パワーポイントのアニメーションで、スライドの文字や図に動きをつければ、効果的なプレゼンをできます。ただし、無意味にアニメーションをつけすぎない点などに注意が必要です。
パワーポイントのアニメーション機能を利用する際の手順や、注意点について詳しく解説します。
- パワーポイントのアニメーションとは
- まずはアニメーション機能4つを確認
- 各アニメーション機能の設定方法
- 作成したアニメーションを削除する方法
- パワーポイントの代表的なアニメーション4つ
- プレゼンで成功するためのアニメーション活用ポイント
- パワーポイントのアニメーション活用術
- パワーポイントのアニメーションを活用して差をつけよう!
パワーポイントのアニメーションとは
Microsoftのパワーポイント(Power Point)の「アニメーション」とは、スライド内の文字や画像などに動きをつけることです。プレゼン資料にアニメーションをつけて発表することで、聴き手の関心を引くことができます。
まずはアニメーション機能4つを確認
パワーポイントのアニメーション機能は、「開始」「強調」「終了」「軌跡」の4つです。各機能の特徴を把握しておきましょう。
1. 文字をスライドに表示させる「開始」
「開始」は、スライドに文字や画像を後から表示させるアニメーション機能のことです。アピール(表示)・フェード・ワイプ・スライドイン・フロートインなどのアニメーションがあります。
2. 文字を目立たせる「強調」
「強調」は、すでにスライドに表示されている文字や画像を目立たせるアニメーション機能のことです。フォントの色(変更)・拡大/収縮・スピンなどのアニメーションがあります。
3. 文字を画面から消す「終了」
「終了」は、「開始」と対照的に文字や画像をスライドから消えてなくすアニメーション機能のことです。クリア・フェード・ワイプ・スライドアウトなどのアニメーションがあります。
4. スライド内で文字を移動させる「軌跡」
「軌跡」は、文字や画像をスライド内で移動させるアニメーション機能です。アーチ・直線・ループなどのアニメーションで、動き方を指定できます。
各アニメーション機能の設定方法
クリックする項目が異なるだけで、「開始」「強調」「終了」「軌跡」いずれの機能を利用する場合も基本的な流れは同じです。今回は、特定の文字を「開始」で「フェード」させるケースを例に、手順を解説します。
ここでは、「パワポ資料にアニメーションをつける」という文字にアニメーションをつけていきましょう。以下のように、すでに一部の文字が入力されている前提で説明します。
手順1 スライドに表示させる文字や図を作成
まず、スライドに表示させる文字や図を作成します。今回は、「・聞き取りやすい声で話す」の下に、今回アニメーションをつける文字、「パワポ資料にアニメーションをつける」を追加しましょう。
手順2 作成したオブジェクトを選択
続いて、アニメーションをつけるために、作成したオブジェクトを選択します。「パワポ資料にアニメーションをつける」の部分をクリックしましょう。
手順3 アニメーションを選択
次に、画面上部にあるアニメーションタブを選択し、使用するアニメーションの種類をクリックします。今回選択するのは、「フェード」です。
手順4 開始のタイミングや継続時間を決定
アニメーションの種類を選択したら、次に画面右上にある開始のタイミングや継続時間を指定します。今回は、開始のタイミングを「クリック時」、継続時間を「01:50」にしました。
タイミングや継続時間は、自分のやりやすさやプレゼンする際のシチュエーションにあわせて調整しておきましょう。ただし、アニメーションの種類によって、タイミングや継続時間を指定できない場合もあります。
ここまでの作業で、「・パワポ資料にアニメーションをつける」にアニメーションがつきました。アニメーションの設定が完了すると、文字の左横にアニメーション番号(今回は「1」)が表示されます。この番号は、アニメーションが作動する順番を示したものです。
それでは、早速スライドショータブの「現在のスライドから再生」で、実際のアニメーションをチェックしましょう。
最初は、「パワポ資料にアニメーションをつける」が表示されていません。画面をクリック(Enterキーを押下)すると、以下のように徐々に文字が出現します。
作成したアニメーションを削除する方法
プレゼンの練習をすると、アニメーションが余計であることに気づくことがあるかもしれません。作成したアニメーションを削除する方法は簡単なので、ここで覚えておきましょう。
まず、アニメーションが指定されている文字の横の番号をクリックします(今回は「1」)。
