「ご放念ください」の意味とは?正しい使い方やタイミング、例文を紹介

「ご放念ください」を見て意味が理解できなかったことはありませんか?「ご放念ください」は主にビジネスメールで使用する言葉です。本記事で、「ご放念ください」の意味や使い方を確認していきましょう。

「ご放念ください」は、誤ってメールを送信したときや、相手にお願いするときなどに使う言葉です。「ご放念いただけますと幸いに存じます」「既に対応済みでしたらご放念ください」などの表現で使います。

「ご放念ください」は、社内では基本的に使わない点、「失念」と混同しない点などに気をつけなければなりません。本記事で、「ご放念ください」の意味や使い方を解説します。

「ご放念ください」の意味とは

そもそも「放念」とは、「気にかけないこと」や「心配しないこと」です。そのため、「放念」に尊敬語の「ご」をつけた「ご放念ください」は、「気にしないでください」「心配しないでください」という意味になります。

「ご放念ください」を使うタイミング

「ご放念ください」は、主にビジネスメールで使います。具体的に使用するタイミングについて、確認していきましょう。

誤ってメールを送信してしまった場合

メールの宛先を間違えて送信すると、受け取った相手を困惑させてしまうでしょう。「ご放念くださいますようお願い申し上げます」などの表現を使うことで、「相手に送ったメールのことは気にしないでください」という意図を明確に伝えられます。

ただし、個人情報・機密情報の流出は大きな問題です。A社の機密情報をB社に送ってしまうなど、情報漏洩につながる可能性がある場合は、安易にメール1通で対応せず事前に上司に相談しましょう。

相手から謝罪を受けた場合

取引先などから謝罪を受けた場合も、「心配しないでください」の意味を持つ「ご放念ください」で返答できます。すでに問題点・課題が解決している場合に、「本件は既に解決しているので、どうぞご放念ください」と伝えることで、相手を安心させられます。

相手に断りを入れる場合

相手に断りを入れる際も、「ご放念ください」を使うことがあります。具体例は、お中元やお歳暮・年末年始の挨拶などを断る場合です。

例えば、いつもお歳暮のやり取りをしている取引先に「来年から結構です」と伝えると、失礼な印象を与えかねません。その点、「来年以降のお歳暮は、ご放念くださいますようお願い申し上げます」と伝えれば、丁寧な印象を与えられます。

相手にお願いする場合

取引先へ何かお願いする際に、「ご放念ください」を使うことがあります。「今週〇〇様の都合のよろしいときに、直接ご説明させていただけますでしょうか」の文章に、「難しい場合は、ご放念ください」と付け加えて断りやすい状況を作れば、相手へ配慮が伝わるでしょう。

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「ご放念ください」の使い方・例文

「ご放念ください」に関連した定型文としてよく使うのが、「既に対応済みでしたらご放念ください」や「ご放念いただけますと幸いです」です。それぞれの使い方を例文とあわせて解説します。

依頼時に「既に対応済みでしたらご放念ください」

取引先に何かを依頼する際、既に相手が対応している場合や、行き違いの場合があることも考慮しなければなりません。ビジネスメール本文に「既に対応済みでしたらご放念ください」を添えれば、既に相手が対応済みでも不快な思いをさせずに済むでしょう。

以下は、販売先からの入金が期日になっても確認できない場合の例文です。

昨日がお支払い期限でしたが、本日16時現在入金の確認ができておりません。お忙しいところ恐れいりますが、状況をご確認の上、〇〇までご連絡いただきますようお願い申し上げます。

なお、既に対応済みでしたらご放念ください。

<関連記事>催促メールのコツは?ビジネスで使える書き方やタイミングを解説!

