- ビジネスで断り方への配慮が必要な理由
- ビジネスメールで断る際の注意点
- 相手へよい印象を与える断り方のコツ
- ビジネスにおける断り方フレーズ一覧
- 断りを入れる際のビジネスメールの構成
- <シーン別>断り方例文
- 断り方をマスターしてビジネスチャンスをつかもう
ビジネスシーンでは、とくに断り方に気をつけなければなりません。相手へよい印象を与える断り方のコツは、クッション言葉を使用することや、気遣い・感謝を述べることです。
ビジネスで上司や取引先からの誘いを断らなければならない場面に置かれることを想定し、断り方の例文や、コツを解説します。
ビジネスで断り方への配慮が必要な理由
ビジネスで断り方への配慮が必要な理由は、主に3つです。それぞれ解説します。
相手との良好な関係を維持するため
ビジネスでは相手との良好な関係を維持するために、断り方への配慮が必要です。
例えば、上司から取引先への提案書の作成を依頼されるも、他の作業に追われてとても対応できないことがあるでしょう。そこで、上司に対して「できません」とだけ伝えると角が立ちます。
その点、断る際に丁寧な対応を心がけていれば、今まで通りよい関係を維持できるでしょう。
次のビジネスにつながる機会を逃さないため
ビジネスチャンスを掴むためにも、断り方への配慮が必要です。
例えば、新規取引先との交渉を進めるも、社内事情で断らざるをえない場合、「ダメでした」ということだけを相手に伝えると、関係がそれで断たれる可能性があります。その点、代替案を提示したり、丁寧に対応したりしていれば、相手に「別の機会に取引をしてみたい」と思ってもらえるでしょう。
今は取引先として適当ではない相手でも、今後業績が向上して信頼度の高い会社になったり、技術力に定評のある会社に成長したりする可能性は十分にあります。ビジネスチャンスを逃さないために、誰に対しても常日頃から断り方に配慮することが大切です。
誤解を防ぐため
ビジネスで誤解を防ぐためにも、断り方への配慮が重要です。
例えば、上司から新たに仕事の依頼があった場合に、「対応できません」とだけ伝えると、冷たい印象や失礼な印象を与えてしまいかねません。とくに、メールやビジネスチャットなどの文字では、意図が伝わり切らないことがあるため、十分な配慮が必要です。
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ビジネスメールで断る際の注意点
相手へ誤解を与えないために、ビジネスメールで断る際の注意点を解説します。
関係悪化につながる言葉は使わない
ビジネスメールで断る際、関係悪化につながる言葉は使わないようにしましょう。「御社との取引は難しいです」「他の業務で忙しいため、課長から依頼いただいた資料の作成はできません」などといった、感謝や謝罪を述べず端的に「ノー」を伝える断り方は失礼な印象を与えることがあります。
断りのメールであることをわかるようにする
ビジネスメールを送る際に、「断り」のものとわかるようにしましょう。断りにくいからといって曖昧に回答するとかえって相手に迷惑をかけてしまいます。
例えば、曖昧な回答で飲み会の参加が「イエス」と幹事が勘違いした場合、多い人数で予約してしまうでしょう。また、交渉中の取引先に対して曖昧に返事すると、「O K」と勘違いして手続きを進めかねません。
失礼な印象を与えそうで断りにくい場合でも、断りは相手がわかるようにはっきりと述べることが大切です。
相手へよい印象を与える断り方のコツ
ここから、ビジネスメールで相手によい印象を与える断り方のコツを解説します。
角を立たせないようクッション言葉を使用する
断る際に、角を立たせないようにクッション言葉を使用することが、相手へよい印象を与えるコツです。クッション言葉とは、そのまま伝えると相手を不快にさせかねないことに前置きとして添えることで、柔らかく伝える言葉を指します。
「いただいたお話で大変恐縮ですが」「お力になれず大変申し訳ないのですが」などが、ビジネスシーンで断る際に使うクッション言葉の例です。
相手への気遣いや感謝を述べる
相手への気遣いや感謝を述べることも、断り方のコツです。断った後に「貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます」と気遣いの言葉を入れたり、断る前に「大変ありがたいお話ですが」と感謝の言葉を述べたりするようにしましょう。
なるべく理由も添えるようにする
相手に納得してもらうために、なるべく理由も添えるようにしましょう。理由には、「スケジュールの都合上」「金額の面で折り合いがつかないため」など、簡潔に示すことがポイントです。
ただし、会社の都合上どうしても理由を明らかにできないこともあるでしょう。その場合でも、「社内で慎重な検討を重ねました結果、今回は見送らせていただくこととなりました」のように、自社でしっかり検討はしたことを伝えることが大切です。
今後のことにも触れる
ビジネスチャンスを掴むためには、今後のことにも触れることが大切です。取引先からの提案を断らざるをえない場合でも、「〇〇であればご用意できるのですが、いかがでしょうか」「B案であれば検討できます」など、可能な限り代替案も伝えるとよいでしょう。
ビジネスにおける断り方フレーズ一覧
以下に、ビジネスにおける断り方で使うフレーズ一覧をまとめました。状況に応じて、断る際のビジネスメールに活用しましょう。
【会食などの誘いを断る際】
- せっかくのお誘い、申し訳ございません
- とても残念ですが、今回は欠席させていただきます。
【取引先からの提案や要望を断る際】
- 不本意ながら、今回は見送らせていただきます
- お力になれず申し訳ありません
- ご期待に沿えず大変申し訳ございません
なお、断りに限らず、取引先や同僚との距離を縮めたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
相手の気持ちを動かすビジネスメール文例集! たった一言で思いやりあふれるメールになる!
