2024年に「Speciale」のメンバーとしてデビューした、にじさんじ所属のバーチャルライバー・七瀬すず菜さん。デビュー以来欠かさず続けている朝の配信「おはすず」ではリスナーさんとのやり取りで抜群のコミュニケーション能力を見せています。
後編では、人付き合いのコツや自分の強みを見つけて自分らしく生きる方法、夢や目標との向き合い方について伺いました。
※インタビュー前編はこちら
自分に優しく、毎日を楽しく！にじさんじ 七瀬すず菜が、毎日の朝配信を続けられる理由
※この記事は2025年5月に実施したインタビューをもとに制作しています。
コミュニケーションの基本は「元気なあいさつ」と「相手に興味を持って質問すること」
──前編で「自分に優しく、人にもっと優しく」がモットーとお話ししていましたが、多くの仕事で対人のコミュニケーション能力が求められると思います。七瀬さんは初対面の相手と接する際、どんなことに気を付けていますか？
まずは元気に笑顔であいさつ！ これは基本というか前提ですよね。あとは相手によるんじゃないかな。たくさん話したい人なのか、あんまり話したくない人なのか。いろんな人がいるから、ほとんど無意識ですが「この人はどういう人かな？」と思いながら話しています。
相手に合わせて喋るというよりも「話を聞く」スタンスで、相手について自分が知りたいことを質問することが多い気がします。「最近これやっていましたよね。あれって実はどうだったんですか？」とか「私も〇〇さんみたいにこういうことをやってみたいんですけど、どうしたらいいですかね？」とか。
相手に興味を持つことが大事かなと思います。だって気になりませんか？ 何食べているのかなとか、どういう感じでお仕事されているのかなとか。そこでもし共通点が見つかれば「私も！」となることもあるし。
──七瀬さんは先輩ライバーさんや他のライバーさんたちと仲が良い印象があります。関係を築いていくコツも同じく「相手に興味を持って質問する」でしょうか？
そうですね……私の場合は「こんなにすごい人たちと一緒にお仕事ができて嬉しい」という気持ちがベースにあるので、「仲良くなろう」という発想はあまりないかもしれません。コラボをする場合は、お仕事について尊敬している部分を勉強したいと思って接していますし。
関係は、接している中で自然と築かれるものだと思っています。その結果、外から見たら先輩と仲良くしていたり、良くしてもらっていたりするような印象があるのではないでしょうか。
素直に生きる。自分にとっての当たり前が「強み」になる
──ライバーとしてのご自身の強みはどんなところにあると考えていますか？
私の強みは、リスナーさんと感覚が近いことです。
そもそも自分には突出した才能がないと思っていて、そんな自分がライバーとしてどうやっていくかを考えたとき、学校を出て会社員をやっていたという経験は、見てくれる方・聴いてくれる方の感覚に寄り添える大事な要素になり得ると思ったんです。もしかしたらリスナーさんにも同じような経験をしている人が多いのではないかと思い、同じ目線でお話ができたらいいなと思いました。
私がラジオやニコニコ動画といった双方向のミュニケーション媒体を好きになったのも、パーソナリティさんへの「わかる〜！」という共感で。そこから親近感を抱いて好きになりましたし、元気もいただいていたので、私も配信でお話しすることでリスナーさんといろいろなことを共有できるのではないかと考えました。
──自分の強みがわからない人は世の中に多いと思いますが、どうしたら自分の強みを見つけられると思いますか？
「自分ではなんとも思っていないこと」「当たり前過ぎて気づかないこと」が逆に強みになることもあるかも。
私だったら、毎日朝起きて配信することですね。自分にとってはなんてことないのに、人からはすごいと言ってもらえる。そういうことが強みになるんだと思います。
だから普段、周りの人たちからどんなことを言われているか、どう思われているかに目を向けると、自分の強みが見つかるかもしれません。「これはたいしたことないから履歴書に書かなくていいや」みたいに思っていることが案外、強みだったりする。
──まずは自分を飾らずに素直に生きる、そうして周りの人の話をよく聞く、この2つが自分の強みを見つける近道になるということでしょうか。
そうですね。常に自然体というか、自分の思うままに自分や周りと付き合っていると、次第に自分が見えてくるんだと思います。
それに、やったことがないことや苦手なこと＝ダメ、ではないんですよね。特に新しい環境に飛び込んだばかりだと、周りと比べて自分に能力がないと感じる場面は多いと思います。でも、初めてやることってできないのが当たり前。
