
- 自分の話ばかりする人の特徴
- 自分の話ばかりする人の心理とは?
- 自分の話ばかりする=自己開示ではない
- 自分の話ばかりする人にもポジティブな側面はある?
- 自分の話ばかりする人への接し方・対処法
- 自分なりの対応で円滑なコミュニケーションを
職場でいつも自分の話ばかりする人がいて、やりとりするのに疲れてしまう……。そんな、コミュニケーションが一方的になりやすい人にはどう接すればいいのでしょうか。
この記事では、臨床心理士として活躍されている関屋裕希さんにお話を伺い、自分の話ばかりする人の特徴や、その心理的背景、職場で実践できる対処法について解説します。
自分の話ばかりする人の特徴

まずは、自分の話ばかりする人に見られる主な特徴について見ていきましょう。
会話を自分の話に切り替える
自分の話ばかりする人は、相手の話を最後まで聞かずに、自分の経験や意見をはさむなど、話題を自分に引き寄せる傾向があります。
例えば、「先週出張へ行ったんだけれど……」と会話を始めようとしても、「出張といえば、このあいだ地方に出張へ行ったときに……」と、すぐに自分の話に切り替えてしまうことがあります。
一方的に話す構図になりやすい
会話は本来、キャッチボールのようにお互いが話すものです。しかし、自分の話ばかりする人は、リアクションや返事を待たないだけでなく、相手が自分の話に興味や関心がなくても一方的に話し続ける傾向があります。
自分が話すことで満足する
「自分の話を聞いてほしい」、「自分の話に対してリアクションがほしい」という気持ちが強く、話すこと自体が目的になってしまっていることもあります。そのため、自分が話すことで満足してしまうのです。
自分の話ばかりする人の心理とは?
自分の話ばかりする人は、なぜ一方的なコミュニケーションを取ってしまうのでしょうか。その要因として考えられる4つの心理について見ていきましょう。
沈黙が苦手
沈黙が苦手な場合は、その沈黙を埋めるために、自分の話を続けてしまう場合があります。
会話の中で沈黙が生まれることは、決して悪いことではありません。しかし、人によっては「沈黙が続くと気まずい」「沈黙してしまうと相手との関係が悪くなってしまう」という捉え方をして、沈黙をなくそうと自分の話ばかりしてしまうことがあります。
承認欲求の強さ
「自分の話を聞いてほしい」、「自分の存在を認めてほしい」という承認欲求が強い状態にあると、自分の話ばかりすることがあります。前述した、自分の話をすることで満足するタイプの人は、このケースに当てはまるでしょう。
仕事やプライベートでストレスがあるときや、他者からの評価が気になって自己評価が揺らいでいるときに、承認欲求が強くなる傾向があります。
自己中心性の強さ
「自己中心性」とは、自分の視点からのみ物事を認識している状態を意味します。多くの場合、7歳くらいには多様な視点があることに気づき、客観的に物事をとらえられるようになります。しかし、成人後も自己中心性が強いままの場合は、自分の言動を客観視できなかったり、相手の立場や感情に配慮することが難しくなったりするケースがあります。
会話の話題がすべて自分の話だったり、一方的に話を続けたりする人は、この自己中心性の強さが影響している可能性があります。
自己愛傾向の強さ
自己愛傾向の強い人は、他者より自分に注意をひきつけようとすることがあります。自己愛自体は自分自身を肯定するポジティブな側面があるため、必ずしも悪いものではありません。
しかし、この自己愛傾向が強すぎてしまうと、他者への共感力が足りなくなってしまったり、自己中心的な言動が目立ったりしてしまうことがあります。
自分の話ばかりする=自己開示ではない