続いて、Deleteキーを押しましょう。
これだけで、アニメーションが削除されました。横のアニメーション番号が消えていることがわかります。
なお、削除しようとする文字や図に、アニメーション番号が表示されていない場合は、一度「アニメーションタブ」をクリックしてください。
パワーポイントの代表的なアニメーション4つ
パワーポイントには、さまざまなアニメーションが存在します。ビジネスのプレゼンに使う際は、発表内容から逸脱しないように、シンプルなものを使うことがおすすめです。
ここでは、おすすめ4つ(「アピール(表示)」「フェード」「ワイプ」「スライドイン」)の特徴を解説します。
1. アピール(表示)
開始」のひとつである「アピール(表示)」は、文字や写真を突然スライドに表示させる機能です。新たなトピックを提示する場合や、強調したいキーワードがある場合に役立ちます。
上図では、最初空欄になっていた場所に、「アピール」と表示されるようになりました。
ただし、唐突に出現するアニメーションのため、多用するとせわしないプレゼンになりやすい点に注意が必要です。
2. フェード
「フェード」は、「開始」や「終了」で使われるアニメーション機能です。
「開始」で「フェード」を使う際は、文字や写真が徐々に出現するようになります。一方、「終了」で使う場合は、文字や写真が徐々に消えていきます。
上図では、「開始」の「フェード」を使用しているため、最初にうっすらと表示され、徐々にはっきりと文字が浮かび上がっていきます。
「アピール」と同様に、新たな話題を提供する際に使える機能です。聴き手に関心を持ってもらうため、クイズ形式の発表をする際にも役に立ちます。
また、徐々に動作する点が「フェード」の特徴のため、「アピール」よりも違和感なく進行できるでしょう。ただし、動作が長すぎると聴き手をモヤモヤした気分にさせかねないため、継続時間を十分に検討することが大切です。
3. ワイプ
「ワイプ」も「開始」や「終了」で使われるアニメーション機能です。一方から他方へ徐々に表示(非表示)させることができます。
例えば、「開始」で下から「ワイプ」と指定しておけば、上図のように下から徐々に上まで文字や画像が現れます。グラフや表など、注目して欲しいものを表示する際に便利です。
4. スライドイン
「スライドイン」は、「開始」で使われるアニメーションです。「ワイプ」と同様に、一方から他方に徐々に表示させることができます。
「ワイプ」は徐々に浮かび上がるのに対し、「スライドイン」はスライド外から移動して出現する点が主な違いです。上図の1枚目で、スライドインの文字が画面からはみ出ていることを確認できるでしょう。
「スライドイン」の方がインパクトを与えられますが、目の動きが激しくなるため聴き手の集中を妨げやすい点に注意が必要です。
なお、「スライドイン」と対照的に、表示されている文字や写真をスライド外に移動される方法として、「終了」の「スライドアウト」があります。
今回紹介したアニメーション以外にも、「パルス」「フロートイン」「フロートアウト」「スピン」など様々な種類が存在します。シーンによって適切なアニメーションが異なるため、パワーポイントを使って一度自分でそれぞれの動作を確認しておくとよいでしょう。
プレゼンで成功するためのアニメーション活用ポイント
パワーポイントのアニメーションは、効果的なプレゼンをする上で大切な手段のひとつです。ただし、プレゼンで成功するためには、いくつか気をつけなければならないポイントがあります。
それぞれ確認しておきましょう。
特に聞いて欲しい部分にアニメーションをつける
まず、特に聞いて欲しい部分に、パワーポイントのアニメーションをつけることがコツです。様々な言葉にアニメーションをつけてしまうと、発表する側も聴いている側も、どれが重要なのかがわからなくなってしまいます。
無意味にアニメーションをつけすぎない
たとえ重要な言葉であっても、無意味にアニメーションをつけすぎないことが大切です。過剰なアニメーションを使うと、聴き手が読みにくくなります。また、ビジネスにおけるプレゼンで個性的なアニメーションを使うと、ふざけているような印象を与えかねません。
パワーポイントのアニメーションは種類が豊富なため、初心者の頃はいろいろなものを試したくなるかもしれませんが、個性的なタイプを選ぶ際は、本当に必要なものなのか自問自答するようにしましょう。
パワーポイントのアニメーション活用術
より効果的なプレゼンができるように、応用編となるアニメーション活用術を紹介します。「複数の文字や図にアニメーションをつける方法」や、「グラフに効果をつける方法」を確認しましょう。
