隙間時間でやる気が劇的に上がる! “5分間セルフコーチング”方法5つ

日々の仕事や勉強など、あらゆる生活シーンにおいて、心の中でもう一人の自分と対話することで、

隙間時間でやる気が劇的に上がる! “5分間セルフコーチング”方法5つ

日々の仕事や勉強など、あらゆる生活シーンにおいて、心の中でもう一人の自分と対話することで、

モチベーションを高めたり、理想的な自分に自分を導いたりすることができる「セルフコーチング」。忙しいビジネスパーソンでも、お昼休みや通勤時間などの隙間時間でできる“5分間コーチング”の方法を、スポーツメンタルトレーナーの高畑好秀さんに教えてもらいました。

セルフコーチングはメンタルをコントロールする方法


「セルフコーチング」とは、自分自身の中にいるもう一人の自分を「コーチ」として育て、心の中で一対一の対話を繰り返していくことです。

このセルフコーチングをビジネスパーソンが実践した場合、どのような効果が得られるのでしょうか?

「セルフコーチングは、いかなる場面においても自分自身のメンタルを上手にコントロールして、自分の実力をすべて出し切るための方法です。具体的には、仕事のあらゆる場面において、自信を持ち、落ち着いて臨むことができます。また、集中力が高い状態で、プラスのイメージを持って積極的に仕事に打ち込んでいけるようにもなります」(高畑さん:以下同じ)

5分で実践できる! セルフコーチングの方法


仕事に前向きになり、モチベーションを高められるセルフコーチング。ビジネスパーソンが日々の生活や仕事の中で、短時間でも実践できる方法を5つ、高畑さんに教えてもらいました。

(1)通勤中に読書をして集中力を高めておく


「通勤途中で新聞を読んだり、読書をしたりすることで、集中力のウォーミングアップをします。日本人は、ゼロから一気に100%に集中力を高めることが苦手なので、職場に着く前に、60~70%くらい集中しておくようにすることが大切です」

(2)仕事の合間に次に起きる状況や段取りのプラスイメージをつくる


「仕事と仕事との合間に、次の仕事の段取りや、起こり得るさまざまな状況とその対処法を、プラスのイメージにしていきましょう。

これは、『メンタルリハーサル』といって、起こり得るさまざまな状況を“上手に乗り切る”仮想体験を行い、プラスのイメージをつくっておく方法です。これにより、どのようなことが起きても、落ち着いて冷静に対処できます。

例えば営業の仕事であれば、次に難しい商談が控えている場合、『相手を説得できる優れた内容が頭にパッと浮かび、さらに交渉もうまくいき、無事商談を獲得できる』、というプラスのイメージを具体的に描きます。

このときに、相手からくるだろう質問や、問題が生じる可能性のある事項などをあらかじめ想定して、対処法を考えておくことが大切です。これによって、何事にも冷静に対処することができ、良い結果に結び付きやすくなるでしょう」

(3)目的と手段を明確にする


「隙間時間に、そのとき取り組んでいる仕事の目的と手段を明確にすることも有効です。

例えば野球でも、“ノーアウトランナー三塁”という状況の中では、ホームラン、ヒット、スクイズ(※)などさまざまな選択肢があります。しかし、あれもこれもやろうとすると、すべてが中途半端になり、うまくいきません。

そのため、“目的と手段を明確にする”ことが大切です。目的を『得点を得る』と定めたのであれば、それを達成するために、いろいろなアプローチが考えられます。その数ある手段の中で、スクイズならスクイズと明確化しましょう。

ビジネスの場では、例えば、お客さんからクレームが来てしまったとき、つらい気持ちになったり、怒りを覚えてしまうこともあるでしょう。そんなときには、目的と手段を明確にする時間を設けて、『失ってしまった信用を取り戻す』という目的を明確にし、後日客先を訪問して丁寧に謝罪するなどの手段をとるなど、冷静に対処することが可能になります」

※スクイズ:三塁走者を得点させるために、バントを行うプレイのこと

(4)緊張するような場面で、自分の本領を発揮するための行動をとる


「自分が緊張していることを認識したら、具体的な行動をとることでメンタルをコントロールし、リラックスして自分の本領を発揮しやすくすることが大切です。

例えば会議やプレゼンで発言をする前など、緊張が強くなると、交感神経という緊張を司る神経が優位になり、口の中が乾くことがあります。この場合、会議に臨む前にガムを噛んで唾液を分泌させると、リラックスしやすくなります。

また、緊張すると手の指先などの末梢血管が収縮するので、手のひらをこすりあわせて血液循環を良くすることもリラックスにつながります」

(5)怒られたときは、大事なポイントを一つ見つけて受け止める


「怒られたときは、ある程度、自分に都合の良いように解釈するのがポイントです。例えば、『怒られるということは期待の表れなんだ』など、自分のすべてを否定されているのではなく、必要なところだけ選びとって、その後の参考にしていくのです。

相手は感情的になって、いろいろなことを言ってくるかもしれません。そのような中でも、『本当に言いたいのは何だろう』と考え、一つだけ、相手の本当に言いたいポイントをピックアップして受け止めることで、落ち込んでネガティブになるのを避けることができるでしょう」

まとめ


今回紹介したようなセルフコーチングを日頃から意識しておくことで、あらゆる仕事のシーンで、より良い対処ができるようになりそうです。どのような場面でも自分の能力を最大限発揮できるように、今回紹介したような5分間セルフコーチング術を実践し、ぜひ自分自身の中にいる「コーチ」を育てていってください!


著者プロフィール
高畑好秀(たかはた・よしひで)1968年、広島県生まれ。早稲田大学人間科学部スポーツ科学科スポーツ心理学専攻卒。日本心理学会認定心理士。同大学運動心理学研修生終了の後、数多くのプロ野球、Jリーグ、Vリーグ、プロボクシング、プロゴルファーなどのプロスポーツ選手やオリンピック選手などのメンタルトレーニングの指導を行う。スポーツメンタル、ビジネスメンタルに関する著書は60冊を超える。テレビやラジオ、雑誌、講演などを通してメンタルトレーニングの普及に努めている。

※この記事は2016/01/13にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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