20代を充実させるためには?社会人としてやっておきたいこと20選をパターン別に紹介

「大切な時期」と言われることも多い20代。後悔しないためには、どのように過ごすと良いのでしょうか。社会人として20代が大切な理由をふまえ、「20代にやるべきこと20選」を仕事とプライベートに分けてそれぞれ紹介します。

充実した生活を送る20代のイメージ

人生において大切な時期と言われることが多い20代。有意義に過ごすためには、どのようなことをやっておくと良いのでしょうか。本記事では、「やさしいビジネススクール」で学長を務める中川功一さんにお話を伺い、社会人にとって20代が大切な理由をふまえ、有意義に過ごすためにやるべきことを仕事とプライベートに分けてそれぞれご紹介します。

20代が大切と言われる理由

なぜ20代は大切な時期と言われることが多いのでしょうか。主な理由には、次のようなものが挙げられます。

キャリアの土台を築く時期だから

20代は、多くの人が社会人としてのスタートラインに立つ時期です。社会人としての基礎力から専門スキルまで、学ぶべきことは多いでしょう。この時期にどんな仕事を選び、どう取り組むかが、その後のキャリアを大きく左右します。

時には迷うこともあるかもしれませんが、試行錯誤を繰り返すことで、自分に向いていること、やりたいことを見極められるようになり、自分らしいキャリアを歩むための確かな土台を築いていけるはずです。

自己成長の加速期だから

20代は吸収力が高く、さまざまなことを学ぶのに適している時期でもあります。積極的に行動して経験を積み、視野を広げておくことで、社会の変化に対応できる柔軟性や、困難を乗り越えるためのレジリエンス(回復力)を高めることができます。これらの経験は、その後の人生におけるさまざまな選択や判断において、大きな支えとなるでしょう。

ライフプランの基盤を形成する時期だから

20代は、結婚や出産、住宅購入など、将来のライフプランを考える上で重要な時期です。将来どのような生活を送りたいか、どのような価値観を大切にしたいか、といったことを真剣に考えることで、その後のライフプランやとるべき行動がより明確になります。また、この時期に経済的な基盤を築いておくことで、将来の選択肢を広げることができるでしょう。

20代でやるべきこと10選【仕事編】

楽しく仕事をこなす20代のイメージ

仕事やキャリアに関する事柄で、20代のうちにやるべきこと10選をご紹介します。

ビジネスマナーや社交術を学ぶ

ビジネスマナーや相手の立場を理解したコミュニケーションなどの社交術は、社会人としての基礎となるものです。早い段階でこの基礎を固めておくことで、その後も自分の振る舞いに自信を持って仕事に取り組むことができるでしょう。

自分では気づきにくい部分もあるので、信頼できる先輩や上司にアドバイスをもらうのもおすすめです。良い点や改善点を教えてもらい、それを実践に活かしていきましょう。

資格取得に挑戦する

時間的な余裕がある20代のうちに、資格の取得に挑戦するのも良いでしょう。資格は知識やスキルを客観的に証明する手段であり、特に専門性の高い資格は、キャリアアップの機会を広げてくれるはずです。また、“目標を定めて達成する”という経験は、自己肯定感を高め、自信を持って仕事に取り組むための原動力にもなります。

副業を始めてみる

会社の規定で禁止されていない場合は、副業を始めてみるのも良いでしょう。副業をすると、会社員以外の収入源を持つことができ、経済的な安定を得ることができます。

さらに、本業だけでは得られない新しいスキルや経験を積むことができるため、視野が広がり、新しいアイデアや発想を得られる場合もあるでしょう。もし自分の得意なことが見つかれば、フリーランスとして独立を検討してもいいかもしれません。

失敗を恐れず挑戦する

20代は、苦手なことや新しい仕事にも積極的に挑戦してみましょう。経験を積むことによって、自分の特性を把握しやすくなります。たとえ失敗しても、そこから大きな学びを得られるはずです。失敗を恐れずに挑戦し続ければ、その姿勢が周囲の信頼を集め、新たなチャンスを引き寄せることにもつながるでしょう。

「振り返り」をする習慣をつける

20代のうちに、「振り返り」の習慣を身につけておくと良いでしょう。「振り返り」とは、自分の仕事やプライベートでの行動や思考を客観的に見つめ直し、良かった点や改善点を見つけ出す作業のことです。

これを習慣化すると、自分に合った仕事の進め方を見つけたり、同じ失敗を防いだりすることができますさらに「振り返り」は、感情を整理し、客観的に自分を見つめ直すことができるため、ストレスマネジメントにも有効です。

