
2024年に「Speciale」のメンバーとしてデビューした、にじさんじ所属のバーチャルライバー・七瀬すず菜さん。
デビュー以来、毎朝の定期配信「おはすず」を1日も欠かさないほどのバイタリティが魅力の彼女は、以前は会社員としてバックオフィス系の仕事に携わるなど、独特のキャリアを歩んできました。
前編では、会社員からライバーへと新しいフィールドに挑戦した背景や毎朝欠かさず配信するためのモチベーションの保ち方、スケジュール管理・体調管理のコツなどを伺います。
※インタビュー後編はこちら
夢はたくさんあってOK!にじさんじ 七瀬すず菜が考える、自分らしく生きるための心の土台
※この記事は2025年5月に実施したインタビューをもとに制作しています。
人生の決断は迷わない。とりあえずやってみて、ダメだったら次を考えよう!
──Specialeで働く以前は、バックオフィス系の仕事をされていた七瀬さん。どういうきっかけでライバーになったのでしょうか。
元々、ラジオやニコニコ動画など、リアルタイムで双方向にコミュニケーションを取れるメディアが好きだったんです。学生時代には就職活動でラジオ局を受けたこともありました。
そうした中、前職の時にたまたま切り抜き動画でライバーの存在を知って。今も尊敬している先輩のアンジュ・カトリーナさんやニュイ・ソシエールさんの動画を見て、「やってみたい!」と思ったんです。
──以前はライバーやバーチャルライバーというもの自体を知らなかったということですか?
そうなんです。ファンとしてこの道に入ったのではなく、最初から「面白そうな仕事だな」という目で見ていました。
私は働くことが好きで、大学生の頃はアルバイトもかなりたくさんやっていて。当時から「この仕事やってみたい」「関わってみたい」で仕事を決めることが多かったんです。
バックオフィス系の仕事に関しても「給与計算業務がやりたい!」と思って始めたし、Specialeでの飲食の仕事に関しても「料理をみんなに届けてみたい」と思ったからです。ライバーも「この活動がやってみたい!」で決めたので、やりたいことを見つけてまっすぐに行動した結果、今に至る、という感じです。

──前職をやめるにあたって迷いはなかったですか?
なかったです。人生の決断に迷うことがあまりないんですよね(笑)。基本的に「とりあえずやってみて、ダメだったら次考えよう!」というタイプなので。
と同時に、ダメだったときのこともいつもうっすらとは考えていて、前職でやっていた給与計算業務ができればお仕事に困ることはないかなという安心もありました。だからSpecialeに転職できたんだと思います。
もちろん、挑戦するうえで不安や恐怖がまったくないわけではありません。でも、やってみないと自分に向いているかどうかはわからないですよね。
それに、やらないままでいる後悔のほうが、やってみて抱える後悔よりも大きいと思うんです。だから「挑戦してダメだったら、そのときに考えよう」って気持ちですね。
実際に向いていなかったアルバイトもありました。でも、それで落ち込んだり自分を責めたりすることはありません。「向いていなかったな。次行こ、次!」みたいな。
だってそれで落ち込んでいたら悲しいじゃないですか。どんどん次に行きたい。やっぱり人生って短いので、最大限に生きないともったいないと思います。
──そう思うようになったきっかけはあるんでしょうか。
きっかけは、いつだったんだろう……? たぶん大学生くらいから「1年って短いなあ」と感じるようになったと思います。「もう年末?」と感じるたびに「死ぬまでにあと何回、初詣に行くんだろう?」と考えるようになって。
もしかしたら50回かもしれないし、10回かもしれない。そう考えると1日も無駄にできない。自分の人生、思いっきり楽しく生きて「あー楽しかった!」でぽっくり逝きたい、そう思うようになりました。
会社員になってからはさらに時間が早く感じられるようになって、今の仕事を一生やるのかと考えたとき、他のこともやってみてもいいんじゃないかなと思うようになって、転職しました。
「やらなきゃ」ではなく「できたらいいな」が継続の秘訣
──昨年のデビュー以来、七瀬さんは毎朝の配信「おはすず」を1日も欠かしていません。これは本当にすごいことだと思うのですが、なぜ毎朝続けることができるのでしょうか?
これはきれいごとではなく、本当に、見てくれる人がいるからです。一人でやるだけだったら毎日は無理。「おはすず」は1回だけ事前収録した回があるんですが(※『にじさんじフェス』出演のため)、収録だったら絶対に毎日は続いていないです。
実は、今までこんなに何かが続いたことはないんです。筋トレも続かなかったし、日記も続かなかった。
配信だけなんです。筋トレや日記と配信の何が違うかと言えば、相手がいること。リスナーさんがいるから続けられているんだと毎日感じています。
リスナーさんから「朝のバケモノ」と呼ばれることもありますが、全然バケモノじゃなくて(笑)。好きで楽しくてやっているだけなので、やりたくないと感じる日もないんです。

