何をやってもうまくいかないときはどうしたらいい?原因や対処法を紹介

「何をやってもうまくいかない」と感じることはありませんか? この記事では、うまくいかないと感じる原因や対処法などを解説します。

うまくいかないことが続いて落ち込む様子

「何もかもうまくいかない」と感じると、「自分のせいだ」と思い悩んでしまう人も多いでしょう。しかし、そう感じるのは、優先順位の付け方や物事の捉え方が原因になっていることも少なくありません。仕事や私生活を順調に進めるには、そうした原因を見直し、行動や考え方を変えていくことが大切です。

この記事では、日本メンタルアップ支援機構代表理事である大野萌子さん監修のもと、うまくいかないと感じる原因のほか、打開策や過ごし方などについて分かりやすく解説します。

「何をやってもうまくいかない」と感じる原因【行動編】

「何をやってもうまくいかない」と感じている人の様子

何をやってもうまくいかないと感じるのはなぜなのでしょうか? まずは、行動面の原因を見ていきましょう。

優先順位の付け方がうまくいっていない

まず挙げられるのが、優先順位の付け方です。例えば、仕事における優先順位の付け方がうまくいっていないと、スケジュールを守れなかったり、ミスしたりすることが増え、「何もかもうまくいかない」と感じることが増えてしまいます。

タスクの優先順位を決める際、気が乗らない面倒な仕事を最上位にしてしまうと、つい仕事自体を先延ばしにしてしまい、結果的に効率化悪くなってしまうため、特に注意が必要です。抵抗を感じないものやすぐに終わるものから始めるようにすると、仕事の効率が改善されるかもしれません。

途中であきらめてしまっている

何かを成功させるには一定の努力が必要ですが、「自分には向いていない」「どうせ失敗するから」と途中であきらめてしまうと、成果や達成感が得られず、「何もかもうまくいかない」と感じる原因になります。

何の苦労もなく順調にいっているように見える人でも、陰で努力を重ねていることも少なくありません。一足跳びに成功させようとしていると、途中で挫折してしまうことも多いので、地道に努力を続ける意識を持つことが大切です。

すべてをコントロールしようとしている

物事をすべてコントロールしようとしているのも、「うまくいかない」と感じる原因の一つです。

例えば、自分の仕事の進め方や職場での振る舞いはある程度コントロールできますが、同僚や上司の言動、会社の方針など、自分の努力では変えられないものも多くあります。そうしたことを「コントロールしたい」「どうにか変えたい」と強く思っても、なかなかうまくいかないため虚しさや失望感を感じてしまうのです。

客観的な視点が不足している

「頑張っているのにうまくいかない」と感じている場合は、客観的な視点が不足している可能性もあるでしょう。

特にビジネスシーンでは、取引先やユーザーのニーズを汲み、価値あるものを提供する必要があります。上司や同僚に仕事を頼まれたときにも、相手の求めるものを把握した上で取り組むことが大切です。

そのため、自分の基準や主観的な判断だけで物事を進めてしまうと、なかなか成果が出なかったり、評価が得られなかったりして「うまくいかない」と感じやすくなります

「何をやってもうまくいかない」と感じる原因【マインド編】

ストレスが原因でうまくいかないと感じる人のイメージ

続いて、「うまくいかない」という感情を引き起こす精神面の原因を見ていきましょう。

ストレスが溜まっている

ストレスが溜まっていると、実際にはそれほど悪い状況ではなくても、イライラしたり、気分が落ち込んだりして、「何もかもうまくいかない」と感じやすくなります

また、ストレスに伴い、仕事に対するモチベーションが下がったり、睡眠や食事がいつも通りとれなくなったりすることで、本来のパフォーマンスが発揮できなくなることもあるでしょう。結果的に、仕事もプライベートもうまくいかなくなり、自己嫌悪に陥ってしまうことも少なくありません。

悪い出来事ばかりに意識が向いている

嫌な出来事ばかりにフォーカスしているのも、よくある原因の一つです。

日常では良いこともあれば悪いこともありますが、視野が狭まっていると良い面が見えなくなり、「うまくいかない」と感じやすくなります。すると、悪い出来事ばかりに意識が向くようになり、「やっぱりうまくいかない」「自分はやっぱだめなんだ」とさらに悲観的になってしまうのです。

