- 「自愛(じあい)」とは?「ご自愛ください」の意味
- 「ご自愛ください」のビジネスメールにおける使い方・例文
- 目上の相手に手紙を送る際の使い方・例文
- 「ご自愛ください」を使う際の注意点
- 「ご自愛ください」の言い換え表現・例文
- 「ご自愛ください」と伝えられた時の返し方
- 「ご自愛ください」を英語で表現する方法
- 「ご自愛ください」は使い方に気をつけよう
「ご自愛ください」とは、「ご自分の体を大切にしてください」という意味で使う言葉です。上司や取引先への手紙、異動時の挨拶などのビジネスシーンで使えます。
使用する際には、「お体」をつけない、「慈愛」と混同しないなどの点に注意が必要です。本記事では、「ご自愛ください」の意味や使い方、注意点について詳しく解説します。
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「自愛(じあい)」とは?「ご自愛ください」の意味
「自愛(じあい)」とは、「自分を大切にすること」や「自分の健康状態に気をつけること」を意味する言葉です。一般的に、「ご自愛ください」というフレーズで「自愛」を使います。
「ご自愛ください」の意味は、「ご自分の体を大切にしてください」「健康には十分に気をつけてください」などです。主に相手を気遣う際に使う表現と理解しておきましょう。
「ご自愛ください」のビジネスメールにおける使い方・例文
「ご自愛ください」は、目上の相手に使用できる表現です。そのため、さまざまなビジネスシーンで使用できます。ここから、ビジネスシーンにおける「ご自愛ください」の使い方を確認していきましょう。
要件を伝えた後に添える例文
「ご自愛ください」は、ビジネスメールで要件を伝えた後に、結びで使える表現です。以下のように「ご自愛ください」と添えることにより、「何卒よろしくお願い申し上げます」「今後ともどうぞよろしくお願いいたします」などの決まり切った言葉を使わずに、相手を気遣うことができます。
(要件を伝えた後に)
まだまだ寒い日が続きますが、体調を崩されないようご自愛くださいませ。
異動時挨拶の例文
異動が決まり、今までお世話になった上司・同僚や取引先に挨拶する際にも、「ご自愛ください」を添えることがあります。
以下は、所属していた部署のメンバーに異動の挨拶をする際のスピーチの例文です。
(今までの感謝を伝えてから)
この部署で培った経験を活かし、新天地でも邁進していきます。
最後に、皆様の今後の躍進とさらなるご発展を心よりお祈りいたします。
寒い日が続きますので、どうぞご自愛の上お過ごしくださいませ。
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目上の相手に手紙を送る際の使い方・例文
上司など目上の相手や取引先に暑中・寒中見舞いや残暑見舞い、年賀状などの手紙を送る際も、結びに「ご自愛ください」を使います。
近年、手紙を送る機会が減っています。だからこそ、上司や取引先に送って印象付けることができれば、ビジネスや会話のきっかけになるでしょう。
「ご自愛ください」を使って暑中見舞いや年賀状などを上司や取引先に送れるように、例文や手紙の書き方のポイントを紹介します。
暑中見舞いの例文
暑中見舞いは一般的に夏の1ヶ月間(7月7日から8月7日)に送る手紙です。暑さで体調を崩さないよう、相手を気遣う文章にしましょう。
厳しい暑さが続いておりますが、体調を崩されぬようどうかご自愛ください。
残暑見舞いの例文
残暑見舞いとは、暦の上で秋を迎える時期(8月8日から8月末)に送る挨拶状です。暑さが続く年には、9月7日頃までに届くように送ることもあります。
暑中見舞いのケースと同様に、「ご自愛ください」を使って暑さによる体調を気遣う文面にしましょう。
暑さはこれからもしばらく続きそうです。くれぐれもご自愛ください。
寒中見舞いの例文
本来、寒中見舞いとは冬の寒い時期に送る挨拶状のことです。ただし、現在では喪中などの理由で年賀状を送れなかった場合や、年賀状の送付を失念していた場合などに代わりに送る手段としても利用されています。
寒中見舞いを送る時期の目安は地域によって様々です。一般的に、関東は1月8日以降、関西は1月16日以降に相手に届くように送ります。
寒中見舞いに「ご自愛ください」を入れる場合は、時期を考慮して寒さに触れた文面にするとよいでしょう。
厳しい寒さが続くとのことですので、くれぐれもご自愛ください。
年賀状の例文
年賀状は元日から1月7日までに送る手紙のため、寒さへの気遣いを示した文書にしましょう。
寒さ厳しい折、風邪など召しませぬようご自愛ください。
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「ご自愛ください」を使う際の注意点
「ご自愛ください」で相手を気遣ったつもりでも、マナー違反や表現に誤りがあれば相手に不快な思いをさせかねません。「ご自愛ください」を正しく伝えられるように、注意点を押さえておきましょう。
「お体」をつけると二重表現でNG
「ご自愛ください」の「自」には、「自分の体」という意味があるため、「お体をご自愛ください」は二重(重複)表現です。同じ意味の言葉を繰り返し使用してわかりにくくなるため、二重表現は一般的に誤用とされています。
正しい表現で相手の体をいたわるには、シンプルに「ご自愛ください」と伝えれば十分です。また、「ご自愛」の前に何かつけたい場合は、「何卒ご自愛ください」「どうかご自愛ください」「くれぐれもご自愛ください」とするとよいでしょう。
「慈愛」は意味が異なる
読み方は同じ「じあい」でも、「自愛」と「慈愛」では意味が全く異なります。慈愛とは、「深い愛情」のことです。
間違えて「ご慈愛ください」と伝えると「深い愛情を与えてください」になり、相手を困惑させかねません。メールや手紙などで「ご自愛ください」を伝える際は、正しい漢字を使用しましょう。
「どうか」「くれぐれも」をつけて丁寧に伝えられる
