人脈が驚くほど広がる!? 世界に一枚の“セカンド名刺”のすすめ

ビジネス上の礼儀として日々何気なく行っている名刺交換。しかし、名刺を交換したきり交流がなくなってしまうことがありますよね。

人脈が驚くほど広がる!? 世界に一枚の“セカンド名刺”のすすめ

ビジネス上の礼儀として日々何気なく行っている名刺交換。しかし、名刺を交換したきり交流がなくなってしまうことがありますよね。

そこで今回は、「名刺交換の機会を生かして人脈を広げたい」「相手に自分の印象を残したい」と願うビジネスパーソンから注目される「セカンド名刺」について、活用法や作成時のポイントを名刺アドバイザーの高木芳紀さんに伺います。

セカンド名刺とは?


そもそもセカンド名刺とは、いったい何なのでしょうか。

「セカンド名刺は、会社の仕事とは関係のないパーソナル情報を掲載した個人名刺のことを指します」(高木さん:以下同じ)

自己紹介のためなら名刺1枚で十分と思いがちですが、社員としてではなく、個人としての自分を知ってほしいときに気軽に渡せる名刺として、セカンド名刺を持つビジネスパーソンが増えているのです。

セカンド名刺の例


セカンド名刺を持つメリット


セカンド名刺を持つことで、ビジネスパーソンにはどんなメリットがあるのでしょうか。

◎取引先の担当者とのやりとりが円滑になる

「会社から支給される名刺には、通常、会社の連絡先、肩書き、業務内容など、無味乾燥な情報しか載っていません。

会社の看板だけを頼って仕事をしていくのならそれでよいのですが、結局仕事は人と人でするものです。『自分はどういう人間か?』ということを早い段階で相手に知っていただくことができれば、その後のやり取りを円滑に進められる可能性がアップします」

◎ライバルとの競争時に有利になる

「もちろん、自分の個性を伝えたところで、相手と相性が合わなければ特に効果はないかもしれません。しかし、逆に相性が良かったときの共感の度合いはとても大きくなります。

例えば、共通の趣味があったときや、故郷が同じであったとき。社会人は意外と狭い世界で生きているので、仕事で会った人と共通の話ができると、結構うれしいものなのです。そんな話ができる相手とは、ビジネス上でのコミュニケーションもとりやすいと感じてもらえることでしょう。

これが競合コンペのように、あなたの会社がライバル社と競合しビジネス的な提案内容が拮抗した場合など、最後の決め手として相性が合う担当者がいる会社が選ばれるといった可能性もあります。もちろん相性が合うだけで全てがうまくいくことはありませんが、セカンド名刺を渡してなかったら、クライアントと相性が合っていたとしても、あなたはライバルと同じ土俵で戦い続けなければならないのです」

セカンド名刺の活用法


それでは、具体的にセカンド名刺の活用法について学んでいきましょう。

まず、セカンド名刺はどんなタイミングで渡すと良いのでしょうか。

◎仕事先での最初のあいさつか、別れ際

「仕事先で、『この人なら渡してもよさそうだ』と直感した方に、最初か、もしくは別れ際に渡します。その際、『会社の名刺に書いていないことを印刷してみましたので、よろしければもらっていただけますか?』と一言添えるとよいでしょう」

◎会社の名刺を渡しづらいプライベートな場

「プライベートな場で会った相手に会社の名刺を渡すと、急にかしこまった雰囲気となり、相手を少し興醒めさせてしまうかもしれません。そんなときの自己紹介としてセカンド名刺は効果的です」

◎社外での活動時

「最近では二枚目の名刺ということで、会社での活動とは別の活動をアピールするセカンド名刺を作る方も増えています。例えば、NPO活動や、地元の学校関係や町内会などでの地域貢献活動といった肩書きを中心に作ります。社外での肩書きを紹介する名刺は、人間としての信頼性を理解してもらうのに有効だと思います」

セカンド名刺を作る際のポイント


それでは、いざセカンド名刺を作る際には、どういった情報を盛り込むと効果的なのでしょうか。

◎顔写真

「会社の名刺にはほとんどの場合、顔写真がありません。そしてまず数日間で顔は忘れられます。絶対に顔写真は入れましょう」

やはり、情報と顔が一致するだけで、相手に対する記憶は段違いなものになります。また、名刺を渡してからしばらく経って会ったときにありがちな、「顔と名前が一致しない……」というピンチを防ぐことができます。

◎SNSの情報・メールアドレス・携帯番号

「会社の名刺を渡しても連絡が取りにくいと思った場合は、SNSやプライベートのメールアドレス、携帯番号などの載ったセカンド名刺を渡すべきです。気軽に連絡が取れるものを選択してもらえるように、すべて書いておきましょう」

その人の素顔が分かるSNSのアカウントでつながることができれば、名刺に載せられる以上の情報を、さらに伝えることができそうですよね。

◎趣味や特技・自分のできること

「『釣り』のようなおおまかな情報ではなく、『多摩川河口近くでのボラ釣りにハマっています』くらい細かく表現する。ざっくりと書くのとでは反応が全然変わります」

具体的に書いておくことで、名刺を受け取った相手も共感しやすくなったり、気になった点について質問がしやすくなったりします。

このほか、共通の話題で盛り上がれるような、「地元の情報、居住の沿線情報などの位置情報系」「年齢や出身校など、所属する分野が分かりやすいもの」「好きな作家、映画、音楽、グルメ」は、思いつく限り書いていいのだそうです。

ただ、政治や野球の話、下ネタ系は反感を持たれる可能性も高いので避けましょう。

あなただけのセカンド名刺を!


自分についての多くの情報から、伝えたいものだけを抽出し、コンパクトにまとめるセカンド名刺。

作っておくだけでも自己紹介の腕が上がりそうですよね。皆さんもこれを機会に、人と人とのつながりを演出してくれる一枚を持ってみてはいかがでしょうか。

識者プロフィール
高木芳紀(たかぎ・よしのり) 名刺アドバイザー。渋谷の老舗文具店「株式会社つばめや」にて、営業ツールとしての名刺の研究を開始。メールマガジンで、名刺に関するTIPSや、アイデア名刺などを発表したり、名刺に捺したりするだけでいい味を出すオリジナルメッセージスタンプ「筆彦」の開発など、周辺ツールの開発や発掘にも力を注ぐ。最新サービスとしては「アイデア名刺をウェブ上で作成・印刷依頼できるサービス」も。効果的な名刺作成・活用術やセルフブランディング手法、小さな会社のソーシャルメディア活用などについてセミナーも開講。名刺活用法をブログでも紹介している。


※この記事は2015/09/11にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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