ネガティブな感情を否定している

一方で、ネガティブな感情を否定して無理にポジティブになろうとするのも、「うまくいかない」と感じる原因になります。

一般的に、不安や悲しみなどの感情はネガティブなものとされていますが、本来、感情に良し悪しはありません。ネガティブな感情をきちんと受け止められると、状況を改善するきっかけになることもあります。

例えば、「残業が多くて仕事がつらい」と感じている場合、上司に相談して仕事量を減らすといった対応が必要ですが、「ネガティブなことは忘れて前向きにがんばろう」と心のなかで自分の気持ちを否定していると、問題解決にはつながりません。ネガティブな気持ちがなかなか消えず、結果的に「うまくいかない」と感じやすくなります。

他人と自分を比べている

他人と自分を比較していると、「あの人は仕事も私生活も順調なのに私は……」と劣等感を感じやすくなり、「何もかもうまくいかない」と落ち込みやすくなります。

SNSの投稿を見たり、友人や同僚の話を聞いたりしたときに、つい比較して自分のほうが劣っていると感じてしまうという場合は注意が必要です。

「何をやってもうまくいかない」と感じやすい人の特徴

自己肯定感が低い人のイメージ

同じ状況であっても、「何をやってもうまくいかない」と感じる人もいれば、深く考えず、前向きに捉えられる人もいます。両者にはどんな違いがあるのでしょうか?

ここでは、うまくいかないと感じやすい人の特徴を4つ紹介します。

「0か100か」の極端な思考が癖になっている

「うまくいかない」と感じやすい人の多くは、「0か100か」「白か黒か」といった極端な思考が癖になっています。

「完璧でなければ意味がない」「一度失敗したらすべて終わりだ」と二分法で考えてしまうので、ささいな失敗でも落ち込んでしまい、「何もかもうまくいかない」と考えてしまうのです。

さらに、自分だけではなく周りにも完璧を求めることで人間関係が悪化し、さらにフラストレーションが溜まってしまうこともあるでしょう。

達成困難な目標を掲げがち

理想が高く、達成が難しい目標を掲げがちなのも、「うまくいかない」と感じやすい人の特徴です。

理想が高いと達成感を得にくいだけでなく、その都度「やっぱりだめだった」という思いが強くなってしまいます。他の人から「あなたは十分できているよ」「がんばっているよ」と言われても、自分の努力や成果を認められず、うまくいかないと感じてしまうのです。

自己肯定感が低い

うまくいかないと感じやすい人は、自己肯定感が低く、自己評価ではなく他者評価を基準に考える傾向があります。

しかし、他人からの評価は自分で直接コントロールできるものではなく、どんなに優秀な人でも常に全員から良い評価を得ることは難しいでしょう。そのため、他者評価に依存している人は、達成感や幸福感を得にくく、思うようにいかないと感じることも多いのです。

サポートを求めるのが苦手

誰かのサポートを求めるのが苦手なことも、うまくいかないと感じる人に共通する特徴です。

「周りに迷惑をかけたくない」「人に頼むより自分でやってしまったほうが早い」と仕事や悩みを一人で抱え込んでしまう人は、適切なサポートが受けられないことも多いでしょう。結果的に、仕事がスムーズに進められなかったり、悩みが解決できなかったりすることで、物事が思うようにいかないと感じてしまうことも少なくありません。

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「何をやってもうまくいかない」はもう終わり! 今すぐできる打開策

やり方を変えて改善する人のイメージ

では、「何をやってもうまくいかない」というときにはどうしたらいいのでしょうか? ここでは、打開策を5つ紹介します。

原因を分析する

まずは、考えられる原因を紙に書き出し、分析してみましょう。頭の中でぐるぐる考え続けるよりも問題を俯瞰しやすくなるので、解決策にたどり着きやすくなります。

直接的な原因が分からなくても、困っていることや改善点を書き出すことで、思考や感情を整理でき、モヤモヤした気持ちが晴れるのも利点です。

やり方を変えてみる

努力しているのにうまくいかないと感じるときは、やり方が合っていなかったり、過去の成功パターンに固執したりしている場合も少なくありません。そのため、少し視点を変えて、やり方や取り組み方を変えてみることも大切です。

例えば、仕事を慎重に進めているのに同じミスを繰り返してしまう場合は、自分のミスの傾向を分析してチェックシートを作成したり、同僚や上司にダブルチェックをお願いしたりするのもいいでしょう。

