電話やメールでの「謝罪」は失礼? 遠隔だからこそ気を付けたい、謝罪のポイント【起死回生の謝罪術 #1】

仕事でミスをしたとき、必ず行う“謝罪”。得意な人はまずいないでしょう。特に今は多くの企業がリモートワークを取り入れているため、謝罪をする必要があったとしても「遠隔」で対応しなければなりません。けれど、対面よりも相手の温度感が掴みづらく、案外難しいもの……。ここでは、ビジネスマナ―講師の桜美月先生に「電話やメールを用いた謝罪術」について教えていただきました。

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電話やメールの謝罪がOKかどうかは、ミスの度合いや内容、関係性で考える

謝罪の方法は、トラブルやミスの度合い、内容、取引先との関係性によって変えましょう。そもそも事業継続に支障がない「軽度なミス」の場合、わざわざ対面で謝罪するのは、逆に迷惑です。そのような場合はまず電話で謝罪し、その後メールで謝罪文を送ってください。この考え方は、リモートワーク時の謝罪方法にも適用できます。

人によっては「メールだけでいいのでは?」と感じる人もいるかもしれません。基本的にメールのみの謝罪は相手に不信感を与えます。会社の信頼が損なわれる原因にもなるため、電話とメールの両方で謝罪しましょう。

もし謝罪の方法に迷ってしまう場合は、必ず上司に指示をあおいでください。決して自分一人で決めないことが大切です。

謝罪の順番は電話とメール、どっちが先?

基本的に、電話で謝罪をしてからメールを送ります。しかし、すぐに電話ができない場合や、電話をかけても取引先の都合でつながらない場合もあるでしょう。そのような場合は、先にメールで謝罪文を送っても構いません。

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ただし、必ず「後ほど改めてお電話をさせていただきます」といった言葉を添えてください。この言葉を添えるだけでも、相手に誠意が伝わります。

電話で謝罪する際に心得ておくこと

電話で謝罪する際は、以下の2つを心得ておきましょう。

・なるべく早く電話する
・内容を整理して10分以内に終える

誰でも、謝罪の場となると気が重くなり、憂鬱な気持ちになってしまうもの。しかし、時間を置くと余計に謝りづらくなり、信頼を失うリスクまで高めてしまいます。そうならないためにも、なるべく早く電話をかけましょう。ただ、原因や今後の対応策も伝えられない状態で電話をかけるのは、火に油を注ぐだけです。聞く相手に不快感を与えないよう、話す内容をまとめて10分以内に終えるようにしましょう。

メールで謝罪する際に心得ておくこと

メールで謝罪する際は、以下の3つを心得て文章を作ります。

・テンプレートの文章をそのまま使用しない
・要点をまとめた短い文にする
・件名に、何に対してのお詫びなのかを記載する

テンプレートの文章はあくまで参考程度の使用にとどめてください。そのまま使用すると、反省の気持ちや誠意が伝わりにくくなります。相手に少しでも誠意を見せるためにも、必ず自分なりの言葉を添えましょう。

また、自分の気持ちを書きすぎて長い文章なるのも気を付けたいところ。重要な部分が曖昧になり、読み飛ばされてしまうかもしれません。作成し終わったら、必ず読み直して要点をまとめた文になっているか、確認してください。

最後に、件名に関しては、どの案件に対するお詫びなのかを必ず明記しましょう。この配慮は謝罪時に限らず、社会人としてのマナーです。もし緊急性や重要度が高い場合は【重要】とつけても構いません。

電話やメールで、少しでも相手からの印象を回復させるコツは?

そもそも電話では相手の顔が見えません。そのため表情や態度で反省の気持ちを伝えるのは難しいでしょう。そこでポイントとなるのが、声の大きさと、トーンです。いつもより声のボリュームを押さえて、トーンも少し低くすることで反省の気持ちや誠意が伝わりやすくなります。

一方、メールの場合は、相手の気持ちに寄り添う文章を書くようにしましょう。人は誰でも「自分の気持ちを分かってもらいたい」という欲求を持っています。そのため、相手の気持ちを汲んでいるような文章を書くことができれば、「気持ちを分かってくれた」と感じ、印象を回復させられるかもしれません。

謝罪時にやってはいけないこと

電話、メールに限らず、謝罪時にやってはいけないことがあります。それが以下の5点です。

・ただ繰り返し謝る
・人や時間のせいにする
・感情的になり、反論する
・黙り込んでしまう
・マニュアル通りの受け応えしかしない

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これらすべては、相手に「誠意がない」と思われる行為です。人によっては怒りを増幅させ、事態を悪化させてしまうでしょう。特に電話やメールの場合は、相手の顔が見えない分誠意が伝わりにくいため、より注意が必要です。

相手のタイミングを計るよりも自分の心を整えよう

そもそも、怒りが鎮まるタイミングは人によって異なります。そのため、謝罪する人に合わせてタイミングを計ることはほぼ不可能です。

それよりも考えるべきなのは、「どれだけ早く自分の心を整えられるか」という点。確かに謝罪はなるべく早くするべきです。しかし、心ばかりが焦って冷静さを欠いた状態では、きちんとした対応はできません。せっかく謝罪内容を簡潔にまとめられても、イレギュラーに対応できる余裕はないでしょう。

まずは、電話をかける前に深呼吸を三回程行ってください。もし足りなければ回数を増やしても構いません。自分の心が落ち着いたと思えたタイミングで、謝罪内容を見直し、電話をかけましょう。

一般的に、怒りのピークは6秒と言われています。相手が怒っていたとしても、こちらが冷静に誠意を持って対応し続ければ、自然と相手の怒りも収まるものです。

つまり、いかに素早く、自分の心の整理ができるか。ここが謝罪成功の大きなポイントとなるでしょう。

【監修】
桜美月●個人向け・企業向けに立ち居振る舞い・ビジネスマナーの研修を行う講師。企業での就労経験を経てビジネスマナーインストラクターの資格を取得、独立。
個々人の良さを最大限に引き出す指導・コンサルティングに力を入れており、現在も執筆、講演、監修、ラジオなどの活動を続けている。

文=トヤカン
編集=五十嵐 大+TAPE

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