【朝の10分で大きく変わる!】仕事の成果につながる「朝活読書実践術」

わずか朝の10分間の読書が自分の仕事の成果や業績につながり、頭の中も整理され、さらには人脈にまで効果が現れる。そう力説するのは、「仕事に効く! 朝10分の読書術」の著書であり、経営コンサルタントやヒジネススクール講師など多方面で活躍する中島孝志さんです。

【朝の10分で大きく変わる!】仕事の成果につながる「朝活読書実践術」

わずか朝の10分間の読書が自分の仕事の成果や業績につながり、頭の中も整理され、さらには人脈にまで効果が現れる。そう力説するのは、「仕事に効く! 朝10分の読書術」の著書であり、経営コンサルタントやヒジネススクール講師など多方面で活躍する中島孝志さんです。

中島さん自身、毎日の生活に読書を取り入れ、そこで得た情報やスキルを仕事に生かしたことで営業成績がうなぎ上りにUPしたのだとか。その後も欠かさず朝活読書を続け、培ってきた知識を生かしながら、価値ある情報を提供している書評「中島孝志の 聴く!通勤快読」が現在人気を博しています。忙しいビジネスパーソンでも取り入れやすい、中島さん流の朝活読書術を伺いました。

脳が仕事モードに切り替わる!? 朝活読書がもたらすプラスの効果


どんな本を読むにしても、仕事の成果を出すためには早朝にペラペラとページをめくるだけでは不十分。まずは、以下3つの前提を知っておかなければなりません。

1、本の内容をうのみにしない

「本の中に書かれているケースは、1つの実例にすぎません。あくまでも参考にするという姿勢で読書に臨みましょう。本の内容に依存せず、逆に突き放して客観的に捉えるスタンスが大切です」(中島孝志さん:以下同じ)

2、プラスαで工夫を加える

「本に書かれていることを実践するときは、自分なりの創意工夫をしながら取り組んだほうが効果的です。著者を崇拝するのではなく、少しライバル視するぐらいが丁度いいですね」

3、主人公を自分に置き換え、主役モードで読む

「他人事ではなく、『自分だったらこうする!』という主役モードで本を読むこと。このようなスタンスで読むことによって、いい加減な読み方をしなくなり、読書が真剣勝負になります」

この前提を踏まえたうえで実践する朝活読書には、どんなメリットがあるのでしょうか? 朝読書を30年近く継続している中島さんなりのメリットは、以下の3点だそうです。

1、脳のアイドリング効果

「何を読むか、どう読むかということ以前に、朝早く起きて読むことにそもそも意義があります。それは、早朝に読書をすることによって頭がさえて、仕事を始める時間には“戦闘モード”が出来上がるからです」

2、脳の動きが活発になる

「本で得た情報を今の仕事にどう生かすか、いつも意識しながら読書に臨むことで、脳が自然と活発になります。考える癖がつけば、黙っていても検索モードが自動的に起動するから脳というのはすごいのです」

3、朝読書はその日の一番初めのインプットなので効果的

「よくアイデアマンとか、情報の倉庫、雑談の名手といわれる人がいると思いますが、彼らは実際のアウトプットよりもはるかに多くのインプットをしているもの。それだけ豊富なインプットがあるからこそ、切れ味鋭いアウトプットが出せるのです。とくに脳が新鮮な状態での朝一番のインプットは、思わぬ効果を発揮します」

10分間をどう使う? 中島さんが提唱する朝活読書のポイントとは


続いて、中島さんが提唱する朝活読書のルールや、仕事に役立つ本を選別する方法、若手ビジネスパーソンにオススメの3冊を教えていただきました。

ルールといってもこれといって難しいことはなく、始業開始前の10分間を使い、以下の4原則を徹底するのがポイントとのこと。

1、毎日続ける

2、みんなでやる

3、それぞれが好きな本を読む

4、ただ読むだけ


毎日朝からオフィスに出勤しないという営業職の人などは、参加できるときにだけ参加して、普段は自主的に読書をするのもOK。仲間と一緒に取り組むことは、お互いに情報交換ができたり人脈が広がるほか、読書意欲、勉強意欲ともに増幅するため良い刺激になるそうです。

そして、仕事に役立つ本かどうかを選別するには、以下の9つのポイントを参考にしてください。

1、各業界の有名人の本

「その業界の名物といえるような人には、必ずドラマとその人ならではのスキルがあります」

2、社長経験者の本

3、少なくとも200ページ以上のボリュームがある

「内容のある本であれば、自然と厚くなるものだからです」

4、定評のある版元の本

「あくまで経験則ですが、ビジネス書の場合はとくに定評がある版元の本をオススメします。たとえばダイヤモンド社などがこれに当たります」

5、小説・エッセイ等は受賞作

「この手の賞は処女作ではなく、2冊目、3冊目など、満を持して受賞というケースが多くみられるので、本の質も高くなる傾向があります」

6、歴史物はベストセラー

「例えば、司馬遼太郎、藤沢周平、浅田次郎、などの書籍が有名ですね」

7、時流を先取りした本

8、経済・投資・金融は専門性が高いため、この分野で定評のある版元から出版された本

「東洋経済新報社などがこれに当たります」

9、切り口がユニークな本

「スペシャリストが新たな視点で出版した本。たとえば『経済を動かす単純な論理』(櫻川昌哉著・光文社)などが該当します」

それ以外に、仕事に役立った本を人に聞く、ビジネス視点で運営されている書評サイトを参考にする、も大いにアリだそう。

上記の条件を踏まえて、中島さんが20代に今オススメする本は以下の3冊です。朝活読書の最初の1冊として、参考にしてみてくださいね。

1、トランプと「アメリカ1%寡頭権力」との戦い 日本独立はそのゆくえにかかっている!(クリス・ノース《政治学者》他、著・ヒカルランド)