優先順位を決める

タスクが多いときは、優先順位を決めるのも効果的です。

一般的なのは、下記のように「緊急度」「重要度」を軸にタスクを分類する方法です。

A. 緊急性が高く、重要度も高いタスク(売り上げや評価に直結する締め切り間近の仕事など)
B. さほど重要ではないが、緊急性が高いタスク(問い合わせ対応など)
C. 緊急性はないが、重要なタスク(計画策定・人材育成など)
D. 緊急性も重要度も低いタスク(単純な事務作業など)

基本的には、A、B、Cの順で取り掛かります。ただし、Cを先送りにすると、大きな成果につながらなくなる場合もあるので、Bばかりに時間を割かないことが大切です。Dに関しては、削除を検討してもいいでしょう。

また、人は行動することでやる気が出てくるので、やりたいことや得意なことから取りかかるのもおすすめです。健康状態や状況に合わせて、自分なりの基準で優先順位を決めていきましょう。

さらに、生活や人生において何を大切にしたいのか、優先順位を決めておくと、納得のいく選択ができるようになります。

人に相談する

人に話すことも、うまくいかない状況の打開策になります。職場の先輩や家族、友人など、信頼できる人に相談してみましょう。話すことで抽象的な概念を言葉に置き換えられ、自分の考えや気持ちを整理できるはずです。

相談するのは、あくまでも自己決定のためなので、人の意見に左右され過ぎないように気を付けましょう。

自分の意思や気持ちを周囲に伝える

人間関係がうまくいかないと感じている場合は、周囲の人に自分の意思や気持ちを伝えて、話し合うことも重要です。相手の意向も聞きながら、妥協点を見つけられると、関係の改善につながります。

良好な人間関係は仕事をスムーズに進める上で欠かせない要素です。また、家族や恋人、友人などと良い関係性が築けると、私生活も充実しやすくなります。そのため、人間関係が改善されると、うまくいかないと感じることも減っていくでしょう。

何をやってもうまくいかないときに!前向きになるための過ごし方

休息をとることで前向きになるイメージ

「何をやってもうまくいかない」と落ち込んでいるときは、まずは心身を回復させることが大切です。ここでは、何をやってもうまくいかないときにおすすめの過ごし方を8つ紹介します。

休息をとる

疲れやストレスが溜まっていると、「すべてがうまくいかない」「自分なんてだめだ」といったネガティブな感情を湧き起こすことがあります。そのため、まずは積極的にリラックスできる時間を作り、ストレスの発生源や「うまくいかない」という悔しさや虚しさから離れ、心身を休ませましょう

場合によっては、仕事を休んだり、予定をキャンセルしたりすることも必要かもしれません。

デジタルデトックスを行う

スマートフォンなどのデジタルデバイスと距離をとる「デジタルデトックス」も、ストレスや落ち込みの緩和に有効です。

スマートフォンやパソコンを長時間見ていると、脳が処理しきれないほどの大量の情報が入ってきます。メンタルが弱っているときにこうした刺激を受けると、心がさらに疲れるといわれています。

まずは、別の作業をしながらスマートフォンを触る「ながらスマホ」を減らしたり、休日にはデジタルデバイスの電源を切ったりして脳を休めるようにしましょう。

軽い運動を行う

次におすすめしたいのが、軽い運動です。日常的に運動を行うとストレスや不安が軽減され、睡眠の質の向上にもつながるといわれています。

普段あまり運動する機会がない人は、ストレッチやウォーキング、ヨガなど軽い運動から始めてみましょう。気持ちが前向きになり、「うまくいかない」という落ち込みも解消されます。

香りを楽しむ

香りを楽しむのもいいでしょう。アロマなどのいい香りを嗅ぐと、体の緊張や気持ちがほぐれてリラックスできます

ほかにも、コーヒーを豆から挽いたり、フレーバーティーや入浴剤、ペットのにおいを楽しんだりするのもおすすめです。嗅ぐと心が安らぐようなお気に入りの香りを見つけましょう。

好きなものを通じて感情を高める

好きなコンテンツやイベントなどを通じて感情を高める時間を持つのもおすすめです。音楽、映画、推しのライブ、スポーツ観戦、学生時代に好きだったものなど、自分の感情が動くことを探してみましょう。高揚、感動、興奮などを感じることで、凝り固まった心を解きほぐせるはずです。自分の本心に向き合ったり、目標を再確認したりするきっかけにもなるでしょう。

