【テンプレあり】異動になった時の社内&社外へのあいさつメールをプロが解説!

春と秋は人事異動のシーズンです。異動前と異動後には、関係者へのあいさつメールを送るものですが、どんなことに注意してあいさつメールを送ればいいのでしょうか。引き継ぎの内容がうまく伝わらないと、後任の担当者が困るだけではなく、今まで築き上げた信頼を損なうことにもつながります。そこで今回は、マナー講師の松原奈緒美さんに異動のあいさつメールの注意点とポイント、さらにはあいさつメールへの返信について伺います。

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異動のあいさつメールを送る前に準備すること

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異動の内示が出てからあいさつメールを送るまでにやるべきことは以下です。

(1)あいさつメールを送るタイミングを確認する

異動の内示を受けたら、まず情報解禁のタイミングを上司や異動先に確認する必要があります。というのも人事異動の情報は、機密情報として扱われるからです。社内と社外でいつから情報解禁していいのか確かめておきましょう。

(2)自分の担当業務、連絡する相手をリスト化する

現在の業務内容をリスト化すれば、引き継ぎ事項と後任者が明確になります。また、連絡するべき関係者を名刺やアドレス帳などでリストアップしておきましょう。

(3)会える人には直接会ってあいさつをする

情報が解禁されたら、会ってあいさつできる人には直接することで、気持ちが伝わります。コロナ禍で会うことが難しいケースも多いので、その場合はメールや電話、あいさつ状などの通信手段を使ってあいさつするようにしましょう。口頭で伝える場合、新しい部署などの情報を相手が聞き逃すこともあるので、メールでも伝えたほうが親切です。

(4)異動する2〜3日前にはあいさつメールを送る

新しい部署に異動したことでメールアドレスが変わる場合、以前のアドレスが無効になって連絡が取れなくなることが考えられます。相手からの返信期間も考慮して、遅くとも2〜3日前にはメールを送るようにしましょう。

連絡する相手は現在携わっている業務関係者だけではなく、新部署で新たに関係を築けそうな人にも送ることが大切です。今まで疎遠であっても、異動をきっかけにコミュニケーションが増える可能性もあります。「一番の財産は人間関係」だと考えて、積極的にあいさつメールを送るようにしましょう。

異動のあいさつメールのマナーとは?

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異動のあいさつメールは、今までの感謝の気持ちを伝えることが大切なので個別で送ることが基本です。お世話になっている人への異動前最後の節目のメッセージですので、時間がかかっても個別で送るようにしましょう。

しかし、急な異動で時間がない場合や、業務上のやり取りがなく関係性が希薄な人には一斉送信(BCC)で送っても問題ありません。その際には、一斉送信であいさつすることをお詫びする言葉を追記することが大切です。

また、あいさつメールは「異動前」と「異動後」、両方のタイミングで送った方が丁寧。異動前のメールでは「後任について」、異動後のメールでは「今後の業務内容と抱負」を重点的に伝えます。特にお世話になっている人であれば、異動後にメールではなく郵送で「あいさつ状」を送った方が良いでしょう。

「異動前」に送るメールでは「感謝」と「引き継ぎ内容」を伝える

異動のあいさつメールの書き方について、順番に説明していきます。紹介している例文は社内の関係者向けですが、社外へのメールでも内容や注意点は同じです。ただし、社外に送る場合は言葉遣いに最も丁寧な最敬体(~いたします、~ございます、申し上げます、など)を使用。「お疲れ様です→お世話になっております」に変えるなど、配慮しましょう。

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「異動前」に送るメール】
件名:異動のご挨拶【■■部●●】

□□部 肩書
〇〇さん

お疲れ様です。
■■部 ●●です。
私事ですが、この度、〇月〇日付で△△部に異動することとなりました。
〇〇さんには在任中、~エピソードなど~で大変お世話になりました。
誠にありがとうございました。
後任は、◆◆さんに担当いただきます。
万全の引継ぎを行ってまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
△△部でも■■部での経験を活かして精進いたします。
今後ともよろしくお願いいたします。
――――(以上)

(1)件名

メールで異動のあいさつを送る場合、見落とされることもあるので、一目で分かるように用件を記載します。会社の規模が大きい場合は、部署などの肩書を記載しておくことも必要です。

