「働き方改革で残業が減ってうれしいけれど、仕事はなかなか減らないし、なんだか不安。自分の部署にも、力になってくれる後輩が入ってきてくれれば……」
人手不足の世の中で、企業は採用活動に息巻いています。いわゆる「就活ルール」を飛び越えて「青田買い」の競争が過熱してしまうことも。
よく似た言葉に「青田刈り」がありますが、実は意味が異なることを知っていますか? 使い方には要注意です。
採用では「青田買い」が正解です
「青田買い」は、まだ青々とした田んぼの収穫量を見越して米を早めに買い取ることです。転じて、企業が早いタイミングで採用活動を行い、学生の可能性を見越して内定を出すことなどを指します。
採用の場面では「青田刈り」という表現も見られますが、「青田買い」が正しい表現です。
青田刈りは、相手を弱らせるときに使う言葉でした
鎌倉時代に、他人の田んぼの稲を実力行使で刈り取り、自分のものにしてしまうことを「刈田狼藉」と呼びました。
そして戦国時代の「青田刈り」といわれる作戦では、まだ稲の実っていない敵地の青田を刈ることで、敵の食糧を減らして弱らせていました。稲自体に価値があってもなくても刈ってしまうのが特徴です。
近年、「青田買い」と混同されて一般化したと思われますが、意味を知る人には「価値がなくても刈るのが青田刈り。学生をぞんざいに扱う企業なのでは」と感じられてしまうかも……?
ちなみに似た言葉の「青刈り」は、飼料として利用するために植物の葉が青いうちに刈ることを指します。「青田刈り」と同じく、採用の場面では避けたほうがよさそうです。
「青田刈り」と「青田買い」を一言で表すと
今回解説した「青田刈り」と「青田買い」の違いを一言で表すとこちら。
実は大きく意味の異なる言葉なので、採用の場面では誤用に注意しましょう。
文=遠藤光太
イラスト=前田はんきち
編集=五十嵐大+TAPE
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