真面目な人の特徴は?ビジネスでの活かし方や注意点、向いている仕事について解説

真面目な人は、ルールを守って計画的に仕事をする傾向があるため、成果にも結び付きやすいです。この記事では、「真面目」の言葉の意味や真面目な人の特徴、向いている仕事の特徴について解説します。

「真面目な人」と聞くと、仕事に対してまっすぐで正確性や責任感が強いというイメージがありますが、真面目だからこそ自分に対して厳しい一面を持ち合わせていることもあります。

今回は、キャリアコンサルタントの村井真子さんにお話を伺い、「真面目」という言葉の意味や真面目な人の特徴、向いている仕事などについて解説していきます。

真面目とは?

真面目に仕事に取り組む人のイメージ

そもそも、「真面目」とはどのような意味があるのでしょうか。言葉の意味と、類義語・対義語について解説します。

「真面目」の意味

辞書的には、「真面目」とは、「嘘やいいかげんなところがなく、真剣であること」、「真心のあること。誠実であること」といった意味があります。もう少し具体的に定義すると、「自分の行動に責任感を持ち、一定の規律や倫理に従って誠実に行動する姿勢」と言い換えることができるでしょう。

つまり、「真面目な人」とは、与えられた役割や約束を守り、社会的なルールや職場の規律を尊重しながら、他者からの信頼を裏切らない態度をとる人のことを指します。

真面目の言いかえ表現・対義語は?

「真面目」という言葉には、下記のような言い換え表現があります。

  • 誠実である…真心と公正さで物事に対応するさま
  • 責任感がある…自身が負うべき義務や役割を最後までまっとうする姿勢
  • 規律を守れる…ルールや秩序を守ること
  • 信頼できる…誠実な行動や人柄に対して頼りにする気持ち
  • 堅実である…考え方や行動に確実性があるさま

また、「真面目」の対義語としては、下記のようなものが挙げられます。

  • 無責任…責任を重んじないこと
  • 不誠実…誠意や真心が欠けているさま
  • ルール軽視…ルールや規則を軽く扱い、守ろうとしないこと
  • いい加減…なげやりやでたらめな態度、様子
  • 信頼を裏切る…相手の信用や期待に反する行動をとり、信用を失わせること

ビジネスシーンにおける「真面目な人」とは

ビジネスシーンでは、「あの人はとても真面目な人だ」などと表現されることがあります。これは、具体的には下記のような特徴を持つ人を指すことが多いです。

  • 自分の言動や成果に対して最後まで向き合う意識がある人
  • 法令や社会的なルール・規範、組織の方針に沿って安定して行動ができる人
  • 他者や仕事に対してごまかさず、正直に取り組む姿勢を持っている人

このように、基本的には「真面目な人」という言葉は仕事に対して真摯に取り組んでいる人を指して表現することが多く、ほめ言葉として用いられるケースが多いでしょう。

真面目な人の特徴と強み

次に、真面目な人の特徴とビジネスシーンにおける強みを詳しく見ていきましょう。

責任感があり、最後まで自分の仕事を全うできる

「真面目」という言葉からも分かる通り、任された業務を途中で投げ出すことはせず、期限や成果に対して最後まで責任を持つ傾向が強いです。

例えば、納期が短いプロジェクトでは、納期から逆算して現実的なスケジュールを組んだり、進捗が遅れ気味な場合は残業をしてでもリカバリーをしたりと、最終的に期日を守れるように全力で自分の仕事を全うします。

規律やルールを守る

会社やチームの規範を尊重し、安定した行動ができるのも、真面目な人の特徴のひとつです。コンプライアンス研修やマニュアルを軽視することなく、ルールに則った行動をすることが多いでしょう。仕事では、チェック項目を遵守することから、正確性を発揮しやすい傾向があります。

周囲に安心感を与え、信頼を得やすい

真面目な人は、ごまかさずに正直に対応するため、顧客や同僚からも信頼されやすいでしょう。例えば、顧客に対しては、商品のメリットだけでなく、デメリットについても隠さずに説明し、デメリットをフォローする方法まで丁寧に伝えます。

