第一印象が悪くても大丈夫! 好印象の秘訣は「第二印象・第三印象」にあった!?

初対面の場で「相手に良い印象を与えられるか不安」という人も多いのではないでしょうか。 しかし、たとえ初対面の場で良い第一印象を与えられなくても、その後相手に与える「第二印象」「第三印象」次第で、自分への印象は変えられるのだそうです。 第一印象、第二印象、第三印象の特徴や、ビジネスパーソンとして知っておきたい好印象を与えるためのポイントについて、営業コンサルタントの横山信弘さんに伺います。

第一印象が悪くても大丈夫! 好印象の秘訣は「第二印象・第三印象」にあった!?

第一印象、第二印象、第三印象とは


まず、それぞれの印象における特徴や判断基準とは、どのようなものなのでしょうか。

◎第一印象:視覚情報と聴覚情報で判断される


「第一印象を左右するのは、主に視覚情報と聴覚情報の2つです。

実際にアメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンは、「第一印象において人を印象づけるのは、身だしなみや姿勢などの見た目が55%、声の大きさや明るさなどの聴覚情報が38%、そして話の内容が7%である」という「メラビアンの法則」を提唱しており、説に沿うならば視覚情報と聴覚情報が第一印象の93%を占めることになります」(横山さん:以下同じ)

つまり、第一印象では人は相手の話の内容よりも感覚的な情報の方を優先して記憶するのだそうです。

◎第二印象:会話の内容や受け答えなどで判断される


「第一印象は、身だしなみやあいさつなど、相手に与える一方的な情報で決まるものですが、第二印象は、会話の内容や受け答えの際のしぐさといった相互のコミュニケーションを通して判断されます。

また、第二印象が決まる際には、初対面で受けた第一印象とのギャップが大きく作用する点も特徴といえます。

例えば、一見爽やかで前向きそうに見える好青年が、『将来の夢なんてないけれど、お金は欲しい』『上司から注意をされるとやる気をなくす』と話していたら、見た目と話の内容に大きなギャップがあるので、悪い意味で印象に残ってしまいますよね。このように第一印象のインパクトが強いと、第二印象と比較した際に良くも悪くもギャップが生まれるのです」

第二印象で好印象を与えるのは、相互のコミュニケーションが大きく関わってくるという点において、第一印象ほど簡単ではないようです。

◎第三印象:長い付き合いにおける行動と結果で判断される


「第三印象は、長い付き合いにおける行動と結果によって判断されるもので、第一印象、第二印象が“点の情報”だとしたら、第三印象は“線の情報”だといえます。

特徴としては、長い付き合いによって確立される第三印象は、他者から貼られる揺るぎない『レッテル』になってしまうという点があります。

例えば、半年や1年の長い付き合いの中で、『当初は覇気があって第一印象はとても良かったけれど、やるべきことを全然やらないな』といったことが分かってくるとします。そうすると、『あの人は約束を守れない』といったレッテルを貼られてしまうのです」

また、横山さんは、第三印象におけるもう一つ大きな特徴について、「第三者からの情報で、それまで抱いていた第一印象、第二印象が大きく覆ることがある」と言います。

「例えば、新入社員として入社した会社の2年先輩にAさんという人がいたとします。Aさんは身なりに気を使わない上にあいさつの声も小さいので、『先輩なのに、あの人は何なんだろう』という印象を抱きます(第一印象)。

しかも、声をかけてもあまり会話が弾まないので、ますますとっつきにくい印象を抱きます(第二印象)。

ところが、皆に慕われている上司が『仕事のことはAさんに聞きなさい。あの人はあれで本当にしっかりしているからね』と言うと、第三印象として『あ、そうなんだ』と素直に思えるのです」

第三者の話すうわさのほうが、自分が直接で感じ取ることよりも大きな影響を及ぼすという心理効果を「ウィンザー効果」と言い、その効果は、うわさを話す人の周囲からの信頼度が高いほど高まるのだそうです。

