常務とは?専務とどっちが偉い?業務内容や違いについて解説!

専務と常務、「どちらが上なの?どちらが偉いのかわからない……」という方もいるのではないでしょうか。 専務と常務、それぞれの役職の違いや常務の業務内容について理解しておきましょう。

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常務とは、会社における肩書きのひとつです。専務という肩書きもあるため、「違いがわからない、どちらも同じような役職なの?」という疑問を持っている人も多いでしょう。

今回は、常務取締役の業務内容や、専務取締役とどちらが偉いか、などについて詳しく解説します。

常務とは?

常務とは?_決裁

「常務」は本来、日常の業務を指します。ただし、会社における「常務」とは、一般的に役職や役員(取締役)の肩書きのことです。

「常務」の肩書きや、常務取締役と常務執行役員について、詳しく理解していきましょう。

「常務」はあくまで肩書きのひとつ

実は、「常務」は会社法などの法律で規定されている役職ではありません。「常務」も「専務」も会社法上は「取締役」として扱われることが一般的です。

ちなみに、「社長」も同様にあくまで肩書きのひとつで、法律上は「代表取締役」や「取締役」として扱われます。「会長」や「社長」の地位について詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。

会長と社長の違いは何?代表取締役と取締役の違いも解説

常務取締役と常務執行役員がいる

「常務」には、「常務取締役」と「常務執行役員」がいます。どちらに該当するかで地位が異なるため、注意しましょう。

常務取締役は、「取締役」に該当するため法律上の役員です。一方、常務執行役員はあくまで会社内での名称のため、法律上の「役員」とは限りません。

なお、会社法第329条によると、役員とは「取締役」「会計参与」「監査役」の三役のことを指します。

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常務取締役と専務取締役どちらが偉い?何が違う?

常務取締役と専務取締役どちらが偉い?何が違う?_会議

会社内の肩書きでは、社長(会長)、副社長、専務取締役、常務取締役という序列が一般的です。つまり、専務取締役の方が、常務取締役よりも偉いことになります。

「常務取締役」と「専務取締役」の特徴を確認しておきましょう。

常務取締役の特徴

大辞林によると、常務取締役とは「株式会社の取締役のうち、社長を補佐して会社の日常の業務を担当する役職」のことです。また 「常務」については、「日常の業務。いつもの仕事」と記されています。

日常の業務というのは、従業員(部長や課長、そして役職のない社員)が普段行っている業務のことです。つまり、常務取締役の仕事は、従業員の日常業務を監督することなので、役員の中で従業員に近いポジションといえるでしょう。

専務取締役の特徴

大辞林によると、専務取締役は「株式会社の取締役の一。通常、社長を補佐して会社の全般的な管理業務を担当する。専務」のことです。また、「専務」については「もっぱらある任務に当たること。また、その任務」と記されています。

つまり、専務取締役の仕事は、会社を経営する際の意思決定に専任的に携わることです。従業員と同じように日常の業務をこなしながら会社の経営にも関わる「常務取締役」と比較すると、「専務取締役」の仕事がより理解できるでしょう。

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常務と専務の違い

常務取締役と専務取締役の違いを明確にするため、以下にそれぞれの特徴をまとめました。

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どちらの役職も、社長を補佐する点で同じです。専務(取締役)はより経営に近く、常務(取締役)はより現場に近いポジションといえます。

常務取締役は業務の管理・執行が主な役割

業務の管理・執行が常務取締役の主な役割_デスクワーク

社長を補佐して会社の日常の業務を担当する、常務(取締役)の主な役割は以下の2つです。

  1. 事業戦略を立案
  2. 部長・課長などの管理職を育成

具体例1 事業戦略を立案

常務取締役には、「取締役会」のメンバーの一員として、自社の事業戦略を立案する機会があります。また、役員(経営陣)が決定した事項が現場で順調に遂行されているか管理することも役割のひとつです。

さらに、常務取締役が現場で把握した実態は、取締役会で共有されます。

具体例2 部長・課長などの管理職を育成

常務取締役は、役員の中でより現場に近い立場のため、従業員を指導・育成する役割も求められます。常務取締役が指導・育成する主な対象は、部長や課長などの管理職です。

常務取締役は責任を伴う役職

常務取締役は「取締役」として法律上の役員にあたるため、責任を伴う役職です。(常務)取締役の義務には、「善管注意義務」や「忠実義務」があります。

善管注意義務とは、「会社の経営のプロとして、一般的に要求される程度の注意を払って業務を行う」という義務です。会社法第330条や民法第644条で関連する規定が定められています。

会社法第355条で定められている忠実義務とは、「法令・定款・株主総会の決議を遵守し、会社のために忠実にその職務を果たさなければならない」という義務です。会社と個人の利益が相反する場合でも、基本的に会社の利益を優先しなければなりません。

常務は肩書きで会社法上は取締役

常務は、あくまで肩書きのひとつです。一般的に、会社法における「取締役」として扱われます。

ただし、常務取締役の場合も常務執行役員の場合もあるため注意が必要です。常務取締役は会社の役員に該当しますが、常務執行役員は法的な役員に該当しません。

今後取引先の常務と会う際は、失礼のないよう事前に組織図などで、「常務取締役」と「常務執行役員」のどちらなのか、社内の序列は何番目なのかをあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

 

文=具志堅さつき
イラスト=前田はんきち
編集=末松早貴+TAPE

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