そういった誠実な姿勢によって信頼を得ることになり、結果的に長期的な取引につながることもあります。

コツコツと努力を積み重ねる

継続的に学習・改善を続けることができる粘り強さは、真面目な人の大きな強みといえるでしょう。日々の業務の中で気づいた小さな改善点をこまめにメモして次の業務に活かしたり、長期間にわたるプロジェクトにおいてPDCAを繰り返したりするなど、努力が成果に結び付く行動ができます。

周囲の期待に応えようとする

職場で実務を通して教育するOJT(On the Job Training)など、日常業務の指導役を任された場合、真面目な人は周囲の期待や求める水準に対して十分に応えようとします。具体的には、粘り強く丁寧に新人・後輩を指導する、期待される成果を上げられるまで一生懸命に取り組むといった行動が出来るでしょう。

真面目な人の弱みとは?

緊急な案件で社内調整が必要になるイメージ

真面目な人は、職場で評価される一方で、注意すべき一面もあります。真面目な人ならではの弱みについても見ていきましょう。

融通が利かず、柔軟性に乏しいことがある

ルールや手順を重視するあまり、状況に応じた柔軟な対応ができないことがあります。緊急の案件で社内調整が必要な場合には、通常の業務フローに沿わない形で調整を図ることに不満を感じることがあるかもしれません。

完璧を求めてしまい、結果として時間がかかる

ミスのない丁寧な仕事を心がけるあまり、時間をかけすぎたり、要求されている水準を超えた資料を作成したりしてしまうこともあります。

完璧を求めすぎてしまうことで、逆に要領が悪くなってしまうことは本末転倒です。そうならないためにも、自分の中である程度、現実的な妥協ラインは設けておきましょう。

仕事を自分一人で抱え込みがち

責任感が強いため、他人に任せたり、頼ったりすることに対して抵抗を感じてしまうことがあります。その結果、自分一人で仕事を抱えこむことが増え、結果的に疲弊してしまうケースが多いようです。

主体的な提案や新しいチャレンジに対して消極的

ルールに従うという考えが強いので、今までのやり方を踏襲することに固執しがちな傾向があります。また、「間違えたら恥ずかしい」などの意識から、仕事で新しい分野にチャレンジすることに消極的になってしまうこともあるでしょう。

堅苦しい印象になりがち

ビジネスシーンにおいて、緊張感を持って真面目に仕事に取り組むのは大切なことです。しかし、あまりにも真面目すぎると、冗談や雑談などを受け入れにくい印象を与えてしまい、「職場の空気が引き締まる存在」というよりも、「話しかけづらい人」と捉えられてしまうかもしれません。

そのため、真面目さをどの程度まで発揮するのか、適度なバランス感覚を意識しておく必要があります。

真面目な人がビジネスシーンで意識したいこと

真面目さは仕事の強みになる一方で、行き過ぎてしまう点に注意が必要です。ここでは、真面目な人だからこそビジネスシーンで意識すべきポイントについて解説します。

自分のリソース状況を見極める

真面目な人は、「自分がやらなければ」と仕事を引き受けがちな傾向がありますが、まずは自分のリソース状況をきちんと把握することが大切です。場合によっては過剰な量の仕事は断ったり、納期の交渉をしたりといった選択肢も検討してみましょう。

例えば、始業前に今抱えているタスクを全て書き出してみるなど、自分のタスク量の見える化を意識すると、キャパシティを超えて仕事を引き受けることを予防できます。

結果を目に見える形できちんとアピールする

一生懸命努力していても、それが周囲には伝わらないということも多々あります。自分の取り組んだ内容や成果については、定期的に周囲に報告することを意識してみましょう。

その際に気をつけたいのは、真面目な性格であることをアピールするのではなく、真面目に取り組んだ「結果」を、数字などの周囲に伝わりやすい形で出すこと。そうすることによって、自身の真面目さを自然に評価につなげることができます。