誤ってメールを送信したら「ご放念いただけますと幸いです」

作成途中のメールを誤って相手に送ってしまった場合、「ご放念いただけますと幸いです」を使用します。以下の例文のように「存じます」をつけると、より丁寧に伝えられるでしょう。

株式会社〇〇
□□様

いつもお世話になっております。△△会社の●●と申します。
先ほど、作成途中のメールを誤って□□様に送ってしまいました。
大変申し訳ございません。
ただいまお送りしたメールの内容については、ご放念いただけますと幸いに存じます。
あらためて、メールをお送りいたします。
何卒よろしくお願い申し上げます。

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「ご放念ください」を使う際の注意点

「ご放念ください」を使うにあたって、いくつか注意しなければならないことがあります。ここでは、注意点を3つ解説します。

主に取引先など社外の相手に対して使用する

「ご放念ください」は、主に取引先など社外の相手に対して使用しましょう。社内の相手に使用してはいけないわけではないですが、言い換え表現として「お気になさらないでください」などの表現を使うことができます。

自分が何かを忘れたら「失念」を使う

自分が予定やメールの返信などを忘れたときは、「失念」を使うようにしましょう。「放念」は相手が「気にかけないこと」や「心配しないこと」を意味するのに対し、「失念」は自分が「うっかり忘れること」です。

失念の詳しい意味については、以下の記事も参考にしてください。

<関連記事>「失念」の意味とは?ビジネスシーンでの使い方を例文付きで解説!

自分が謝罪する場面では使わない

「ご放念ください」は、謝罪して相手に自分のしたことを許してもらう場面には使いません。

謝罪メールを送る際は、シンプルに「大変失礼いたしました」「申し訳ございません」「お詫び申し上げます」などを使いましょう。また、相手の要求・希望を断ることを詫びる場面や、相手に理解・同意を求める場面では、「ご容赦ください」を使うこともあります。

<関連記事>ご容赦くださいの意味や使い方をマスター!了承との違いも理解しよう

「ご放念ください」の類語

「ご放念ください」には、いくつか類語や言い換え表現があります。それぞれ確認していきましょう。

(お)気になさらないでください

「気になさらないでください」は、相手の謝罪に対して気にする必要がないことを伝える言葉です。「ご放念ください」が相手に伝わりにくそうな場合、「気になさらないでください」で言い換えるとよいでしょう。

「気になさらないでください」の例文

(日付を間違えていたことを相手から謝罪されて)
こちらの説明不足でもありますので、どうかお気になさらないでください。

お見捨て置きください

「捨て置く」とは、「そのままにしておく」「かまわないで放っておく」という意味の言葉です。自分が送ったメールに対して相手が返信する必要がないことを伝える際に、「お見捨て置きください」を使うことがあります。

「お見捨て置きください」の例文

(メール本文でスケジュールなどを説明して)
なお、本メールはお知らせになりますため、どうぞお見捨て置きくださいませ。

ご放心ください

「放心」とは、「気にかけないこと」や「心配ごとを心から払いのけること」です。「ご放念ください」と同様に、相手に気にしないで欲しいと伝える際に「ご放心ください」を使います。

「ご放心ください」の例文

先ほどの件は解決済みですので、ご放心くださいませ。

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相手に「ご放念ください」と伝えられたらどうする?

取引先からのメールに、「ご放念ください」と記載されていることもあるでしょう。

文脈から、相手が「ご放念ください」を返信不要の意味で使っていることがわかれば、特段返信する必要はありません。ただし、内容の中に自分への質問や確認が含まれている場合は回答のメールを送り、相手が得意先である場合は、「ご配慮いただきありがとうございます」などの返信をするようにしましょう。

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「ご放念ください」は主にビジネスメールで使う言葉

「ご放念ください」とは?

「ご放念ください」は、誤ってメールを送信してしまった場合や相手から謝罪を受けた場合などに、「気にしないでください」とビジネスメールで伝える際の言葉です。「ご放念ください」の注意点として、社内では基本的に使用しないことや「失念」と混同しないことなどが挙げられます。

今後、取引先に「気にしないでほしい」と伝える際は、「ご放念ください」の使用を検討しましょう。

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