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長期的な目標を設定する

20代のうちに、キャリア、ライフスタイルなどさまざまな側面から、「数年後、あるいは数十年後の自分がどうなっていたいか」といった長期的な目標を設定してみましょう。例えば、「30代前半で独立したい」「40代後半で移住したい」など、個人の価値観や状況によって、目標はさまざまかと思います。こうした長期目標は日々の行動に意味を与え、モチベーションを維持する原動力になります。迷ったときには目標に立ち返り、進むべき方向を定めることもできるでしょう。

さまざまな種類の仕事を経験する

20代の間に、複数の業種や部署を経験しておくと、ビジネス全体を俯瞰的にとらえる視点を養うことができます異動の希望を出したり、転職をしたりすることはハードルが高いかもしれませんが、他部署と一緒に仕事をする機会があれば積極的に参加するなど、まずは自分の部署以外がどんな仕事をしているのかを理解して、視野を広げることから始められると良いでしょう。自分の興味や得意分野を見つけ、より自分に合ったキャリア選択にもつながるはずです。

マネジメントスキルを身につける

マネジメントスキルとは、適切に目標を設定し、計画を立てる力、チームを動かす力、問題を解決する力など、組織を運営する上で必要な能力の総称です。現在マネジメントする立場についていなくても、早い段階からこのスキルを意識して磨いておくことがおすすめです。マネジメントする立場の視点を持つことで、自分の仕事の進め方やコミュニケーションがよりスマートになりますし、将来チームを率いる立場になったときにも、大いに役立つでしょう。

自分の価値観や強みを理解する

今後のキャリア形成や自己実現のためにも、20代のうちに自分の「価値観」と「強み」を把握することが重要です。「価値観」とは、仕事や人生において、大切にしたい軸となるものですが、自分の価値観を理解することで「どのような仕事や環境が自分に合うのか」を見極めることができます。

また、強みが分かれば、それを活かせる仕事や役割を選び、より高いパフォーマンスを発揮することにもつながりますよ。日々の経験を通じて、自分がどのようなことに心が動くのかを分析してみましょう。周囲に積極的にフィードバックを求めることも有効です。

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国際的な経験を積む

20代のうちに、国際的な経験を積んでおくこともおすすめです。海外企業とのプロジェクト参加や、海外への短期留学などの機会があれば、積極的に参加してみましょう。異なる文化や価値観、ビジネスの進め方に触れることで、国内市場だけでなく、世界を舞台にしたビジネスの考え方や方法を学ぶことができます。

また、海外のクライアントやチームメンバーと直接やり取りする機会が増えるため、語学力の向上も期待できるでしょう。特にグローバルに活躍する企業で働く場合や、今後海外で活躍したいと考えている場合は、国際的な視野を持つことは大きな強みとなるはずです。

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20代でやるべきこと10選【プライベート編】

プライベートを充実させている20代

次に、プライベートの生活において20代でやるべきこと10選をご紹介します。興味が湧くものがあれば、ぜひ取り組んでみてください。

さまざまな趣味に挑戦する

体力と時間に余裕がある20代の間に、さまざまな趣味に挑戦してみると良いでしょう。趣味は仕事のストレスを解消し、人生を豊かにします。特に新しい趣味へ挑戦してみると、自分の思いがけない一面を見つけたり、趣味を通じた出会いが生まれたりするかもしれません。スポーツ、芸術鑑賞、旅行、ゲームなど、自分にあったものを探してみましょう。

健康管理に意識を向ける

健康は、仕事のパフォーマンスを向上させるだけでなく、人生の幸福度を高めるために欠かせません。仕事やプライベートで多忙な日々を送りがちな20代こそ、健康管理の習慣を身につけましょう。健康診断は定期的に受診し、自分の体の状態を把握するようにしてください。また、ストレスを溜めないように、自分なりのリフレッシュ方法を見つけることも大切です。

友人との関係を深める

友人とは、喜びを分かち合い、悩みを相談できる、かけがえのない存在です。20代のうちに友人との絆を深めておくことは、人生のさまざまな局面で大きな支えとなるでしょう。特に社会人は、仕事のストレスや孤独を感じることも多いです。友人との交流は、ストレスの解消になるだけでなく、仕事やプライベートの悩みについても、新たな視点を与えてくれるはずです。

海外旅行に行く

海外旅行は、日常から離れてリフレッシュできる時間というだけでなく、人生観を変えるような貴重な体験となることもあります。さまざまな国の魅力や文化を発見できるだけでなく、異なる環境で生活することで、語学力や課題解決能力を鍛えることも可能です。積極的に海外へ飛び出し、世界を肌で感じてみましょう。

読書や映画鑑賞をする

読書や映画鑑賞は、知識や教養を深め、感性を磨くことにつながります。さまざまなテーマの本や映画に触れることで、視野が広がり、自分とは異なる価値観や考え方に対する理解が深まるでしょう。また、話題になっている作品に積極的に触れることで、時代の雰囲気や流行、社会の課題についても知ることができます。自分の価値観を形成するためにも、20代の間に、良い本や映画にできるだけ触れておくことがおすすめです。