時間に余裕があれば、資格を取って努力の成果を見えるようにすると、キャリアアップにもつなげやすいです。

効率性も重視する

「自分の仕事の水準は自分で決める」という人もいるかもしれませんが、相手が求めている水準を意識すると、仕事の効率化につながります。例えば、担当している仕事において、“精度”が求められているのか、“スピード感”が求められているのか、客観的な視点からきちんと確認することで、適切な判断がしやすくなります。

真面目さを優先するのではなく、周囲の状況をしっかりと見極めながら業務を遂行することが大切です。

不安感をリスクヘッジに変えて対策する

今までに前例がないチャレンジングな取り組みをする際には、真面目さゆえに不安を感じてしまうことがあります。そういった場合は、自分の不安感を解消するために、少しでも関連性のある類似の事例を調べたり、メンバーが気にしないところをリストアップしたりしてリスクとして提示してみましょう。

自分の不安感をリスクヘッジに変えて対策することで、不安を解消しつつ、取り組みもスムーズに進めていくことができるはずです

ユーモアの精神を持つ

真面目な人は、少し近寄りがたい印象を与えることもあるので、周囲と円滑なコミュニケーションを取りたい人は、笑顔を意識したり、時には積極的に自己開示をしたりして、周囲に与える印象に気を付けてみましょう。

真面目さをビジネスシーンで活かす方法

真面目さは過度になるとネガティブに捉えられ、ただ真面目に仕事をしているだけでは評価に結びつきづらいという面もあります。そのため、真面目さはその強みを活かせる場面で発揮する必要があるのです。

ここでは、真面目さを効果的にビジネスシーンで活かす方法について解説していきます。

ルール遵守が求められる業務を率先して担う

法令との整合確認や取引後の書類整備など、コンプライアンスや社内ルールに関する業務は真面目な人の得意分野ともいえます。

普段からこまめにルールをチェックしたり、ルールや規律を確認するのが身についたりしている場合には、高い正確性を発揮できるでしょう。この業務は苦手な人が比較的多いため、真面目な性格の人こそ評価を得やすいです。

自分の欠点を理解したうえで信頼構築を築く

自身の真面目な一面が仕事において短所になっていると感じたら、カバーするために対応策を検討しましょう。例えば、「柔軟性が乏しい」と感じるのであれば、緊急性の高い事案が発生したときの選択肢をあらかじめシミュレーションし、状況に応じて対応できるように普段から意識しておくと効果的です。

自分の仕事において弱点や課題がある場合には、同僚など、周囲にも対応策をきちんと伝えることで、長期的な関係を構築できるようになります

責任感をチームへの貢献につなげる

時間に余裕があれば、自分の業務だけでなく、関連する他の業務の進捗も併せて確認しましょう。そうすることで、納期に応じて同僚のフォローを申し出たり、ダブルチェックを引き受けたりするなどしてチーム全体に貢献できます。

フォローまではできなくても、チーム内や同僚の状況を観察し、情報収集するだけでも、必要なサポートを察知する力が身に付くでしょう。

真面目な人がビジネスシーンで成果を発揮しやすい職種・環境

真面目な人が得意分野で力を発揮するイメージ

真面目な人は、どんな職場環境で成果を発揮しやすいのでしょうか。ここでは、真面目な人に向いている職種・環境について解説していきます。

経理・会計・財務・法務

経理・会計・財務・法務など、お金の管理や法律に関わる職種は、真面目な人に適しているといえます。資格取得が必要になるケースもあり、コツコツと勉強を続ける勤勉さが求められることも多いでしょう。

また、仕事では常に正確性が求められますが、マニュアルに沿って確認することが苦でない真面目な人であれば、仕事に苦手意識を持つことも少ないでしょう。

QC(品質管理)・QA(品質保証)・PM(プロジェクトマネジャー)

QC(品質管理)、QA(品質保証)など、商品の品質を一定の基準に従って管理・改善する仕事や、PM(プロジェクトマネジャー)等のアウトプット全体の管理責任を負う仕事にはさまざまなルールがあります。従って、ルールを遵守することに強い意識を持つ真面目な人には、適した職種といえるでしょう。