上司など目上の相手や取引先には、「どうか」「くれぐれも」などを「ご自愛ください」の頭につけるとよいでしょう。「どうかご自愛ください」「くれぐれもご自愛ください」「どうぞご自愛ください」などの表現を心がけることで、相手により丁寧な印象を与えられます。
風邪で体調を崩した人や怪我人への使用は避ける
「ご自愛ください」には、「これからも」という前提があるため、基本的に今健康な相手に向けて使う言葉です。風邪を患っている人や、怪我人などに対しては使用しないようにしましょう。
体調を崩した相手には、代わりに「お大事になさってください」「お元気になられて、またご一緒できることを楽しみにしております」「一日も早い回復をお祈り申し上げます」「養生なさってください」などと表現します。
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「ご自愛ください」の言い換え表現・例文
「ご自愛ください」以外にも、相手の体調を気遣う言葉がいくつかあります。言い換え表現を用いる際は、状況に応じて上手に使い分けることが大切です。
ここから、健康な方と現在体調を崩している方へ使う場合に分けて、「ご自愛ください」の言い換え表現や類語を例文と一緒に紹介します。
健康な方へ使う言い換え表現・例文
健康な方に対して使える言い換え表現は主に以下の通りです。
- お体にお気をつけてお過ごしください
- ご健康をお祈り申し上げます
- お身体をお労りください
それぞれ例文を使って説明します。
お体にお気をつけてお過ごしください
「お体にお気をつけてお過ごしください」は、体調を崩しやすい時期に相手を気遣う際に使う表現です。「ご自愛ください」と同様に、人事異動や退職などでお別れの挨拶を述べる際にもよく使われます。
(他部署・他支店の同僚にメールを送る際)
まだまだ寒い日が続きますが、どうぞお体にお気をつけてお過ごしください。
ご健康をお祈り申し上げます
「ご健康をお祈り申し上げます」は、相手の健康を祈る言葉です。かしこまった表現のため、目上の人や取引先に対して使えます。
(転勤の挨拶状で)
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
お身体をお労りください
「労る(いたわる)」には、「気を配って大切に世話をする」「養生する」などの意味があります。そのため、「お身体をお労りください」は「しっかりと休んでください」という意味の言葉です。
なお、「お身体をお労りください」は、健康状態が良好な人だけでなく、体調不良の人にも基本的に使用できます。
(上司が高熱で出社できないとの連絡を受けて)
なにかありましたら、わたしが対応させていただきます。お気になさらず、どうぞお身体をお労りくださいませ。
現在体調を崩している方へ使う言い換え表現・例文
現在体調を崩している方には、以下のような表現で気遣うとよいでしょう。
- お大事になさってください
- お元気になられて、またご一緒できることを楽しみにしております
- 一日も早いご回復をお祈りいたします
- 養生なさってください
それぞれ例文を使って解説します。
お大事になさってください
「お大事になさってください」は、相手の体調不良やケガを気遣う際に使う言葉で、目上の人や取引先に対しても使用できます。ただし、比較的軽い症状に対して使う言葉のため、症状が重い場合は代わりに「養生なさってください」の使用を検討しましょう。
また、親しい相手の場合は「お大事にしてください」「お大事に」を使う方が自然です。
(風邪で休暇中の先輩から、進捗を心配するメールが届いた場合)
ご質問いただいた案件は、滞りなく進んでおります。こちらのことは心配なさらず、お大事になさってください。
一日も早いご回復をお祈りいたします
「一日も早いご回復をお祈りいたします」は、現在病気や怪我で辛い思いをしている人が早く回復することを願い、伝える言葉です。ただし、相手にプレッシャーを与えることになりかねないため、相手の状況を考慮して使うようにしましょう。
(入院中の同僚に対する気遣いを示す場合)
本日、〇〇部長から△△さんが骨折で入院したことを伺いました。一日も早いご回復をお祈りいたします。
養生なさってください
「養生(ようじょう)」とは、「病気の回復につとめること」などを意味する言葉です。「お大事になさってください」を使う場合と比べて、より重い病気や怪我を負った相手に対して、体を休めてほしいという思いを込めて使います。
(取引先の担当者が入院中と知り)
貴社の〇〇部長から□□様が入院されたとの一報をいただき、大変驚いております。
△△の件については〇〇部長にお取次いただいておりますので、どうぞこちらのことはお気になさらず、養生なさってくださいませ。
「ご自愛ください」と伝えられた時の返し方
相手から「ご自愛ください」と伝えられたら、自分からも相手を気遣うことが大切です。以下のように、「ご自愛ください」以外の表現で相手を気遣いましょう。
相手から「ご自愛ください」と伝えられた時の例文
温かいお心遣いに心から感謝いたします。〇〇様もどうかお体にお気をつけください。
「ご自愛ください」を英語で表現する方法
「気にかけること」「気配り」などの意味を持つ「care」を使えば、英語で「ご自愛ください」を表現できます。海外の取引先や、外国人の上司に「ご自愛ください」と伝えたい場合は、以下のように表現するとよいでしょう。
Please take care of yourself.
なお、友人や親しい同僚に伝える場合は、シンプルに「Take care !」でも構いません。
「ご自愛ください」は使い方に気をつけよう
「ご自愛ください」は相手の体調を気遣う際に使う言葉です。暑中・寒中見舞いや異動時の挨拶など、幅広いビジネスシーンで使えます。
ただし、「お体」を頭につけない、体調を崩した相手への使用は避けるなど使い方には注意が必要です。「ご自愛ください」の意味や使い方を正しく理解した上で、ビジネスメールの結びなどに使用しましょう。
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