リモートワークを体験してみてわかったメリット、デメリットとは?ビジネスパーソンのリアルな声

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を受け、多くの企業が導入したリモートワーク。早い企業では2月末からスタートしていますが、緊急事態宣言が発令された4月以降、リモートワークに切り替えた企業も多いようです。約1カ月リモートワークを経験してみて、ビジネスパーソンの皆さんはどう感じているのでしょうか。

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株式会社パーソル総合研究所が行った調査(2020年4月10~12日に全国2.5万人規模を対象に実施)によると、緊急事態宣言後、正社員のリモートワーク率は全国で27.9%。3月半ばの時点では13.2%だったため、1カ月で2倍以上に増加しました。しかも、その内の68.7%が、「現在の会社で初めて実施した」といいます。つまり、リモートワーク初心者は増えているのです。
出典:パーソル総合研究所 「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」 第二回調査

これまでリモートワークをしたことがなかった人にとって、慣れない環境での仕事にはストレスもあるはず。実際、みんなはどう感じているのでしょうか。25~34歳のビジネスパーソン225人に、リモートワークを体験した感想を聞いてみました。

7割以上の人は今後もリモートワークの継続を希望!

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慣れた…73.3%
慣れない…25.8%
その他…0.9%

既に73.3%の人が、リモートワークに「慣れた」と回答。ICTも発達した現在、「リモートワークでもオフィスにいるのと同様に仕事が可能」と考えている人も多いようです。Wi-Fi環境や仕事に適したデスク、同居家族の協力などがあれば、家も快適なオフィスになりうるのかもしれません。

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強く思う…35.6%
やや思う…41.3%
あまり思わない…18.2%
まったく思わない…4.0%
その他…0.9%

「強く思う」「やや思う」を含めれば、今後もリモートワークを継続したいと思っている人が76.9%という結果になりました。この1カ月、リモートワークを体験してみて、予想以上にその効果を感じている人が多いのかもしれません。
しかし「あまり思わない」と回答した人が18.2%、そして「まったく思わない」と回答した人が4.0%いる点にも留意しておきたいところです。

出社の必要がないリモートワーク、そのメリットとは?

リモートワークのメリットとして69人が挙げたのが「通勤の必要がない」ということ。

「通勤時間を他のことに有効に使える」
「ラッシュ通勤の体力的負担がない」
「電車に乗らなくてよいのでストレスがない」
「遅刻の不安がない」

通勤にドアtoドアで1時間かかっていた人にとっては、往復で2時間の自由時間ができたということ。家族と過ごす時間、家事をする時間、寝る時間、勉強する時間、などそれぞれ自由に時間を有効活用しているそう。

他に「満員電車に揺られるストレスもなく、体力も温存できるため楽になった」との回答もありました。通勤が必要なくなって、これまで通勤時間にどれほど体力を削られていたか、初めて実感した人も多いようです。

次に多かった回答は「時間が自由に使える」ということ。20人が、就業時間中も自由に過ごせることにメリットを感じているといいます。

「自分のペースで自由に仕事ができるので捗る」
「好きな時に休憩できる」
「休憩時間に家のことができる」

自分のペースで、ちょっとした休憩時間に家のことなどもできるので、ワークライフバランスが向上したと考えている人が多いようです。

他にも、オフィスに出勤した際にどうしても発生してしまう雑務や、同僚や上司との交流が必要ないことをメリットと感じている人もいました。

「電話がかかってこないので、仕事に集中できる」
「雑用を頼まれることがない」
「上司・同僚に気を遣わなくてよい」
「楽な服装や姿勢で仕事ができる」
「昼食も家で自分の作ったものが食べられるので節約になる」

人と直接顔を合わせないため、気楽に自由に仕事ができるリモートワーク。メリットは多いようですね。

リモートワーク、体験してみてわかった、こんなデメリット

リモートワークのデメリットとして43人が挙げたのがコミュニケーションの問題です。

「コミュニケーションにタイムラグが発生する」
「意思疎通がしづらい」
「チームの状況をキャッチアップしづらい」
「相手の顔が見えないので真意がわからない」
「確認事項がある時に気軽に聞けない」

Skype、Slack、Google ハングアウト、Zoomなど、様々なオンラインコミュニケーションツールが登場しています。これらのツールは便利ですが、対面によるコミュニケーションと比べると、表情や声のトーンなどの非言語情報が伝わりづらい分、どうしても情報量は少なくなりがち。テキストのやりとりをそっけなく感じたり、相手の真意を測りかねたりすることもあるようです。

仕事上のオンラインコミュニケーションに関しては、これからも試行錯誤が必要かもしれません。

次に25人が挙げたデメリットは「メリハリがつけづらい」ということ。
オフィスと違ってちゃんとしたデスクがないという人もおり、ついつい怠けてしまうという人も……。

「だらだら仕事をしてしまう」
「家族の邪魔が入る」
「集中できる環境作りが難しい」
「モチベーションの維持が難しい」

誰も見ていない自由さと気楽さがある分、しっかり自分を律していないとついついサボってしまったり、長時間働いてしまったりするということのようです。

続いて10人が挙げたのは、「会社でないとできない仕事がある」ということ。

「持ち帰りの不可能な仕事が多く仕事が限定される」
「個人情報を持ち出せない」
「オフィスでしか見られない資料がある」

特に個人情報や機密情報を扱うような仕事では、すべての業務をリモートワークで対応することができないということもあるよう。こういった業務を今後どうやってリモートで進めていくか、時間をかけて制度を設計していく必要があるのかもしれません。

他にも「ずっと家の中にいる」ということに起因するデメリットを感じている人もいました。

「運動不足で体力や筋力が衰えそう」
「家の中でじっとしているのでストレスがたまる」
「一日中家にいて気が滅入る」
「動かずに食べているので、太る」
「仕事が限定されているので、暇で時間を持て余す」

外出が制限されていることもあり、家にずっといることがストレスになっている人も多いようです。適度に体を動かす、時間を決めてストレッチをする、バランスのとれた食事をとるなど、心身ともに健康を保てるように留意しましょう。

メリットとデメリットを理解して、自分に合った働き方を

多くのビジネスパーソンにとって、突然始まることとなった新しい働き方「リモートワーク」。業務内容や自身の特性によって、リモートワークの向き不向きもあるようです。通勤の必要がなく自由に働けるからこそ、自分を律することが必要になります。どのように取り組めばよいのか、自分なりのリモートワークの効率的な実践方法を考えていきましょう。

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文=松村知恵美
編集=五十嵐大+TAPE

■調査概要
実施期間:2020年4月20日~21日
手法:インターネットアンケート
モニター:Fastask
サンプル数:225名
対象:全国の25〜34歳の男女 会社員・公務員

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