チェックする作業に長けている真面目な人は、その特性を活かして仕事をしやすいです。

エンジニア・研究者

エンジニアや研究者などの技術職や研究職は、私たちの生活に欠かせない重要な仕事です。責任感の強い真面目な人には特に向いている職種で、結果が出るまでに時間がかかるものにも関わらず、中だるみせずに取り組める性格は、信頼を得やすいでしょう。

また、結果だけでなく過程も評価されることが多いため、真面目な人の努力が認められ、達成感を感じやすいといえます。

カスタマーサポート・人事

カスタマーサポートや人事職などは、いかに信頼関係を築くかがポイントになる職種です。誠実さが中長期的な関係構築に役立つ職種は、真面目な人に向いているといえるでしょう。

また、その場しのぎの対応ではなく、顧客や社員と接するたびに自身の倫理観に沿った対応を求められるため、真面目で正直な人柄が信頼につながりやすいです。

ルールが明確に決まっている環境

真面目な人にとっては、手順やルールが明確になっている環境が働きやすいです。仕事内容が細かくマニュアル化されていて、比較的仕事を覚えやすい職場は、正確性を発揮する真面目な人との相性がいいでしょう。

コツコツと成果を積み上げていくことで評価される環境

真面目な人は、短期的な成果よりも長期的な積み上げによる成果創出を得意とする傾向があります。変化が激しく、短期間で結果を求める環境よりは、正確性と継続性が重視され、地道な作業が成果に結びつく職場の方がストレスも少ないでしょう。

真面目なことを面接などで自己PRするには?

真面目に仕事に取り組むことは普通のことでもあるので、「真面目さ」は転職時の面接などでアピールしづらい個性だと思っている人は多いかもしれません。

しかし、話し方によっては効果的なアピールになることもあります。真面目さを自己PRに使う際のポイントを例文付きで見ていきましょう。

具体的かつ第三者から評価された経験を伝える

過去の経歴について伝える際は、努力のプロセスは数字なども交えて「具体的に」話し、「周囲に真面目さを評価された経験」もあると効果的です。

例文:エンジニアの場合
「最後の工程まで丁寧に対応し、根気よく課題と向き合うことを意識しています。前職では、コツコツと製品のテストを重ねた結果、バグの出現率が30%低下しました。正確性を評価され、チームリーダーに抜擢された実績もあります。今後も着実な取り組みを通じて、目標達成に貢献したいと考えております」

会社の業務内容と「真面目さ」がいかにマッチするかを語る

真面目さは、ほぼすべての職種に求められる要素ですが、面接では、その真面目さが会社にどのような利益をもたらすのか、具体例を交えて伝えると好評価につながりやすいです。「真面目さ」が、プラスの要素として受け取ってもらえるような表現が理想的です。

例文:法務の場合
「前職では、書類作成や法的リスクの調査などを担当し、正確性を磨いてきました。取引先との契約の際には、曖昧だった条項を明確にするよう提案させていただき、交渉が円滑に進むようサポートしました。これまで培ってきた情報収集力と業務推進力を活かし、御社の経営目標を法務面から支えたいと考えております」

「真面目さ」は行動と結果も合わせて示すことがポイント

真面目に仕事に取り組む姿勢は、周囲からの評価につながりやすいです。真面目さをビジネスシーンで発揮する際は、行動や結果をきちんと客観的に示しつつ、自分のタスクを可視化してきちんと管理することを意識しましょう。

最近の傾向として、効率性や柔軟性が評価されることが多いため、真面目さにプラスして効率的にふるまうための行動や柔軟性が求められる場合の対応についても心がけてみてください。

監修:村井社会保険労務士事務所 代表 村井真子
社会保険労務士/キャリアコンサルタント/経営学修士(MBA)。総合士業事務所で経験を積み、愛知県豊橋市にて2014年に独立開業。LGBTQ+アライ。行政協力業務を経験し、あいち産業振興機構外部専門家を務めた。地方中小企業における企業理念を人事育成に落とし込んだ人事評価制度の構築・組織設計が強み。著作に『職場問題グレーゾーンのトリセツ』『職場問題ハラスメントのトリセツ』、漫画『御社のモメゴト』の原作など。

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