世界最短のプレゼン“エレベーターピッチ”! 15秒でチャンスをつかむ極意とは!?

デキるビジネスパーソンと普通のビジネスパーソンの差を生む、プレゼン力。

世界最短のプレゼン“エレベーターピッチ”! 15秒でチャンスをつかむ極意とは!?

デキるビジネスパーソンと普通のビジネスパーソンの差を生む、プレゼン力。

営業先で自社の仕事内容を伝えるとき、進行中のプロジェクトにおけるアイデアを上司に伝えるとき、初対面の相手への自己紹介……あらゆるビジネスシーンで求められる力ですが、いまいち自信が持てないという人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、プレゼンの苦手なビジネスパーソンから注目を集める話術、「エレベーターピッチ」をご紹介! エレベーターピッチを習得する利点やそのコツについて、『15秒で口説く エレベーターピッチの達人―3%のビジネスエリートだけが知っている瞬殺トーク』の著書である美月あきこさんに伺います。

シリコンバレー発! チャンスをつかむための“エレベーターピッチ”


多くのエリートビジネスパーソンが実践しているというエレベーターピッチ。一体どんな話術なのでしょうか。

「エレベーターピッチとは、15秒~30秒で相手を引きつけ、千載一遇のチャンスをつかむための短い話術です」(美月さん)

「エレベーターピッチ」は直訳すると、「エレベーターで強力に売り込む」という意味。最も短いプレゼンであるエレベーターピッチは、アメリカではプレゼンの極意として重要視されているのだそうです。

「エレベーターピッチの発祥地であるシリコンバレーでは、エレベーターの中で投資家と出会った起業家は、目的の階までの数十秒間で自社のプロジェクトを売り込むといわれています。『エレベーターが着くまでの短い時間で、的確に要点を伝えられなければ、未来はない』とされるほど、成功には『短く効果的に話すこと』が必須条件なのです」(同)

エレベーターだけでなく、忙しい相手に対して提案をしなければならないとき、“短く効果的に話す”エレベーターピッチのノウハウは有効です。

エレベーターピッチを学ぶメリット


では、ビジネスパーソンがエレベーターピッチを身に付けることに、どんなメリットがあるのでしょうか。

貴重なビジネスチャンスをモノにできる


「エレベーターピッチといえば、世界的に有名な投資家、ウォーレン・バフェット氏の例があります。ダイヤモンド販売チェーンのオーナーであるハーツバーグJr氏は、ある日、ニューヨークのホテルの前でバフェット氏を見かけるなり、彼に近づいて、自社がいかに投資に値するかを説明しました。

すると説明を聞き終えたバフェット氏はにやりと笑って、『詳しい資料を送ってください』と一言。この間、たった30秒だったそうです。そして1年後には、ハーツバーグJr氏は、自社をバフェット氏に売却したのだそうです」(同)

まるで絵に描いたような成功例ですが、エレベーターピッチを身に付けておくと、数十秒の立ち話でさえも自分をアピールし、売り込むことができるようになるので、いざというときのチャンスをきちんとつかまえることができるのだそうです。

情報をコンパクトに整理できる


喋っているうちに何を話せばいいのか分からなくなり、話題があちこちに飛んでしまう……そんな「何となく話す」状態からの脱却にも、エレベーターピッチは効果的だそう。

「話し方=思考の道筋でもあるので、頭の中のとりとめのない内容をシンプルにし、コンパクトに話すことで、整理された情報を自信をもって伝えられるようになります」(同)

ビジネスシーンでは、自分の話に興味を持ってくれる人ばかりではありませんよね。しかし話す内容をシンプルに整理することで、そんな無関心な相手の興味も引きやすくなるのだそうです。

言葉選びの力が身に付く


「エレベーターピッチは、相手の心に刺さる言葉を吟味して伝える訓練になるため、『伝えたつもりが伝わっていない』『上司に書類確認を自分ごとと捉えてもらえず、後回しにされてしまう』といった、ミスコミュニケーションを防ぐことができます」(同)

