管理栄養士が徹底解説! 残業後や飲み会で食べてもOKな夜食とは?

皆さんは、残業で遅くに帰宅した後に食事を取るときや、残業中に何かを食べたくなったとき、遅い時間からの飲み会に参加したときなど、「夜遅くに食べると太るのでは?」「睡眠に悪影響があるのでは?」と心配になることはありませんか?

管理栄養士が徹底解説! 残業後や飲み会で食べてもOKな夜食とは?

皆さんは、残業で遅くに帰宅した後に食事を取るときや、残業中に何かを食べたくなったとき、遅い時間からの飲み会に参加したときなど、「夜遅くに食べると太るのでは?」「睡眠に悪影響があるのでは?」と心配になることはありませんか?

そこで、夜食太りを防ぎつつ、さらに快眠や体力づくり・パフォーマンスの向上にも役立つ賢い夜食の選び方と食べ方を管理栄養士のながいかよさんに伺いました。

夜食の賢い食べ方のコツ

 

◎太りにくくするためのコツ


「そもそもなぜ夜食を食べると太ってしまうのかというと、食べたエネルギーを消化しきれずため込んでしまうから。睡眠時はエネルギー消費が少ないので、翌日の朝に消化不良を感じるときは『太りやすい夜食』を食べてしまっている可能性が高いでしょう。

脂肪の蓄積には、糖質を摂取したときに分泌するインスリンが関係します。インスリンが多く分泌すると脂肪として蓄積されやすくなるので、太らないように気をつけたい場合は、糖質のコントロールがとても重要です」

1.お肉を食べる場合はタレではなく、塩で食べる

「タレには糖質が含まれています。甘辛い味が食欲をそそり、ついつい食べ過ぎてしまう原因にも。さらに味が濃く、ごはんが進むのでより太りやすくなってしまいます。味付けは、塩やこしょうなど最小限の調味料で調理されたものを選びましょう」

2.最初にわかめスープを飲む

「温かいスープは体温を上げ、胃の活動を活発にします。また、温かいものを飲むことで空腹感も落ち着き、食べ過ぎを防ぐことができます。しかし、たまごスープなど、とろみのあるものは糖質の一種であるでんぷんが含まれているので注意。夜食には糖質の少ないわかめスープがベストです」

3.飲み会でお酒を飲む場合は、ビールではなく「ハイボール」をセレクト

「ビールや日本酒、ワインには糖質が含まれていますが、ウイスキー、焼酎は蒸留酒であるため、糖質は含まれていません。よって、ウイスキーを、糖質の含まれない水や炭酸で割る『ハイボール』がおすすめです」

◎睡眠に響きにくくするためのコツ


「睡眠は時間の長さも大切ですが、それ以上に重要なのが質。しかし、寝るときに食べたものが胃に残っていると、眠っている間も消化活動をしている状態となり、眠りが浅くなってしまいます。そのため、夜食を食べても質のよい睡眠を得たい場合は、消化によい食べ物を選んだり、消化を促進させる食べ方をする必要があります」

1.普段より、よくかんで食べる

「かむという行為には、胃で消化しやすくするためにかみ砕き、消化酵素により消化を促進する役割があります。一度にたくさんの量を口に運んでしまうと、しっかりかめないまま飲み込んでしまうので、よくかむためには一口で運ぶサイズを小さくすること。『いつもの一口の半分』を意識して、よく味わって食べましょう」

2.繊維や脂肪分の少ない食事にする

「意外かもしれませんが、夜遅くに食事をする場合、野菜、特にごぼうはおすすめしません。そのほかにも健康によいとされる、玄米も避けたほうがいいでしょう。この2つは繊維、なかでも不溶性食物繊維が多く、消化に非常に時間がかかってしまうのです。どちらもヘルシーなイメージを持つ食材ですが、消化のいい食事を心がけるときは繊維の多い野菜は控えましょう。

また、脂肪分が多い食材も消化に時間がかかってしまいます。同じお肉でも脂身が多いバラ肉やモモ肉よりも、脂身が少ない胸肉やヒレ肉のほうが、明日に響かない夜食として最適です」

3.発酵食品を選ぶ

「反対に、消化がよく、積極的に摂取したほうがいいのが発酵食品。特に納豆などは大豆を柔らかく蒸したあとで発酵させており、非常に消化にいい食材です。大豆に含まれるたんぱく質は疲労回復にも役立ちますから、一挙両得ですね」

◎体力づくり・パフォーマンス向上に役立たせるためのコツ


「体力づくり、パフォーマンス向上のためには、蓄積した疲労を回復させることが大切です。もちろん、疲労回復にはしっかりと休むことが第一ですが、残業が続いてしまう忙しい時期などには、上記に挙げたような質のいい眠りを得るための食事と併せて、疲労を回復させる食事を意識してみましょう」

クエン酸が豊富に含まれているものを選ぶ

「疲労は『体内に乳酸がたまっている状態』や『細胞が酸化している状態である』といわれています。そこで意識して摂取したいのが酢などに含まれるクエン酸。乳酸を分解する働きや、老廃物を体外に排出する働きを持っていて、疲労回復によいとされています。

疲労回復に特におすすめなのが、新鮮なサバを酢でしめた『シメサバ』。クエン酸を摂取できるだけでなく、サバに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)という脂肪酸には脳の細胞膜を構成する物質があり、脳を活性化させ、記憶力や判断力を向上させるといわれています」

まとめ


賢い夜食選びには、「糖質を控えること」「消化のよいものを選ぶこと」「疲労回復を意識すること」がポイントといえそうです。夜食を食べざるを得ない状況になったときは、これらの内容を参考に、上手にチョイスしてみましょう!



識者プロフィール


ながいかよ えいよう未来株式会社代表取締役。ベストコンディショニングアドバイザー。管理栄養士。 病院勤務、料理講師を経てヘルスケア企業にて働く人の健康指導に従事。我慢させる食事指導をして元気がなくなるクライアントを目の当たりにし、従来の制限型指導に疑問を持ち、2010年に独立。NHK健康番組出演、朝日新聞ほかレシピやコラムの執筆などメディアでも活躍。アナウンサー、元プロスポーツ選手、経営者などを指導してきた経験から仕事も遊びも思いっきり楽しむ人の行動、考え方に着目し、多くの人に広める。「ストレスゼロの健康マネージメント」「仕事の質と効率を高める(食)習慣」をテーマに全国各地にて講演。近著に『仕事で圧倒的な成果を残すハイパフォーマーが実践する 飲食の技術』(すばる舎)がある。

※この記事は2016/06/17にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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