貯金や投資について学ぶ

20代のうちに貯金と投資の基礎を身につけておくと、将来の経済的な不安を解消し、より自由な人生を送ることにつながります。人生における重要なライフイベントでは、どうしても大きな支出が必要となりますので、貯金方法について調べ、目標の金額を設定してみましょう。また投資に関する知識を身につけ、計画的に資産形成を始めておくのもおすすめです。

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自炊の習慣をつける

20代のうちに、自炊の習慣を身につけておくと良いでしょう。自炊をすることで栄養バランスを考えた食事を自分でコントロールできるようになり、健康への意識が自然と高まります。また、自炊は食費の節約にもなるので、浮いたお金を貯金や他の自己投資に回すこともできます。料理は得意ではないという人でも、習慣にすると料理のスキルが高まり、得意なメニューやパターンが分かってきて、自炊のハードルが下がるのではないでしょうか。

交友関係を広げる

責任あるポジションへの昇進やライフスタイルの変化に伴い、時間や精神的な余裕が少なくなり、プライベートの交友関係を広げにくくなる傾向があります。比較的余裕がある20代のうちに、積極的に交友関係を広げておくのも良いでしょう。異なる業界や価値観を持つ人々との出会いは、自分の視野を広げてくれます。仕事で困ったときに異なる視点からのアドバイスをもらえたり、新たなビジネスチャンスにつながったりすることがあるかもしれません。

一人暮らしをする

特に家庭の事情などがないのであれば、20代のうちに、思い切って一人暮らしを始めてみるのもおすすめです。一人暮らしでは、家事や生活費の管理などを全て自分の力で行う必要があります。これによって、自立した生活を送るための基礎力を養うことができます。

また、一人暮らしの場合は、自分のペースで生活することができるため、仕事以外のプライベートな時間を自由に使うことができ、自分と向き合ったり、趣味に没頭したりといった時間もとりやすいかもしれません。

自分にとっての「幸せ」を考える

20代のうちに、自分にとっての「幸せ」とは何かを真剣に考えておくのも良いでしょう。それは「自然の中で友人や家族とにぎやかに過ごすこと」かもしれませんし、「家の中で、ひとりで読書に没頭する時間」かもしれません。

他人がうらやましく見えることもあるかもしれませんが、「幸せ」の定義は人それぞれなので、満足度の高い生活を送るためには、自分自身の価値観に基づいて人生を設計することが重要です。自分にとっての「幸せ」を明確にしておくと、他人と比較することも少なくなり、自分らしい生き方を選べるようになります。

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20代を後悔せずに過ごすためのポイント

後悔せずに過ごそうとしている20代のイメージ

仕事とプライベートそれぞれに関する「20代でやるべきこと」をご紹介してきましたが、ここでは20代を後悔せずに過ごすため、意識しておくと良い3つのポイントについて触れておきます。仕事や普段の生活の中で、心がけるようにしてみてください。

自分への投資を行う

自分への投資を行うことは、20代を有意義に過ごすための重要なポイントです。仕事でのスキルアップはもちろん、プライベートでも興味のある活動には、積極的に取り組んでください。今は必要ない知識やスキルであっても、後々思いがけない形で自分の役に立つことがあります。未来の自分に対する投資と考えて、時間やお金を賢く使いましょう。

心の支えを増やす

20代のうちに、自分にとっての心の支えをできるだけ増やしておくことも大切です。仕事で信頼できる上司や同僚、また家族や友人、恋人などプライベートな人間関係はもちろん、趣味や習慣など、自分が大切にしたいと思うものであれば何でも構いません。今後、仕事やプライベートでつらいと感じることがあっても、そうした心の支えが困難を乗り越える力となります。

自分らしい生き方を追求する

人生に正解はありません。20代のうちはできるだけ多くの経験をして、自分が本当に大切にしたいもの、やりがいを感じることを明確にしましょう。周りの意見に流されるのではなく、自分の軸を持ち、自分らしい生き方を追求することが、20代と今後の人生を充実させるための鍵となります。

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自分らしいキャリアを築くため、20代は積極的に挑戦を

20代は吸収力や柔軟性が高く、ぐんぐんと成長できる時期であると同時に、ライフプランやキャリアの基盤を形成する、大切な時期でもあります。何をすべきか迷うこともあるかもしれませんが、記事でご紹介したことを参考に、興味のあることには積極的に挑戦してみましょう。20代の今経験することは、これからの人生の大きな糧となるはずです。

監修:やさしいビジネススクール学長 中川功一
経済学博士(2009年、東京大学)。「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。学長を務めているオンライン経営スクール「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作などで経営知識の普及に尽力している。 主な著書に『感染症時代の経営学』『ど素人でもわかる経営学の本』『戦略硬直化のスパイラル』など。

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