新入社員の悩みとしてよく聞くのが、「社内で使われている言葉の意味が分からない」というもの。確かに、その会社ごとに部署名やサービス名、商品名など独自の共通言語があり、それらをひとつひとつ覚えていくのは結構大変です。
とはいえ、一般的に多くの企業で使われている単語もありますので、少しでもその悩みを解消できるよう、よく使われるビジネスカタカナ語を紹介していきたいと思います。
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新入社員として覚えておきたい、よく使われるビジネスカタカナ語
「アセット」|asset
「アセット」は直訳すると「資産」を意味します。ビジネスシーンではさまざまな使われ方がされており、文脈により微妙に意味合いが異なります。
たとえば会計や経理においては、現金や有価証券、不動産などのことを指し、それらを管理することを「アセットマネジメント」、分配することを「アセットアロケーション」と言います。
また、IT業界では「デジタルアセット」「メディアアセット」「アートアセット」という用語がよく使われ、データやデジタルコンテンツなどの無形資産のことをこう呼びます。
【使用例】
上司:課題はデジタルアセットの洗い出しができていないことだ。
部下:ファイル、画像、動画などのデータを一元管理する仕組みをつくりましょう。
CEO:当社が保有している不動産・有価証券などのアセットを有効活用していきたいと思っている。
CFO:それでは各アセットの活用法を考え、利回りのシミュレーションをしてみます。
※CEO:Chief Executive Officer の略。最高経営責任者。
※CFO:Chief Financial Officerの略。最高財務責任者。
「コンセンサス」|consensus
「コンセンサス」は「意見の一致」という意味。意思決定をするにあたり、関係各署の合意を得るときによく使われます。会議の形式のひとつである「コンセンサス方式」は、全会一致でのみ案が可決される方式のことです。
ちなみに、似た言葉に「アグリー(メント)」がありますが、「アグリーメント」が賛成なのに対して、「コンセンサス」は合意です。
「手放しに賛成ではないけれども、まずはこれで案件を進めていく」という意味では、「アグリーメント」を得るよりも、「コンセンサス」を得る方がハードルは低いと言えます。
【使用例】
上司:このプロジェクトは得意先とコンセンサスがとれているのか?
部下:はい。先方の会議でプレゼンし、満場一致で合意してもらいました。
先輩:今度の会議で提出するデザイン案なんだけど、事前に部長のコンセンサスをとっておいてくれる?
後輩:分かりました。本日午後、部長に時間をもらって根回ししておきます。
※文脈により「根回し」という意味合いも含まれる。
「シナジー」|synergy
「シナジー」はビジネスに限らず、いろいろな場面でよく使われているので、ご存知の方も多いかもしれません。もともとは生理学・生物の用語で、筋肉や神経など体の組織が協働的にはたらいて生まれる相乗効果のことを意味します。
それが転じてビジネスシーンでは企業や人、事業が協働することで得られる相乗作用を「シナジー効果」と呼びます。1+1が2以上になるのが「シナジー効果」であり、一方で1+1が2以下になるようなケースを「アナジー効果」と言います。
【使用例】
上司:事業の多角化で大切なことは何だと思う?
部下:事業間のシナジー効果をいかに生んでいくかだと思います。
後輩:A社とB社が合併するって聞きました?
先輩:今朝のニュースで見たよ。互いに違う領域の会社だから、シナジーはあまり期待できないと思うよ。
「ブレスト」|brainstorming
「ブレスト」とは、「ブレインストーミング」の略。チームや組織で新たなアイディアを考えたり、意見を出し合ったりするときに行われる会議手法です。参加者は頭の中(brain)をかき回す(storm)ように、思考を回してどんどんアイディアを出していきます。
「ブレスト」では、ルール決めが重要です。ルールとして一般的なのは、「人の意見を否定せず、どんどん乗っかっていく」「アイディアの質ではなく、数を出す」「結論を急がない」などなど。皆が発言しやすいような環境づくりをする必要があります。
【使用例】
上司:今日の会議は「売上対策」が議題です。売上アップの策をブレスト形式で出していこうと思います。
部下:それではまず、15分間でどんどん思いついたことを出しあってみましょう。
後輩:ブレストをやるメリットって何ですか?
先輩:参加者が意見を出しやすくなって、新たな発想でものを考えられるところだよ。
「ローンチ」|launch
「ローンチ」とは、新たな商品やサービスを立ち上げ、発表すること。英語では「打ち上げる」「発進させる」などの意味を持ち、ロケットを打ち上げたり、船を発進させたりする場合に使われる単語です。
カタカナ表記では、お昼ごはん(ランチ)と区別するためか「ローンチ」と書かれることが多いのですが、英単語の「launch」は「ランチ」と「ローンチ」の間のような音で発音をします。国内の企業であれば「ローンチ」と発音すれば大丈夫です。
【使用例】
部下:どうして新サービスのローンチが遅れることになったのですか?
上司:サービスの仕様に不具合が見つかったからだ。
営業:来週、当社の新商品が正式にローンチされる予定です。
得意先:分かりました。それまでは口外しないようにしておきます。
まとめ|ビジネスカタカナ語はさらっと口にするのが使うときのポイント
「シナジー」や「コンセンサス」「アセット」など、ビジネスカタカナ語を使える人ってやっぱりかっこいいですよね。
使い方のポイントとしては「あくまでナチュラルに」言うこと。知識をひけらかすのではなく、ごくごく自然に口にするよう意識しましょう。
そうすれば相手に好印象を与えることができるかもしれません。
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