新書を1時間で読む速読法! フォトリーディングの5ステップ

仕事のスキルアップのためにも、自分の見識を広げるためにも、できるだけ多くの本を読みたいもの。けれど、忙しい仕事の合間に本を読むのは難しく、気付いたら読みかけの本がたまっている…なんてことはありませんか?

新書を1時間で読む速読法! フォトリーディングの5ステップ

仕事のスキルアップのためにも、自分の見識を広げるためにも、できるだけ多くの本を読みたいもの。けれど、忙しい仕事の合間に本を読むのは難しく、気付いたら読みかけの本がたまっている…なんてことはありませんか?

そんな悩みをスッキリ解消するのが、「フォトリーディング」という読書法。なんと200ページの新書なら1時間で読めてしまうのだそうです!

今回はそんな画期的な読書法であるフォトリーディングの5ステップを、公認フォトリーディングインストラクターである山口佐貴子さんに伺いました。

■フォトリーディングって?


フォトリーディングとは、1985年に加速学習(速度を上げて学ぶ方法)の世界的権威、ポール・R・シーリィ氏によって開発された、本を速く読む方法のこと。しかし、その本質は従来の速読法とは異なります。今の自分にとってもっとも必要な情報を、素早く、的確にピックアップして記憶に残すことができる方法なのです。

通常のビジネス書やノウハウ本を素早く読めるのはもちろんのこと、資格の勉強などにも応用できます。山口さんによれば、天職を発見したり、自分を高めることにもつながるそう!

「読んだ本の内容が実際に仕事で使える、短時間で試験に合格するなどリアルに結果を手中にできるからこそ、より自分に自信が持て、仕事への意欲が湧いたり、アイデアが湧きやすくなったりします。このような副産物があることが、多くの方を魅了する理由かもしれません」(山口さん:以下同じ)

「自分を変えたい!」と思っている方は、トライする価値が十分ありそうです。では、早速フォトリーディングのやり方を順を追って見ていきましょう。

■フォトリーディングの5ステップ

 

ステップ1「準備」


まずは準備として、「目的を明確にすること」と、「集中学習モードに入ること」の2つを行います。

・目的を明確にする
今から読もうとしている本を読む目的を明確にすることによって、キーワードへのアクセスが可能になるのだそうです。

例)「起業家哲学ノート」という本を読む場合の目的は、「ビジネスノウハウを会得する!」と設定する。

・集中学習モードに入る
そして集中学習モードに入るには、「ミカン集中法」がいいといわれています。頭上後方の上空15cm~20cmくらいにミカンが浮かんでいるイメージを持ち、そこに意識を集めることによって、集中している状態に短時間で持っていくことができるのだそうです。

ステップ2「予習」


全体像をつかみ、読む価値があるかを検討するステップです。これによって、読む意欲とモチベーションが高まります。

まず目次を確認して全体の構成をつかみ、そのあと、ステップ1で定めた目的を達成できる本かどうかを検討します。

例)「起業家として成功するための秘訣」という章の見出しからして、ビジネスノウハウを会得するという目的を達成できる本だと判断した。

ステップ3「フォトリーディング」


脳が情報を受け入れる能力が高まった「加速学習モード」に切り替え、「フォトリーディング」という方法でリズミカルにページをめくり、本を読み進めます。“読む”というよりも、“情報を脳に写し取る”というほうが正確かもしれません。

文字を1字ずつ追うのではなく、ページ全体を一度に眺める「フォトフォーカス」で、文字に直接焦点を合わせないようにしながら脳に情報を取り込み、2秒に1回ページをめくっていきます。

例)「起業家」という単語があれば、「起」「業」「家」もしくは「起業家」という文字や単語に焦点を合わせるのではなく、ページ全体を一枚の絵のように捉え、一度に視界に入れる。

コツは、文字として脳に取り込むのではなく、本のページを「画像」として取り込むこと。すべてのページをフォトフォーカスしたら完了です。文字は一字一句まったく読んでいないのにもかかわらず、潜在意識はそれを受け取ります。

ステップ4「復習」


フォトリーディングの後は、復習のステップです。 文書の構成を見抜いて、重要なキーワードを選び出し、筆者への質問をつくる工程です。

題名や目次、見出し、小見出し、奥付など本の全体像を把握したら、「トリガーワード」と呼ばれる、本の中で自分の目を引き付けるキーワードを、1冊につき20個ほどピックアップして書き出します。

そして集めたトリガーワードを参考に、本の筆者への質問をつくって書きとめておきます。

例)「人脈」「発想力」「決断力」などが目を引いたので、これらをトリガーワードとし、『人脈を広げるためのコツの一つに「口約束の後はすぐに連絡する」とあるが、どれくらいすぐがベストなのか?』という筆者への質問をノートに書いた。

ステップ5「活性化」


最後は活性化です。潜在意識に入っているフォトリーディングした情報は、いってみれば「仮眠状態」のようなもの。それを活性化するために質問を投げ、意識に引っぱりあげて文章を読んでいく作業を行います。その際、文章のタイプによって、3種類の読み方を組み合わせて使うとより速く読むことができます。

・「スーパーリーディング&ディッピング」
…本全体に目を走らせながらも、気になった箇所だけ内容を理解するように読みながら進める方法
・「スキタリング」
…小見出しなどを読みながらも、文章中の言葉は拾い読みして理解していく方法
・「高速リーディング」
…本の全てを、内容の重要度によって速度を調整しながら高速で読む方法

また、読みながらマインドマップという方法でまとめを行います。

・「マインドマップ」
…紙の中央にテーマや、テーマに関するイラストを描き、放射線状に枝を伸ばし、枝の上に重要なキーワードを書いていく。さらに各キーワードから枝を伸ばしてキーワードを追加していき、得た情報を俯瞰的に整理する方法。

例)「ビジネスで成功するための方法」というテーマで、自分が大勢の人の前で講演している絵を紙の中央に描き、枝を伸ばして、枝の上に「人脈」「発想力」「決断力」「情熱」などと書いた。「決断力」からさらに枝を伸ばして「リーダーシップ」と書いた。

以上が、フォトリーディングの5ステップの簡単な内容です。 山口さんいわく、「一見難しそうに見えますが、一度覚えてしまえば簡単にできてしまいますよ!」とのこと。ぜひトライしてみましょう。 得られるものが非常に豊富なフォトリーディング。 もっと究めたい方は、参考書籍や講座などを利用して、ぜひ修得してみてください!


識者プロフィール
山口佐貴子(やまぐち・さきこ)/株式会社尽力舎 代表取締役。ラーニングストラテジーズ社公認フォトリーディングインストラクター。FM東京傘下50局ネット「ベストセラーズチャンネル」のラジオパーソナリティーも務める。世界で100万人が実践するフォトリーディングを日本で開催し、受講生数は4,600名を超える。講座では1冊1時間で読めるようになる指導法を実践し、受講生の難関資格取得、プレゼン能力開発、転職等に貢献する。フォトリーディングを習得しベストセラー作家、企業家、政治家、大学講師など大幅なキャリアチェンジを果たす人も多数。その成果から『超一流の人がやっているフォトリーディング速読勉強法』(かんき出版)等を出版する。

※この記事は2014/11/12にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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