自分勝手な人の特徴とは?職場での対処法と上手に付き合うためのポイントを解説

自分勝手な人に出会うと、どのように関係を構築すべきか悩んでしまうこともあるでしょう。この記事では、「自分勝手」の意味や自分勝手な人の特徴、対処法を解説します。

自分勝手な人に振り回されているイメージ

仕事を円滑に進めるためには、関係者とのコミュニケーションが欠かせません。しかし、話をしたくても遮られてしまったり、話を聞いてもらえなかったりすると、「この人は、少し自分勝手なのでは?」と不安に感じることもあるかもしれません。

本記事では、コミュニケーション講座の講師をしている公認心理士の川島達史さんにお話を伺い、「自分勝手」の意味や自分勝手な人の特徴と原因、対処法について解説します。人間関係でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

「自分勝手」とは?

自分勝手にならずチームで協力できる人のイメージ

まずは、「自分勝手」の基本的な意味と、言い換え表現について見てきましょう。

「自分勝手」の意味

「自分勝手」とは、自分の都合や欲求を優先して、他人の意見や立場を考えないことを意味します。協調性を欠いた行動を取ったりする人に対して使われ、否定的な意味合いで使われることがほとんどです。

ビジネスシーンにおいては、チームや組織の和を乱し、協調を欠く行動を指して、「あの人は自分勝手な人だ」と表現したりします。

独断で行動したり、自分の評価や利益を優先する態度を取ったりするため、周囲からはマイナスな印象として捉えられることが多いでしょう。しかし、状況によっては主体性やリーダーシップの一面として評価される場合もあります。

「自分勝手」の言い換え表現

自分勝手と似た意味を持つ言葉はいくつかあります。それぞれの特徴や、対人関係への影響をわかりやすくまとめました。比較しながら理解を深めてみましょう。

表現

心理的特徴・傾向

動機・内面の要因

対人関係への影響

自分勝手

自分の欲求を優先しがち

短期的満足を重視
自己制御の弱さ

周囲の反感を買いやすく、信頼関係を損ねやすい

自己中心的

自己を基準に世界を捉える

他者視点の欠如
共感力の不足

孤立や摩擦を生みやすい

利己的

自分の利益・成功を最優先する

欲求充足
優越感の追求

搾取的な関係になりやすい

わがまま

感情のままに行動し、他者への配慮を欠く

甘え
承認欲求
依存心

一時的な摩擦を生むが、時に「素直さ」として受容されることも

自分勝手な人の特徴

自分勝手な人にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、自分勝手な人によく見られる特徴を6つ紹介します。

