ブランド志向な日本人がこだわる、「学歴」。皆さんも人生のどこかで、一度は悩んだり、傷ついたりしたことがあるのではないでしょうか?いい学校に行った、もちろんそれは努力の賜物。でも、社会に出たら実は関係ないかもしれません。
今回のストーリーの主人公は、株式会社LIGの塚本音海(おとみ)さん。Web業界で人気の企業で新規事業を任されている彼女ですが、実はまだ22歳。大学も卒業していない年齢です。
もちろん大学には行っていません、そして高校も半年で退学しています。そう、彼女は中卒なのです。ストレートに言えば、「学歴のない」彼女がなぜ、今、Web業界の最前線で活躍できているのか?
「どうせ俺、誇れる学校でてないし」
「わたし、大学行ってないし」
そんなことを一度でも思ったことのある方にこそ、読んでいただきたいストーリーです。
15歳で高校を中退したのは、迷惑をかけたお母さんを助けたかったから。
-- 単刀直入にいきますけど、塚本さんって高校を中退していますよね?何があったんですか?
塚本:18歳から働くって決めてたんです、14歳の頃から。それを考えた時、高校の勉強って必要かなと思ったんですよ。アルバイトをしながら、いろんな人と話す方が将来、社会人として役に立つんじゃないかなと思って。なので、高校1年生の夏休み明けに退学しました。
-- どうして、18歳から働くと決めてたんですか?今は大学進学を選ぶ人も多いのかなと思うのですが。
塚本:私の家庭は両親が離婚していて、お母さんが育ててくれたんです。朝早くから夜遅くまで都内に働きにでていて、なので私も若いうちから働いて早くラクさせてあげたいなと思ったんです。まぁ、中学の頃、ちょっと道を外れて迷惑をかけたこともありましたし(笑)。
-- 聞いていいですか、中学時代の塚本さんのこと?
塚本:週に3回以上、学校に行くのは給食の時間で、食べた後は中抜けして部活には参加するという生活をしてました(笑)。部活が大好きだったので(笑)。本当は高校にも行かないつもりだったんですけど、周りから「高校は行っとけ!」と言われて、仕方なく行きました。でも、本当に後悔しましたね~!
-- なんでそんなに後悔を?遊び盛りで高校は楽しいと思うんですが?
塚本:最初に話した通り、私、18歳から働く前提で考えていたからですかね。入学直後、たしか4月14日からアルバイトをしてたんですけど、有名な焼肉チェーンで。あとは、コンビニ、カラオケ、ピザのデリバリーとか。
とにかく、アルバイトが楽しくて楽しくて。当時、私は15歳ですから、みんな年上ですし話がとにかく面白くて。アルバイト先と学校を比べたら、そりゃあ、ね…。
アルバイト先で、“日本一”を経験。18歳での就職も叶う。
-- それにしても決断が早い!
塚本:もう一度、言いますけど、アルバイトがとにかく楽しくて。有名な焼肉チェーンだったので、表彰とかがあるので、スタッフ一丸となって、顧客満足度の向上と売上増加に取り組んでいましたし。朝から駅でビラを配ったり、夜はポストにポスティングしたり。
ほんと、寝ないくらい働いてましたけど、楽しいから全然辛くありませんでしたよ。この人たちと働いていたいと思ったから。協調性はあるし、すごく助け合うし。
-- 結果が気になりますね...
塚本:優勝したんです!!!!全国1000店舗近くある系列店舗の中で最優秀店舗賞をいただいて、表彰してもらいました!!
-- おお!!
塚本:めちゃくちゃ嬉しかったですよ!16歳とか17歳で、5000人近く収容できるパシフィコ横浜の壇上に立てる経験とか、なかなか出来ませんからね。で、しばらくはそのアルバイト先で働いて。気がついたら、社会に出ると決めていた18歳が目前に迫っていました。
そこから私、職業訓練所に半年間、通ったんです。周りは40代。パソコンを勉強したり、履歴書の書き方を学んで。そこから就職活動をしたら、初めて受けた会社で内定をもらえたんです!
