・運用・改善やビジネスプロセスアウトソーシングも手がける。現在は複数の企業で「働き方見直しプロジェクト」「社内コミュニケーション活性化プロジェクト」「業務改善プロジェクト」のファシリテーター・アドバイザー、および新入社員・中堅社員・管理職の育成も行う。これまで指導した受講生は2,000名以上。

※この記事は2017/11/07にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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