複数の文字や図にアニメーションをつける
アニメーションは、1枚のスライドに1個とは限りません。状況によって、聴き手をひきつけるために複数のアニメーションを活用した方がよい場合もあります。例えば、ひとつずつ項目を表示する場合は、複数のアニメーションをつけると効果的でしょう。
今回は、以下のように社内プレゼンで自社の海外進出メリットを紹介する例で解説します。
手順1 対象の文字や図を作成する
まず、アニメーションをつける文字や図を作成します。今回は、3つのメリットを追加しました。
手順2 最初に動かす文字や図にアニメーションをつける
次に、最初に動かす文字・図からアニメーションをつけていきます。今回は、一つの目のメリットから「スライドイン」でアニメーションをつけていきましょう。
アニメーションをつける方法は、「各機能を利用するための手順」と同じです。設定後、一つ目のメリット横にアニメーション番号が付いていることを確認しましょう。
手順3 次に動かす文字や図にアニメーションをつける
続いて、次に動かす文字・図にアニメーションをつけます。今回は、2つ目のメリット、3つ目のメリットに「スライドイン」のアニメーションをつけていきましょう。
これで、一つ目、二つ目、三つ目のメリットの左に、それぞれ「1」「2」「3」のアニメーション番号が表示されました。
手順4 開始するタイミングを設定する
今度は、プレゼンしやすいように開始するタイミングや継続時間を設定します。左のアニメーション番号をクリックし、それぞれ調整しましょう。
自分のタイミングでメリットを表示させたい場合は、いずれの「開始」も「クリック時」に指定します。一つ目のメリットだけ自分のタイミングで、残りは自動で表示したいのであれば、二つ目・三つ目の開始を「直前の動作の後」にするとよいでしょう。
なお、「直前の動作の後」に設定すると、上の画像のように2つ目・3つ目のアニメーション番号も「1」となります。
手順5 アニメーションウィンドウで順番を調整する
設定後に、「順番変更したい」と思ったら、アニメーションウインドウで対応できます。アニメーションタブをクリックし、右上のアニメーションウインドウを選択しましょう。
選択後、画面右側に指定済みのアニメーション一覧(アニメーションウインドウ)が表示されます。
アニメーションウインドウの指定部分をドラッグ&ドロップすれば、アニメーションの順番変更が可能です。今回は、すでに順番通りになっているため、変更はしません。
以上で、複数のアニメーションが設定できました。スライドショーで確認すると以下のように表示されます。
グラフに効果をつける
パワーポイントのアニメーションで、グラフに効果をつけることもできます。今回は、自社の売上高が伸びていることを強調するグラフを作成してみましょう。
手順1 グラフを作成する
まず、対象のグラフを作成します。パワーポイントでグラフを作成可能です。挿入タブでグラフをクリックし、対象のグラフを選択しましょう。今回は、シンプルな棒グラフを選択します。
表示されたエクセル画面に数字を入力すると、パワーポイントのスライドに以下のようなグラフを挿入できます。
手順2 作成したグラフを指定してアニメーションをつける
次に、グラフを選択し、今までと同様の方法を用いて「ワイプで」アニメーションを設定しましょう。ただし、この状態だと、以下のようにグラフ全体にアニメーションが設定されるため、年度ごとの推移は強調できません。
そこで、すでに付けられているアニメーション番号をクリックしてから、効果のオプションを選択し、方向や連続させる部分を決めていきましょう。
今回は、年度順に売上高を表示するため、「連続」に「系列内の要素別」を選択します。「方向」は「下から」に選択した方が見やすいでしょう。
設定が完了すると、以下のように年度ごとで順番にグラフを表示できます。
パワーポイントのアニメーションを活用して差をつけよう!
パワーポイントのアニメーションを活用すれば、効果的なプレゼンができます。今まで設定したことがない場合は、まずは「開始」「強調」「終了」「軌跡」に、それぞれどのようなアニメーションがあるか確認しておきましょう。
ただし、個性的なアニメーションを使用する際は注意が必要です。また、アニメーションを使いすぎると、重要な点が何かわからなくなることがあります。
パワーポイントで効果的なプレゼンを目指すなら、適切な場所で適度にアニメーションをつけるようにしましょう。
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