相手に好印象を与えるためのポイント


ここまで見てきた第一印象、第二印象、第三印象の特徴を踏まえて、相手に好印象を与えるためにはどのようなことを心がけたらいいのでしょうか。

まずは前提として、「印象=習慣の集積」であると捉えることが大切だと横山さんは言います。

「まず、どの印象においても共通して言えるのは、『印象=習慣の集積』ということです。普段から身だしなみに気を使わない人が、本番だけきちんとしようとしても、着こなしが様(さま)になっていないのがにじみ出てしまうように、その場だけの取り繕いは相手に伝わってしまうのです」

それでは、「印象=習慣の集積」という認識を踏まえたうえで、好印象を得るためには、日頃からどんなことを意識すべきなのでしょうか。

◎第一印象:笑顔でいること


「人の見た目において最も印象に残るのは、何といっても顔です。例えば、テレビCMに顔の売れている人が起用されるのは、宣伝時間が15秒?30秒しかなくても、パッと見た瞬間に誰であるかが分かり、視聴者の印象に残るからです。

短時間で判断される第一印象においては顔も大事な要素となるので、身だしなみや発声を普段から心がけるのはもちろんのこと、普段から笑顔でいることを心がけるようにしましょう。

どんなに顔立ちが整っていても、ネガティブ思考の人は表情に出てしまいますし、逆に顔立ちが整っていなくても、普段から前向きで明るい表情をしている方は、自然な笑顔でとても良い印象を与えることができます」

◎第二印象:相手の話をメモに取ること


「第二印象においてはやはりコミュニケーションが要なので、日頃から会話のキャッチボールがスムーズにできるようになっておきましょう。

そのためのテクニックとしておすすめなのは、直属の先輩や上司からレクチャーを受けたり、取引先と打ち合わせをするような場面で、必ず相手の話をメモに取ることです。

コミュニケーションにおいて印象が悪くなるのは、話し下手であることより、話がかみ合わないことです。話がかみ合わない人というのは、こちらが言っていることに対して違うフィルターをかけたり、自分の先入観を交えたりして返してくるため、話し手は『今の話、ちゃんと聞いていた?』と言いたくなるんです。

ですので、それを防ぐ方法として、相手が言っていることをきちんとメモに取る。そうすると、見た目の印象が良くなるだけでなく、自分の中でも『今はこのことについて答えればいいんだな』と一拍おいて答えることができ、相手に誠実さが伝わります」

◎第三印象:実行と「報・連・相」を当たり前にすること


「第三印象で良い印象を与えるには、日頃の行動力と結果が重要な要素になります。会社から言われたことをきちんと実行できることや、約束を守れること、スピード感をもって仕事に取り組めることは、長期的な評価において、第一印象や第二印象よりも圧倒的な影響力を持ちます。

ですので、まずはスピード感をもってやるべきことに取り組む。そして取り組んだ結果について『こうした結果になりました』『ここが分からないので教えていただけませんか』と周囲に報告・連絡・相談する、というのを当たり前にできるようにしましょう。

『行動力がない』というレッテルを貼られる人の特徴として、『報・連・相がない』ということが挙げられます。そもそも行動力のある人は、その分カベにもぶつかるので、報・連・相をせざるを得なくなります。つまり、行動に移せば自然と報・連・相はできるものなのです」

好印象はいつでも取り戻せる!


最後に、「人との付き合いに不器用な人は、器用になりたいと願うかもしれませんが、不器用でいいんです」と横山さん。

不器用な人ほど地道な頑張りが評価されたときにギャップが働いて、第三印象が良くなることが多いので、失敗はあまり気にせず、いつでもやり直しはきくと考えるのがいいのだそうです。

人と人とのやりとりで成り立つビジネスの場で、良好な関係を築いていくためにも、ぜひ「印象=習慣の集積」を念頭に、日々の習慣を見直してみてはいかがでしょうか。


※この記事は2016/04/11にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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