暗黒時代へ突入...毎晩、泣きながら母親に電話...
-- 無事、18歳で就職。それだけ働いた経験があったのであれば、すぐに順応したんじゃないですか?ちなみに営業ですか?
塚本:はい。中小企業向けに、Webサイト制作をセールスしてたんですけど、まぁ辛かったです(笑)。とにかく売れなくて。基本、アウトバウンドで営業電話をかけまくってました。
もちろん、ガチャ切りなんて当たり前!かける→切られる→かける→切られる→かける→切られる・・・
-- まぁ、最初は上手くいかないですよね、特に架電は。
塚本:あの頃は毎日泣いてましたね。どうしたら電話を切らないで話をきいてくれるのか、全然わからなくて。みんなが売れてないならわかりますけど、当然、売れている人はいるわけです。もう、悔しくて悔しくて。
会社の帰り道、毎晩お母さんに泣きながら電話してました。「つらい」、「やめたい」、「苦しい」...そんな言葉を毎日、電話越しに母親にぶつけて。そしたら母親は、「1年間はがんばれ。毎日、ちゃんと話きくから。だから、がんばれ」と言ってくれました。だから、続けることにしたんです。
-- めちゃめちゃ、いい話。そこから塚本さんはどう立て直したんですか、自分のことを?
塚本:そこからまず、目標を立てました。同期が15人いたんですけど、同期の中で1番最初に成約をとりたい」という目標を。でも、名古屋の同期に負けて。「じゃあ次の目標!」ということで、「東京で一番最初に売る」と、みんなの前で公言しました。
結果、達成して。みんなに祝福してもらい、先輩からも褒めてもらって。「あぁ、すごく嬉しい!もっと頑張ろうと」という、まさに達成感ってやつを覚えましたね!
コンプレックスと、どう付き合うか。そこが成長を分けるポイント。
その後はコンサルティングの会社に入って、人事みたいなこともやったり。そんな中で、今度はゼロから価値を生み出す仕事がしたくなったので、そんな時、LIGと出会って。
-- ちなみに、どうしてLIGに?
塚本:人ですね~!面接をしてくれた、そめひこさんがゼロイチで新しいことを考えるのが得意な人で。「この人と働ければ、自分に足りない能力を磨けるかな」って。
引用元:【絶勝!】執行役員、そめひこの秘書を募集いたします
あとは、現代表の吉原ゴウさんですね。
引用元:『退けば老いるぞ。臆せば死ぬぞ』守りに入るのは100年早いよね。
実は彼も、私と同じ中卒。彼からは、「中卒って実は武器。大卒だと学校が色々とあって比較してしまうけど、中卒は比較のしようがない。仮に学歴をコンプレックスと思っているなら、それを解消したいという強い気持ちがあれば、必ず伸びるから」と言ってもらって。
-- それはグッときますね・・・
塚本:私には誇れる学歴がない。ただ、ベンチャーだと学歴関係なく手を挙げたらやらせてくれるし、スピード感が全然違う。コンプレックスとか考えている暇もないくらい忙しく働くから、絶対に地力はつくし。気付いたら、抱えていたコンプレックスなんて、どっかに行ってました(笑)。
-- じゃあ最後に、塚本さんが仕事をする上で大事にしていることを教えてください。
塚本:お客さんに喜んでもらうこと、ですね。焼肉屋でのアルバイトで気付いたんですけど、私、人に喜んでもらうことが好きなんですよね。人を笑顔にすると、自分も笑顔になる。これって人を幸せにすることが、自分の幸せにも繋がるということなので。
だから、今、わたしを信用してお付き合いいただいているお客さんがハッピーになるような仕事を続けていくのみです。期待してもらうことなんて、なかなかないわけですから。めっちゃ営業っぽいこと言ってますけど、とにかく人を笑顔にしたい、それだけです!
(取材・執筆:後藤亮輔)
※この記事は2016/11/04にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
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