──それでも「今日はなんか休みたい」「最近疲れているからオフにしたい」と思うことはありませんか?
配信をつければリスナーさんたちがいるから、疲れは吹き飛んじゃいますね。モチベーションを高めたり維持したりする工夫も全然していないし、習慣化のための努力もしていません。配信という仕事が本当に合っているから、そう思える気がします。
朝配信は、デビューの前からやろうと思っていました。自分の会社員時代を思い返すと、通勤電車や朝の時間、なんとなく憂鬱な気持ちになることがあったなと思って。
そういう時間に配信があったら、ちょっとは元気になるかもと思っていたんです。
始めた当初は「毎日できたらいいな」くらいの気持ちで、やっているうちにだんだん習慣化していって今でも続いている、という感じです。
──「毎日やらなきゃ」ではなく「毎日できたらいいな」くらいの、意気込み過ぎない軽い気持ちで始めることがポイントなんでしょうか。
そうかも! 「毎日やらなきゃ」になったら私の性格的にできなくなっちゃうと思うので。自炊とかも毎日しているわけではなくて、冷凍食品で済ませることもあるし、コンビニのごはんにする日もあります。
基本的に何事も「やらなきゃ」とは思わないようにしていますね。
やりたいことをやるために、まずは自分に優しく
──七瀬さんは毎朝の配信の他にも昼や夕方など、1日に複数回の配信をすることも多く、15時間配信も行なっていましたよね。多忙な中で、どのようにスケジュール管理をしているのでしょうか。
リスナーさんからも「忙しいでしょ」と言われるけれど、実はそんなに忙しくないんです。
私の場合、1日5時間配信したとして、配信以外の時間に数時間の作業をしても8時間くらい。働いている時間自体は一般的な会社員とあまり変わらないんです。
スケジュール管理も会社員の人と似ているんじゃないかな。「この日はこの配信をやる」くらいのざっくりした予定を、スプレッドシートに数カ月先まで書き込んでいます。
「スケジュールの見える化」ですね(笑)。これはデビュー前からずっと続けています。

──ある程度先まで予定を組んで、計画的に活動されているんですね。
はい。しかも私、スケジュールに隙間があると気持ち悪いからすぐに埋めちゃうんです。暇が無理なので。
やりたいことがいっぱいありすぎて、1日24時間だと全然足りない。1カ月も31日じゃ全然足りない。やりたいことをやるにはとにかく時間が足りないので、スケジュールに隙間があると「じゃあ、ここであれをやろう!」となるんです。
──それだけのバイタリティの高さを、どうして保ち続けていられるのでしょうか。
やりたいことをやっているからだと思います。
もちろん会社員の時も好きな仕事をしていたけれど、ライバーになってからは楽しさも大変さも倍になりました。
自分の言葉が瞬時に何千人の方々に伝わる仕事なので、みなさんがどう受け取るのか常に考えていて、普段よりも神経を使いながら喋っているかもしれません。
でも、本当にやりたくて、本当に楽しいことをやっているから、次から次へとやりたいことが出てきます。

──やりたいことをやるには健康でいることも大事ですよね。体調面ではどのようなことを心がけているのでしょうか。
これを言うと元も子もないけれど、シンプルに身体が丈夫で(笑)。あまり病気にならないし風邪もひかない。
その上、毎朝早起きして、たまに散歩して……なんだかおばあちゃんみたい。「おはすず」のおかげで規則正しい生活になっていますね。
ただ、自分の体調には敏感で、早めに気づいてケアしています。「ちょっと乾燥しているかも?」という日はのど飴を多めに舐めるとか、水分をたくさん摂るとか。「もしかしたら具合悪くなるかも?」と思ったら多めに寝たり、身体を休めてゆっくりしたり、心身ともにリフレッシュする時間をとったり。
私のモットーは「自分に優しく、人にもっと優しく」。だからまずは自分に優しく、自分を大事にすることに気を遣っています。できるだけノーストレスで生きられるようにしたいですしね。
※インタビュー後編はこちら
夢はたくさんあってOK!にじさんじ 七瀬すず菜が考える、自分らしく生きるための心の土台
【プロフィール】
七瀬すず菜
にじさんじ所属のバーチャルライバーとして2024年にデビュー。カフェレストラン「Speciale」の朝担当として、ホール・キッチン業務をこなす。趣味は料理。特技は飾り巻き寿司。デビュー以来、定期配信「おはすず」を継続している。
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