相手に対する説明のなかに、「すぐに」「あの」「さっきの」といった曖昧な言葉が含まれていたり、くどくどと長い説明を重ねては、内容も伝わりづらく誤解も生まれがち。しかし、エレベーターピッチを意識することで、言葉選びの力が身に付くため、会話のなかの無駄な言葉を省くことができるようになるのだそうです。

実践! エレベーターピッチの3ステップ


それでは、実際にエレベーターピッチを習得するための3ステップをご紹介します。

ステップ1:伝えたいことを整理するためにメモを作る


「伝えたいことをはっきりさせるためにも、“GTCメモ”を作りましょう。GTCとは、『Goal=自分のゴール』『Target=ターゲット(相手)が欲しいもの』『Connect=GとTの2つをつなぐアプローチ』のこと。

これらのポイントを明確にすることで、自分自身の理解も深まり、短い時間を最大限に生かすことができます」(同)


(例)

G:エレベーターピッチの本を出したい

T:提案のターゲットである出版社は面白くて売れる本が欲しい

C:アメリカでは主流になっているプレゼンの方法なので話題性がある

C:プレゼンの本は最近もよく売れている

C:メルマガでエレベーターピッチを紹介したら好評だった

 

ステップ2:話す順序を決めるため、メモを3つのパートにあてはめる


「GTCメモができたら、今度はそれらを『フック(=ツカミ)』『ポイント』『クロージング』という順に、3つのパートにあてはめ、本文を作ります。

『フック』はターゲットが欲しいもの、『ポイント』はGとTをつなぐアプローチ、『クロージング』は自分のゴールをもとに考えましょう。つまりメモを作るときはG→T→Cの順番ですが、それをもとに話をするときは、T→C→Gという順番になるのです」(同)


(例)

フック:とても売れそうな面白い企画があります。それはエレベーターピッチです。

ポイント1:アメリカでは主流になっているプレゼン方法なので、これから日本でも必ず注目されると思います。

ポイント2:私のメルマガの読者は1万人いるのですが、先日エレベーターピッチを紹介したら、かなり好評でした。

ポイント3:プレゼンの本は最近もヒット作が出ています。新たな切り口のプレゼン本として、今なら手に取る読者も多いのではないでしょうか。

クロージング:御社でぜひ出版させていただけると光栄です。

 

ステップ3:話す際は、本文の前にまずは見出しの一言


「実際に話すときは、ステップ2でまとめた本文をいきなり話し出すのではなく、その前に、本文の要点を簡潔にまとめた一言を、見出しとして話します。

例えば、『新たなプレゼン本として売れそうな、エレベーターピッチという話術があります』と切り出すイメージです。こうすることで、まず大まかな話の全体像が分かり、続く本文を聞いてもらいやすくなります。話す前には、こうした見出し・本文の2段構えで、『全体から詳細へ』という流れを意識しましょう」(同)

人は聞いている話が10秒をすぎたあたりから記憶力が急激に落ちていき、同時にイライラしはじめます。長々と話をしても内容を覚えてもらえないため、見出しにエッセンスをぎゅっと凝縮させるのがコツなのだそうです。

少しの工夫で効果大!


いかがでしたか? 美月さんによれば、話し方を少し変えることだけで大きな反応が得られるとのこと。皆さんも、自分のキャリアを築く上での一つの武器として、エレベーターピッチを身に付けてみてはいかがでしょうか。

識者プロフィール


美月あきこ(みづき・あきこ)/ 大学卒業後、日系および外資系航空会社にて国際線客室乗務員として17年間勤務。その後、人財育成トレーナーとして、接遇サービス、対人コミュニケーションに関するコンサルティングや研修を企業や団体にて行う。客室乗務員時代に身に付けたファーストクラス仕様のサービスをもとにした、ユニークな研修手法が好評を博す。すぐに効果の上がる「売れる営業マン・販売員」研修は全国からオファーが絶えず、年間180回以上の研修と講演を行う。総合情報サイトAll Aboutで「ビジネスマナーガイド」としても活動。著書に、ベストセラーとなった『ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣』シリーズ、最新刊に『15秒で口説く エレベーターピッチの達人』など多数。

※この記事は2015/06/22にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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