趣味に没頭して無心になる

人は「ネガティブなことを考えないようにしよう」と思えば思うほど、逆に悩みごとに強くとらわれてしまいます。趣味に没頭することで、無心になり、ネガティブな感情から離れる時間を強制的に作りましょう。

例えば、スマートフォンでできるゲームやDIY、手芸、塗り絵、プラモデルなど、無心になれることなら何でもOKです。できれば毎日できると理想的ですが、難しい場合は週に数回でも問題ありません。

いつもと違う経路で通勤する

「うまくいかないことが続いて仕事に行きたくない」という場合は、いつもと違う経路で通勤してみるのもいいでしょう。

旅行に行って非日常を体験すると、気持ちがリフレッシュされ、新鮮な気分で日常生活を過ごせるという人も多いのではないでしょうか。同様に、最寄り駅までいつもとは違うルートを歩いたり、電車ではなくバスで職場に行ったりしてみると、気持ちが新たになり、仕事に前向きに取り組めるようになります。

整理整頓や掃除をする

「うまくいかない」ときには、自宅やオフィスの整理整頓・掃除をするのもおすすめです。自分のデスク周りを片付ける不要なものを捨てるといった簡単な整理整頓でも問題ありません。環境が整うと気持ちも整理され、前向きになります。

何をやってもうまくいかない時期に注意したいこと

「すべてがうまくいかない」という時期には、いくつか避けたほうがいいことがあります。最後に、特に注意したいポイントを4つ紹介します。

大事な決断をしない

取り返しがつかないような重大な決断をするのは避けましょう。うまくいかないと悩んでいる時期は冷静になれず、判断を誤る場合も多いので、勢いで決断してのちのち後悔することも少なくありません。

特に、うまくいかないからと勢いで仕事を辞めたり、大きな買い物でストレスを発散したりすることはおすすめできません。まずは十分に休息を取って、原因を分析し、気持ちが落ち着いてから検討することが大切です。

ネガティブな発言に気をつける

「うまくいかない」と気持ちが落ち込んでいるときや、イライラして気持ちが高ぶっているときは、普段の自分ならしないような言動をしてしまう場合もあります。そのため、ネガティブな発言にも注意が必要です。

例えば、職場で愚痴や悪口を言うのは、巡り巡って信用を失うことになるので避けたほうがいいでしょう。また、うまくいかないからと人に八つ当たりすると自己嫌悪に陥ることも多いので、別の対処法を用意することが大切です。

他人と自分を比較しない

他人と自分を比較するのも避けたほうがいいでしょう。ことわざに「隣の芝生は青い」とあるように、人はつい他人と比べて自分が劣っていると感じやすく、マイナス思考に陥りやすくなります。気持ちに余裕がないとさらに劣等感を感じやすくなるので、SNSやニュースサイトなどを見るのを一時的にやめるのもいいでしょう。人は人、自分は自分と割り切り、マイペースを保つことが大切です。

自分を追い詰めない

うまくいかないときは、「自分のせいだ」「自分が頑張ればなんとかなる」とさらに自分を追い詰めてしまいがちです。心身の疲れやストレスを無視してがんばり続けていると、メンタル不調に陥ったり、体を壊してしまったりすることも珍しくありません。「うまくいかないと感じるのは自分のせいではなく、環境や体調のせいなのかも」といったん立ち止まり、休息をとる勇気を持ちましょう

うまくいかない時期からは、具体的な行動によって脱しましょう

「何をやってもうまくいかない」と感じる時期が続くのは、つらいもの。まずは「うまくいかない」と感じ始めたのはなぜか、この記事で紹介した原因を参考に分析してみましょう。

原因が分析できたら、やり方を変えたり、優先順位をつけたりして現状を打開していきましょう。落ち込みがひどい場合は、休息をとるなどセルフケアを行うことも大切です。気持ちが上向きになってきたら、趣味に没頭するなどして心の柔軟性を取り戻していきましょう。

監修:一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事 大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。内閣府などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関等で、6万人以上に講演・研修を行った実績あり。「世界一受けたい授業」「ホンマでっか!TV」をはじめメディア出演多数。著書「よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑®」(サンマーク出版)はシリーズ51万部超のベストセラー。
https://japan-mental-up.biz/

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