断りを入れる際のビジネスメールの構成
断りを入れる際のビジネスメールは、ある程度決まった構成に基づいて作成できます。一般的な構成は以下のとおりです。
- 表題
(例:ご提案いただいた〇〇につきまして) - 宛先
- 簡単な挨拶
(例:お世話になっております。〇〇の〇〇です) - 感謝の気持ち
(例:この度は、〜についてご提案いただき誠にありがとうございます) - 断り
(例:こちらの都合で大変恐縮ですが、〜の理由で今回は見送らせていただくことになりました) - お詫び、今後につながる言葉
(例:ご期待に沿えず大変申し訳ございません。機会がございましたら、ぜひともお取引いただきたいと存じます) - 相手への気遣い
(例:皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます)
断りの際に「恐縮」を使う機会があります。「恐縮です」の意味を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
<シーン別>断り方例文
断り方は、具体的なビジネスシーンによっても異なります。今回は、3つのシーンに応じた断り方を確認していきましょう。
シーン1 取引先の依頼・提案を断る
取引先の依頼・提案を断る際は、ビジネスチャンスを逃さないことが大切です。例文を紹介します。
件名:〇〇のご提案につきまして
(宛先省略)
いつもお世話になっております。△△株式会社の(担当者名)です。
このたびは、弊社に〇〇をご提案いただき、誠にありがとうございます。
せっかくご提案いただいたにもかかわらず大変恐縮ですが、□□の理由で今回貴社のご要望にはお応え致しかねます。
ご期待に沿えず大変申し訳ございません。またの機会がございましたら、ぜひよろしくお願いします。
末筆ではございますが、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
シーン2 イベント・式典への参加を断る
取引先から、「設立〇〇周年記念式典」などのイベントに招かれることもあるでしょう。参加できない場合は、以下のようにビジネスメールを返信します。
件名:貴社設立20周年記念式典の参加につきまして
(宛先省略)
いつもお世話になっております。△△株式会社の(担当者名)です。
貴社ますますご清栄の段、お喜び申し上げます。
この度は、貴社設立20周年記念式典へのご招待をいただき、ありがとうございます。
せっかくのご招待をいただいたところ大変恐縮ではございますが、所用があるため出席がかないません。
ご期待に添えずに申し訳ございません。
また機会がございましたら、ぜひともお声がけくださいませ。
末筆ではございますが、記念式典の御盛会をお祈りしております。
シーン3 見積もり後商品購入を断る
こちらから見積もりを依頼したにもかかわらず、条件や金額によって断らなければならないことがあります。別の機会に注文する可能性はあるため、以下のように丁寧にビジネスメールを送りましょう。
件名:お見積もりの件について
(宛先省略)
いつもお世話になっております。△△株式会社の(担当者名)です。
先日は、お見積りを送っていただき、ありがとうございました。
いただいた金額と製品情報をもとに、社内で慎重に検討を重ねましたが、費用の折り合いがつかず、今回はお取引を見送らせていただくことになりました。
お手数をおかけしたにも関わらず、ご期待に添えない結果となってしまい、申し訳ございません。
またの機会がございましたら、ぜひともよろしくお願いいたします。
末筆ではございますが、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
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断り方をマスターしてビジネスチャンスをつかもう
断り方をマスターしておけば、取引先を不快にさせず、ビジネスチャンスをつかめます。コツを押さえることで、上司に断っても引き続き良好な関係を維持できるでしょう。
気遣いを見せることや、感謝を示すことが断り方のポイントです。今後、上司からの提案や、取引先の式典参加を断らなければならない場面などで活用してください。
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