自分の話ばかりすることは、「自己開示」の一環なのでしょうか。自己開示とは、自分の考えや感情、経験、価値観などの自分に関する情報、特に相手が知らない内面的なことを、自発的に相手に伝えることを指します。
自分の話ばかりすることと自己開示は似た側面があると思いがちですが、自己開示は、「相手に自分のことを理解してもらうこと」を目的としています。相手がどう理解したか、相手は自分の自己開示に対してどう感じたかなど、双方向で話が進み、相手にも注意が向いているのです。
自分の話ばかりする場合は、相手がどう考えているかには注意は向けられず、一方的なコミュニケーションになりがちです。コミュニケーションが双方向か一方的かという点は、自分の話ばかりすることと自己開示の大きな違いといえるでしょう。
自分の話ばかりする人にもポジティブな側面はある?
自分の話ばかりする人に対してはネガティブな印象が強く、苦手意識を持ってしまいがちです。苦手に思う気持ちを少しでも改善するために、自分の話ばかりする人のポジティブな面に注目してみてもいいかもしれません。例えば、次のようなシーンではその特性が役立つこともあります。
・初対面や雑談の場で、相手が緊張して話しにくそうにしているとき
・会話の話題に困っているとき
こういった場面では、自分の話ばかりする人が積極的に話題を提供することで、話が進むきっかけになり、アイスブレイクの役割を果たしてくれることがあります。
このように、自分の話ばかりすることが必ずしも全面的に悪いわけではなく、いい面・悪い面が両方あると考えてみると、その人への苦手意識が和らぐのではないでしょうか。
自分の話ばかりする人への接し方・対処法

職場など、自分の周りに自分の話ばかりする人がいる場合は、どのように接すればいいのでしょうか。ここでは具体的な対処法を紹介します。
STEP1:相手の心理的背景を考える
まずは、なぜ相手が自分の話ばかりするのか、心理的な背景を考えてみましょう。沈黙が苦手なのか、承認欲求が強いのか、自己中心性が強いのかなど、話を聞きながら相手をじっくりと観察し、行動の裏に何があるのか、読み解いていきます。
相手の話を冷静に聞くことができれば、「この人は自分の話をするのが好きなんだ」「ただ沈黙が苦手なだけかも」といった原因が見えてくるはずです。
STEP2:心理的背景別に対処する
相手の心理的背景が見えてきたら、原因に応じた対処を心がけましょう。
例えば、沈黙が苦手な人の場合は、こちらから話題をふるように意識すると、安心感が生まれて会話がスムーズになる可能性があります。
自己中心性が強い人の場合には、「そのときどうしたんですか?」と相手の話を深掘りする質問をすると、自分に関心を持っていることに満足して次の話題へ移りやすくなるかもしれません。
例えば、相手が自分の担当したプレゼンについて話をし始めたら、「そのときどうしたんですか?」「〇〇に関する質問が出たと聞きましたが、それにはどう対応したんですか?」などと尋ねて「話したい」という欲求に寄り添うと、結果的に話題が早く収束する可能性があります。
承認欲求や自己愛が強いと感じる人の場合は、まずは出来る範囲で相手の認めてもらいたい気持ちに応えると良いでしょう。
「先日のプレゼン、とても参考になりました。どうすればあんなに上手に出来るんですか?」と良かった点を伝えた上で「そういえば、私も最近こんなことがあって……」と切り出せば、自然に自分の話へつなげられる可能性があります。
このように、相手の欲求を満たしながら会話を区切ることで、次の話題へスムーズにつなげることができるでしょう。
それでも対処ができなかった場合はどうする?
対処したとしても、それですべてが改善するわけではありません。話がなかなか途切れず長引くときや、相手があまりこちらの反応に関心がない場合などは、深く相槌を打たず、「そうなんですね」と軽くリアクションをして受け流すのも一つの方法です。
相手の話をずっと聞いていたら疲れてしまうこともあるかもしれません。そんなときは、無理に相手のペースに合わせずに適度な距離感を意識するといいでしょう。自分の心の余裕を持てるようにすることも大切です。
自分なりの対応で円滑なコミュニケーションを
自分の話ばかりする人は、沈黙が苦手だったり、承認欲求や自己中心性の強さが原因であったりすることがあります。
一方的な会話に疲れてしまう場合もあるかもしれませんが、相槌の工夫や、話題を切り替えるなどと、自分なりに工夫することで、会話のストレスを軽減できる可能性もあります。適度な距離感を保ちつつ、相手との関係性を前向きに築いていきましょう。
監修:心理学博士、臨床心理士、公認心理師 関屋裕希
東京大学院医学系研究科デジタルメンタルヘルス講座所属。
早稲田大学文学部心理学専攻卒業、筑波大学大学院人間総合科学研究科発達臨床心理学分野博士課程修了。専門は、産業精神保健(職場のメンタルヘルス)であり、業種や企業規模を問わず、ストレスチェック制度や復職支援制度などのメンタルヘルス対策・制度の設計、職場環境改善・組織活性化ワークショップ、経営層・管理職・従業員それぞれに向けたメンタルヘルスに関する講演や執筆活動を行う。著書に『感情の問題地図』(技術評論社)、『モチベーションの問題地図』(技術評論社)など。
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