自分の意見を優先する

自分勝手な人は議論の場で他者の意見を聞く姿勢が欠けてしまう傾向があり、自分の主張を通すことを優先しようとします。

一見、信念が強いという印象を与えますが、他者を理解することに興味を持てないといった心理的背景が影響している場合もあります。

都合の悪いことは耳を傾けない

自分にとって不利な情報や、自分に対する厳しい意見・指摘に対して耳を傾けない傾向があります。

逆に、自分に都合の良い部分だけを受け入れてしまうので、自己正当化を優先して行動することがあります。

他者の協力を自分の成果に変えてしまう

たとえば、同僚からのサポートによってプロジェクトが成功したとしても、自分の成果として語ってしまうことがあります。

他者から助けや協力を受けたときに、意図的ではなくても、感謝することよりも自己演出を選んでしまうのです。

「柔軟さ」を自分の都合の良い意味に解釈する

ビジネスシーンでは柔軟さが求められることが多いですが、自分勝手な人は、「柔軟な対応が大切」と口にしながら、実際は状況を自分に有利に変えてしまうことがあります。

臨機応変に対応するのではなく、自分の利益や感情を優先して行動を変更してしまう傾向があります。

感謝や配慮の気持ちが欠けていることも

個人の性格にもよりますが、他者からサポートを受けることを当然のように感じている傾向があります。

チーム全体の努力があって成功したプロジェクトなどでも、チームに対する感謝の気持ちや配慮が欠けていたりすることがあるのです。

周囲と距離を取りやすい

「誰にも縛られたくない」といいながら、実際は他者との協力が苦手で距離を取っていることがあります。

一人で行動すること自体は決して悪いわけではありませんが、自由を好んでいるというよりは、他者との関わりを避けているからこその行動という場合があります。

自分勝手な人の心理的背景

自分勝手な行動に陥ってしまう人のイメージ

そもそも、なぜ自分勝手な行動や思考に陥ってしまうのでしょうか。ここでは、自分勝手な人の心理的背景について解説します。

精神的余裕の欠如

ストレスや疲労がたまり、心理的負担が大きくなると、他者への共感力や協調性といった社会的スキルが機能しにくくなります。

他者を思いやる気持ちよりも、自分を守ることが優先されるため、無意識に自己中心的な行動が増えてしまうのです。

「認められたい」という焦り

自分に自信が持てず、自己肯定感が低いと、他者から認められたい気持ちが強くなる傾向があります。その結果、自己主張が過剰になり、自己中心的な言動を繰り返すことがあります。

自己肯定感が低いと、周囲からの目が気になるため、他者からの承認が得られない不安を埋めようとして、自分勝手な言動につながるのです

共感力の低さ

仕事が忙しかったり、プライベートでも用事が多くてなかなか休めなかったりすると、忙しさや情報過多によって、他者の感情に丁寧に向き合う余裕が失われることがあります。

精神的な余裕がない状態のときは共感力が鈍る傾向があり、これは、「感情的鈍化」と呼ばれ、自分の都合を優先する思考が強まりやすくなってしまうのです

<関連記事>共感力はビジネス成功の鍵!高い人の特徴や高める方法を分かりやすく解説

パーソナリティの問題

パーソナリティ(性格や気質)に偏りがあると、他者からは自分勝手な言動として受け取られやすいでしょう。たとえば、自己愛が極端に強い人は、自分を特別な存在だと感じ、周囲からの称賛の声や注目を強く求めようとする傾向があります。

他にも、過度な依存心や、極端すぎるほどの不信感など、パーソナリティに偏りがある人は、他者からの批判に敏感な傾向があり、その結果として他者の意見に耳を傾けずに自分本位な行動を取ってしまうことがあります。

自己防衛の傾向

極度な不安など、心理的な脅威を感じると、人は無意識に防衛機制を働かせます。責任転嫁や否認は、自分自身を守るための反応の一つですが、周囲からは「責任を取らないで逃げている」と受け止められやすいため、自分勝手な行動だと認識されるのです。

防衛機制を働かせすぎると、問題の本質に向き合うことができず、柔軟な対応が難しくなることがあります。

【相手別】自分勝手な人への対処法

同僚に気づきを促すイメージ

職場に自分勝手な人がいる場合、どのように向き合えばいいのでしょうか。ここでは、相手別に対処法を解説します。

同僚の場合

自分勝手な同僚に対しては、無理に距離を縮めようとせず、必要以上に踏み込まないように接してみるといいでしょう。ただし、もしその同僚が気心の知れた相手であるのなら、やんわりと指摘してあげるのも優しさです。

「こうすればもっと仕事がスムーズになるかもしれないよ」「この方法だと○○さんの負担が大きくなってしまうよ」と伝えるなど、相手に気づきを促してみましょう。

上司の場合

自分勝手な人が上司の場合は、発言自体をためらってしまうケースが多く、頭を悩ませる方も多いかもしれません。

立場が上の相手に対しては、感情的になるのではなく、冷静に対応することが重要です。指示や判断内容はメールなどで記録を残し、誤解や責任転嫁を防ぎましょう。会話の際は、「理解しました」「確認いたします」といった柔らかい言葉で受け止めることで、関係を悪化させずに自分を守ることができます。

やりとりの内容は口頭ではなくメールやチャットなどを使用し、後から第三者が確認できるようにしておくと、もしも関係がこじれたときに人事部などに相談できるので安心です。

顧客の場合

顧客の無理な要求には、すぐに対応しようとせず、いったん周囲に相談するなど、冷静に受け止めることが大切です。特に、新人のうちは、問題を1人で抱え込みすぎると大きな問題に発展する可能性があります。

一方的な要求などがあった場合は、「社内で確認いたします」と伝え、報告・連絡・相談をこまめに行いながら、チーム全体で対応策を練りましょう。対面の場合には複数人で立ち会うようにすると、客観視しやすくなります