(2)これまでの感謝

個別に送るメールでは、2〜3行の短い内容でもいいので印象的なエピソードを記載することが大切です。

(3)異動先の部署と異動日、後任の担当者を伝える

今後は誰に連絡すればいいのか一目で分かるように、業務ごとの後任を明記しておきます。新たな配属先での連絡先を記載できる場合は、書いておいたほうがいいでしょう。

(4)直接あいさつできないことを謝罪する言葉

対面であいさつできないことをお詫びしておくと丁寧です。取引先であれば、「本来直接お会いしてごあいさつするべきところをメールで失礼させていただきます」などの一言を入れておくといいでしょう。

また、相手に感謝の気持ちを伝えるためのテクニックとして実践しやすいのは、相手の個人名を入れること。エピソード部分の最初などに相手の名前を入れることで、「私へのメール」と相手が感じ、うれしく思われるでしょう。

「異動後」に送るメールでは「今後の抱負」が重要

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【「異動後」に送るメール】
件名:着任のご挨拶【■■部 ●●】

□□部 肩書
〇〇さん

お疲れ様です。
この度、〇月〇日付で■■部に着任いたしました●●です。
△△部では〇〇の業務を担当いたします。
前部署▲▲部で~~を担当しておりました経験を活かし、△△部で早く皆様のお役に立てるよう精進いたします。
どうぞご指導ご鞭撻のほど よろしくお願いいたします。
(なお異動に伴い連絡先が変わりました。変更をお願いいたします)
今後ともよろしくお願いいたします。
――――(以上)

異動後に送るあいさつメールでは、前向きな姿勢が伝わるようなメールを送りましょう。新部署での自分自身をアピールすることにもつながります。前部署での担当や経験を伝えながら、今後の抱負について自分なりの決意表明をすることがポイントです。明るい内容のメールを送ることで、受け取り手に「応援したい」という気持ちが生まれます。

また、年輩者にはメールではなくあいさつ状を好む人もいます。異動前はやるべきことが多く郵送が間に合わないかもしれないので、まずはお知らせのメールを送っておいて、異動後にあいさつ状を送付するとより丁寧です。

異動のあいさつメールへの返信はどうすれば?

異動シーズンにはあいさつメールを受け取ることも多いので、返信する際に大切なポイントも紹介します。以下の例文と注意点を参考にしてみてください。

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異動のあいさつメールへの返信】
件名:RE:異動のご挨拶【■■部 ●●】

■■部 肩書
●●さん

お疲れ様です。
□□部 〇〇です。
お忙しい中、異動のご連絡をいただき、ありがとうございます。
●●さんには、~(エピソードなど)~で大変お世話になりました。
(例:●●さんには、いつも業務の相談にのっていただき、的確なアドバイスをいただきました。●●さんからいただいた「・・・」という言葉は、特に胸に残っております。)
誠にありがとうございます。
●●さんの今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
今後とも引き続きよろしくお願いいたします。
――――(以上)

(1)異動のあいさつへのお礼 

お世話になったことへの感謝をしっかりと伝えます。一緒に働いたときのことを振り返って記載するようにしましょう。届いたメールにエピソードが書かれている場合は、それを受けて共感するコメントを記載すると良いですね。

(2)自分の近況報告

疎遠になっている人に自分の近況を伝えることで、新たな交流が生まれることがあります。「私も現在、〜に携わっております」など、簡単に近況を伝えるのも良いでしょう。

(3)今後の活躍を祈念する言葉

本文の後半では、新天地での活躍を祈念、あるいは応援するような内容を入れます。

返信する際に気をつけるべきなのは、差出人にとって「不本意な異動」の場合があること。メールに否定的な内容が記載されていたとしても、返信する際は前向きな言葉を選ぶことが大切です。

異動のあいさつメールは、会社だけではなく自分にとってのメリットも大きいので、忘れずに送るようにしましょう。相手への感謝の気持ちを込めたメールを心掛けてくださいね。

文=平原健士(iPPON COMPANY GROUP)
編集=野田綾子+TAPE

【監修者プロフィール】

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松原 奈緒美
NPO法人 日本サービスマナー協会 ゼネラルマネージャー講師
EXSIA代表。
講演・研修年間、約150本登壇。さまざまな企業研修、講演を担当し、延べ35,000名以上を指導。「マナー講師養成講座」「プロフェッショナルマナー講師養成講座」では、プロ講師育成や認定試験官担当。テレビ、雑誌などにも多数出演。eラーニングやマナー映像監修なども多数行い、企業内マナー映像も手掛ける。 

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