「これ得意かも！」は続けていく中で見つかるものなので、できない自分を悲観する必要なんて全然ないと思います。自分に合うことは必ずあるし、頑張っていれば、その姿を必ず誰かが見ているはず。
苦手だと思っていたことも、実は活かせるポイントなことに気づいたりして。これはライバー特有かもしれませんが、例えばホラーが苦手な場合、それがホラーゲームの撮れ高につながりますよね。
──働いていると、理想と現実の間にギャップを感じて「思っていたのと違う」と悩むこともあると思います。そうしたとき、七瀬さんだったらどうしますか？
私もギャップを感じることはありました。もしそう感じたら、それこそ転職を考えてもいいと思うんです。仕事って、何をやっても楽しくない状態が続くと本当に辛いと思います。
1〜2年後にその会社で働いている未来を想像できるかどうか。想像してみて「なんか違うかも」と思ったら、転職を考えてもいいんじゃないでしょうか。
ただ、「思っていたのと違う」と感じながらも、続けていくうちにいつの間にか「いや、でも、できるぞ？」になることもあるんですよね。だから思いっきり悩んでいいと思います。悩むことは悪いことじゃないし、自分で悩んで決めた道だったら頑張れると思います。
まずは社歴が自分より1〜2年長い人がどんなふうに働いているかをよく見て、その人から情報を集めるのもありかもしれませんね。
──仮に転職を決意した場合、転職活動におけるアドバイスはありますか？
私は面接がすごく得意なんですけど、それに関してだと、思い切って自分の気持ちを伝えることが大切だと思います。「私ここでめっちゃ働きたいんですけど！」「私のこと採用してくれたらめっちゃあなたのために頑張りますけど、どうですか？」と思いながら喋る。
面接官も一人の人間で、面接もコミュニケーションですよね。この人と一緒に働きたいと思ってもらうことが何より大事だと思います。
でも、もし落ちたとしても、悲観する必要は全然ない。すべては縁だと思います。転職活動に苦戦しているときれいごとに聞こえるかもしれないけれど、マッチングするかしないか、それだけ。
もっと合う環境が他に絶対にあるはずだから、諦めずにチャレンジしてみてほしいです。
夢は1つじゃなくていい。たくさんあれば、たくさん叶う
──七瀬さんは自然体で自分のやりたいことに忠実な印象ですが、そうしたスタンスはどのような経験から生まれてきたのでしょうか。
私、大学受験を失敗しまくっていて、たくさん受けたのに1校しか受からなかったんです。しかも最後の最後になんとか1校だけもぎとったような形で。
だけど、そうして入学した大学がすごく楽しかったし、すごく勉強になったんです。そんなふうに、今までの人生を振り返ってみると、どんな道でも行った先で得るものがたくさんあった。だから、無理に自分を縛ることはなくなったのかなと思います。
いわゆる「将来の夢」って1つじゃなくていい、たくさんあってもいいよね、とよく思います。「信じていれば夢は叶う」とよく言うけれど、そんなこと全然ないと私は思っていて。
努力したって必ず叶うわけではない。叶わなかったら悲しい。でも、夢がたくさんあれば叶うこともたくさんある。数打ちゃ当たると言えばそれまでだけれど、たくさん夢を持って自分の人生を面白くできたらいいですよね。
──たしかに、夢が1つしかないのは、よく考えたらリスキーかもしれません。
リスキーだと思います。1つしか夢がないと「これがダメだったらもうダメだ」という考えに陥ってしまうかもしれない。そういう考え方でいたら、成功するものもしないですよね。
私自身、プレッシャーにすごく弱いので、いろんな予防線を張って常にプレッシャーがかからないようにしているのかもしれません。
──七瀬さんにも夢がたくさんありますか？
夢、いっぱいあります！ でも今は「夢であり目標」みたいな感じですね。
まずはにじさんじのライブに出たい。共通衣装を着て出演したい。やっぱりリスナーさんやファンの方とコミュニケーションを取りたい想いは活動の根底にあるので、Specialeとしても個人としてもリアルイベントをたくさんやりたい。歌とダンスも頑張りたいし、公式で料理番組もやりたい。
ライバーとしてできることは何でもやりたいです。だからみんなも、私と一緒にチャレンジしていきましょう！
※インタビュー前編はこちら
自分に優しく、毎日を楽しく！にじさんじ 七瀬すず菜が、毎日の朝配信を続けられる理由
【プロフィール】
七瀬すず菜
にじさんじ所属のバーチャルライバーとして2024年にデビュー。カフェレストラン「Speciale」の朝担当として、ホール・キッチン業務をこなす。趣味は料理。特技は飾り巻き寿司。デビュー以来、定期配信「おはすず」を継続している。
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