後輩の場合

後輩が自分勝手な行動を取ってしまった場合、叱るのではなく、その行動がチームに与える影響を事実ベースで伝えると効果的です。

たとえば、後輩の行動によってプロジェクトの進行に影響が出た場合は、「この対応で進行が少し遅れたね」と具体的に話したうえで、次にどうすればよいかを一緒に考える姿勢を示しましょう。相手を責めるのではなく、育てる意識を持って対応すると、信頼と成長の両方を得ることができるのです。

どうしても対処が難しい場合はどうすればいい?自分勝手な人と上手に付き合っていくポイント

自分なりに工夫して相手と付き合っているつもりでも、自分勝手な人の行動がエスカレートして精神的な負担が大きくなるケースもあります。対処しきれないと感じている場合は、次の方法を実践してみてください。

ある程度割り切って付き合う

自分勝手な行動が改善されないと、周囲からの信頼が薄れてしまい、人間関係を悪化させてしまう可能性があります。それは、その行動をしている本人に責任があるともいえるでしょう。

自分勝手な人の行動に疲弊してしまう場合は、「自分は自分、相手は相手」と割り切ると、感情をコントロールしやすくなります。冷静さを保つことで、自分の立ち位置を守ることができるでしょう。

相手の心理を想像してみる

相手がなぜ自分勝手な態度を取るのかを考えてみると、気持ちを切り替えやすくなります。承認欲求が強いのか、不安を隠しているのかなど、相手の言動の背景を考察し、理解することで、過剰な反応をせずに済みます。

相手の立場や背景に意識を向けてみると、思い込みや誤解がほどけることもあるでしょう。心理的な客観視ができると、怒りよりも理解が生まれ、余裕を持って対応できるようになるはずです。

適切な距離を取る

必要以上に相手と関わらないようにすると、精神的な負担を軽減することができます。仕事の打ち合わせや雑談などでは、関わる時間に上限を決めてみましょう。たとえば、「社内での雑談は10分以内」「プライベートの連絡には応じない」など、ルールを自分の中で設定するのです。

アドラー心理学では、「課題の分離」という考え方があり、これは、「自分の領域」と「相手の領域」を明確に分けることを意味します。相手の行動や言動はその人の課題であり、自分が抱え込む必要はありません。

「自分は自分の責任を果たしている」と考え、相手から影響を受けすぎないように距離を取ってみましょう。

約束は記録に残すようにする

ビジネスシーンにおいては、中途半端な返事やあいまいな約束は、誤解を生みやすいです。特に「数字」「納期」「条件」などを伝えるときは明確にし、書面やメールで残しておくことが大切です。

相手からの一方的な要求を受けてしまわないように、メールなどで記録に残して具体化し、一度客観視しましょう。

「これは相手の都合ばかりが優先されている」と気付けば、相手の自分勝手な要求を防ぐことができます。

曖昧な対応はせず、無理なことは明確に断る

相手に遠慮して我慢を重ねると、その相手は「自分は受け入れられている」と考えるようになってしまいます。

できないことや納得できないことは、「それは難しいです」「今回は対応できません」とはっきり伝える勇気を持ちましょう。曖昧な対応をしないことが、最も効果的な予防策なのです。

相手を責めるのではなく、「私はこう感じた」と自分の気持ちを主語にして伝えることで、防衛的な反応を避けられます。すぐに結果を求めず、少しずつ歩み寄る姿勢が、長期的な信頼関係の再構築につながっていきます。

冷静な見極めと対応力で人間関係を円滑に

ビジネスシーンでの人間関係に悩む方も多いかと思います。「要求が一方的すぎる」「周囲よりも自分のことしか考えていない」など、自分勝手な人に悩む方もいるでしょう。そんな人に出会ったら、まずは相手の状況や性格を見極めたうえで対処していくことが大切です。

「この人はこういう人なんだ」と理解することができれば、いざというときでも冷静に対応でき、相手に振り回されることも少なくなるでしょう。

どんな相手に出会っても、“冷静で揺らがない自分”でいられるようになると、円滑な人間関係を築くことができるはずです。

監修:ダイレクトコミュニケーション 代表取締役 川島達史
目白大学大学院心理学研究科を修了し、現在ではコミュニケーション講座の講師として、心理学や人間関係に関するワークを行う。専門は成人のソーシャルスキルが孤独感・対人不安に与える影響。普段は「コミュニケーション講座」の主催や、YouTubeチャンネル「ダイコミュ大学」による情報発信を行なっている。

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