最近では猫をテーマに雑誌で特集が組まれることもあるほど、多くの人に人気の“猫”。猫カフェはすっかり定番になりましたが、飼わなくても猫と一緒に過ごせる施設は、カフェだけではありません。
昨年7月に福岡市にオープンした猫付きシェアオフィス「Q studio」では、働くスペースで猫と一緒に過ごすことができます。どんな猫とどのように過ごすことができるのか、オフィスに猫がいることのメリットやデメリットは何なのか……。運営を行っている福岡リノベースの江頭聖子さんにお話を聞きました。
オフィスの歴代猫たちをご紹介!
現在猫付きシェアオフィス「Q studio」には、推定1歳のメス猫「チャコ」が常駐しています。最近では来客をお出迎えして、おもてなしもしてくれるそう。
まずは江頭さんに、オフィスにいた歴代の猫たちをご紹介してもらいました。
「猫なのに“猫嫌い”という、思春期まっただ中のツンデレ女王です。PCの電源を切るのが得意。オフィス入居後から幸せ太りで体型が激変したため、現在ダイエット中でもあります」(江頭さん:以下同じ)
「殺処分寸前だったところをレスキューされて、殺処分センターからオフィスへ直送された甘えん坊の男の子。オフィスメンバーがソファに座ると、遠くからでも走って甘えにくるような、人間大好きっ子でした。現在はオフィスにはおらず、次に紹介するオハナと一緒に暮らしています」
「とても賢く、仕事の邪魔はしない空気の読める子。現在は里親となってくれた若いご夫婦のもとで、トムと一緒に暮らしています」
入居条件は「猫の世話」
「Q studio」は、同じスペースで一緒に仕事をするという“シェアオフィス”と、“猫の里親捜しの場”という2つの機能を備えています。
いま日本では、猫を含めた動物の殺処分が問題となっています。毎年多くの飼い主のいない猫が、里親が見つからず、保健所や愛護センターで殺処分されているのです。そこで、飼い主のいない猫の里親を見つけるための“猫の里親捜し”が全国各地で行われています。
しかし、シェアオフィスの機能を兼ねた猫の里親捜しの場は、全国でも珍しいでしょう。
ちなみに入居条件は、「猫のお世話をすること」だそう。
「Q studioは、オフィススペースと共に、猫のお世話もシェアしています。猫が好きだけど家ではさまざまな理由で飼えない方たちが、オフィスで猫と触れ合える時間を持てているんです。
また、猫の里親捜しとしてはSNSでの写真UP、土日はオフィスを開放し見学会を行っています」(江頭さん:以下同じ)
猫付きシェアオフィスをオープンするきっかけは、先にオープンしていた猫と暮らせるシェアハウス「Qハウス」だったそうです。
「猫と暮らせるシェアハウスの運営開始後、すぐに保護猫団体から『保護猫と人とが出会うことができるシェアハウスができないか』とご相談をいただいていました。
その企画自体はいろんなトラブルや懸念点があり、うまく進められなかったのですが、猫飼育可であるマンションのオーナー様から空室があるとの連絡をいただいたことと、私自身はオフィスを欲しいと思っていたこととが重なって、猫付きシェアオフィスのオープンとなりました」
猫と働くメリット・デメリット
自由気ままに行動する猫たちと一緒に仕事をするからこそ起きる、意外なメリット・デメリットについて教えてもらいました。
――猫がいることで、オフィスにいる人にはどのようなメリットがあると感じていますか。
「仕事にメリハリがつくようになったとよく聞きます。猫が甘えてきたら休憩のタイミングになります。また猫をなでることによる癒やしの効果で、クレーム対応が落ち着いてできるとの声もありました。
また、ここにいる猫は殺処分からレスキューされた猫たち。自然と利用者の動物保護に関する意識が高まります。
あとは、入居条件に猫のお世話を入れているのですが、猫のお世話を共有することでメンバーの仲が良好になりますね」
――逆にデメリットはありますか?
「猫がこちらのお構いなしに仕事の邪魔をしてきます。PCの電源を落としたことも1度や2度ではありません。あと、こればかりは仕方ないのですが、猫アレルギーの人は打ち合わせに呼べないですね」
――ちなみに、ペットを飼うとどうしても気になるのは“におい”だと思いますが、“におい”は気にならないのでしょうか?
「やはりどうしてもうんちしたてのときはにおいがしますが、そこは空気清浄機でなんとか解消しています」
まとめ
家で飼えなくても、猫と過ごすことができる猫付きシェアオフィス。猫好きにとってはたまらないこんなオフィスが近場にあったら、皆さんは働いてみたいと思いますか?
会社プロフィール
株式会社福岡リノベース 福岡のリノベーション企画・空室コンサルティング会社。築古マンションの空室対策として、賃貸入居者の希望の内装を取り入れるオーダーメイド賃貸の総合プロデュースや、一戸建てや一棟ビルの空室活用としてシェアハウスの企画運営、またコンサルティングなどを手がける。代表の猫好きが高じて、猫グッズの企画開発や猫部屋プロデュースなども今後展開予定。
※この記事は2016/02/17にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
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