2、反グローバリズム旋風で世界はこうなる~日経平均2万3000円、NYダウ2万ドル時代へ!~(植草一秀著・ビジネス社)


3、仕事をシンプルにする「数字力」:整理する 伝える やり抜く(中島孝志著・三笠書房《知的生きかた文庫》)

 

質の良いアウトプットを生む、朝活読書の情報活用術


続いては、朝活読書で得た情報をどのように整理し生かしていけばいいのかについて説明していきましょう。中島さん流、最高のアウトプットを引き出す方法は以下の通りです。

1、マーキング・チェックする

「読書中に『ここだ!』という部分と出会ったら即マーキング・チェックしましょう。すぐに記しておかないと、忘れてしまう可能性があるからです」

2、メモをとる・ノートに書き出す

「マーキング・チェックがたくさん付くような当たりの本があったら、マーキング部分を片っ端から手帳やノートなどに書き写すこと。いざというときに生かせるように、1カ所にまとめておくのがポイントです」

3、考える・考え抜く・ひらめく

「仕事ができる人はインプットよりも、アウトプットが命。情報を組み合わせて化学変化を起こし、付加価値という成果を具体的に生み出すことが重要です。そのためには、朝読書で得た知識・情報をベースにとことん考え抜き、アイデア・ヒント・正解を引っ張り出す工程まで進まなければなりません」

この情報整理をサポートするためには、文具の活用も欠かせません。中島さんがオススメする文具術についても、併せて活用してみてください。

■ポストイット

「先ほどの『マーキング・チェックする』の工程で使えるのがポストイットです。私はもっぱら50ミリ×15ミリの小さなものを愛用しています。共感部分、そして反論部分にも貼っておくこと。読み終えたときにチェックした部分だけおさらいして、『どうしてこんなところにマーキングしたんだろう』と違和感を感じる箇所があればすぐに剥がすこともできるので、便利です」

■手帳・メモ・ノート

「読書をして感じたポイントを書き留める際は、手帳やメモ、ノートなどを活用してください。その際、必ず見開きで使うのが中島流。左ページには著者の発言のみを書く。一方、右ページにはあなたの思ったこと、感じたことを書く。略字や暗号、図解などを駆使して、あなただけが分かるよう書けばOKです」

■ノートPC・iPad・タブレット

「大量に読みたい人にオススメしたいのが、ノートPC・iPad・タブレット等の電子機器。ノートは振り返って探すときに、どうしても手間がかかるので、その手間を解消するためには電子機器を活用するのがオススメ。欲しい情報を瞬時に検索することもできます」

そして、整理した情報はデジタルツールを使ってアウトプットするのも重要とのこと。若手ビジネスパーソンが気軽に始められる方法をご紹介します。

■ブログにまとめる

「私自身も実践していますが、本の内容をピックアップして紹介することで新たな発見が必ずあります。人間というのは1人で勉強しただけでは、なかなか本質をつかめないもの。誰かに伝えたり教えたりすることによって、はじめて本質を捉えることができるのです」

■Twitter・Facebookと連動させる

「SNSと連動させる場合は、“読書”という大きなくくりではなく、村上春樹や東野圭吾などの人気作家ごと、あるいはドラッカーや松下幸之助といった経営者などの専用アカウントを作ることをオススメします。ビジネスパーソンが携帯を見る朝の時間帯など、工夫して仕掛けることで新たな仲間を集められるほか、情報交換の場にもできるはず」

朝10分の読書習慣が未来を変えるカギになる


著者が経験してきた体験や身につけてきたスキルを、自分もその場にいたかのように習得できるのが読書の最大のメリット。さらに、そのエッセンスを自分事として捉え、活用していくことで、徐々に仕事の成果が現れるはずです。

もっとも頭がシャープになる早朝の時間帯を上手に利用すれば、わずか10分間の読書が最高の価値を提供してくれることはまちがいありません。たとえ三日坊主になったとしても、3日休んだらまた始めるなど、朝読書を生活のリズムに取り入れる心がけが大事だと中島さんは言っています。

まずは週に一度からでも、朝活としての10分間の読書をあなたも取り入れてみませんか?


(取材・文:小林香織)

識者プロフィール

中島孝志(なかじま・たかし)

東京生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、南カルフォルニア大学大学院修了。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家(ペンネームは別)、出版プロデューサー、大学・ビジネススクール講師等。「キーマンネットワーク定例会」のほか、講演・セミナーは銀行、メーカー、外資系企業等で大人気。全国紙をはじめ専門誌、永田町メディア、金融経済有料サイト、大手企業広報誌から宗教団体機関誌などの連載を20年以上続ける。著訳書は330冊、電子書籍100冊。大臣や経済団体トップなど政財界をはじめとした要人プロデュースは延べ500人超。読書は年間3000冊ペース。落語と宝塚歌劇、大衆演劇、そしてシャンソンの熱烈なファン。
公式ホームページ:http://www.keymannet.co.jp/

※この記事は2017/07/20にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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