仕事に成果を生む鍵は日報!? 1日3ステップで書けるマイ日報

あなたはいつも終業後、その日の自分の仕事について振り返っていますか? ただ手帳に今日こなしたタスクを書くだけだったりしませんか?

仕事に成果を生む鍵は日報!? 1日3ステップで書けるマイ日報

あなたはいつも終業後、その日の自分の仕事について振り返っていますか? ただ手帳に今日こなしたタスクを書くだけだったりしませんか?

自分が今日1日の中でできたこと、できなかったことを振り返って見直すことは、明日の仕事の精度を上げて業務の進め方を改善する軸となります。そしてそれは長期的に見ると、ビジネススキルの向上にもつながるもの。そのために有効なツールとなるのが「日報」です。

今日の仕事を振り返るだけでなく、日報を元に上司や同僚との情報共有を行い仕事の状況を互いに把握しておくことで、効果的なアドバイスがもらえるなどさまざまなメリットがあります。中には「なんだか面倒くさそう」「難しそう」「手間がかかるのでは」と思う方もいるかもしれません。

しかし、日報コンサルトの中司祉岐さんが教えてくれる「日報の書き方」は、1日の隙間時間を活用しながらあっという間に書き上げることができるのだとか。そこで今回は、上司に褒められて、自分の仕事の棚卸しや頭の整理もできる日報の書き方について紹介していきましょう。

何のために日報を書くの?


中司さんいわく、何よりも「未来の自分のため」に日報を書くことが重要なのだそう。

「私たちは仕事のスキルを上げていかないと、今以上の成果を出すことができません。1日の終わりに、もし仕事内容を振り返ることをしない場合、直面している課題や現状のスキルが把握できず、スキルアップをするタイミングを逃してしまいます。
仕事のスキルを上げるため、何をしなくてはいけないのか突き詰めて考えたときに重要なのは、『毎日仕事の内容を振り返り、反省をするか』ということ。
日報は、『仕事の反省をする材料、仕事の改善をする材料』になります。手帳に予定を書き込むだけでは、ただのログでしかありません。しっかりと未来を見据えた上で、今日1日の振り返りをすることが重要なのです」(中司祉岐さん、以下同)

用意するものは、メモ(ご紹介するテンプレートを印刷した用紙や、同じ内容が書けるようにした手帳など)と筆記用具の2つのみ。

「日報は手書きのほうがスピードも速いですし、頭の中の情報も整理されます。ドイツの心理学者エビングハウスの実験で、人間は20分後には42%、1時間後には56%、そして1日後には74%の記憶を忘れるというデータがあります(エビングハウスの忘却曲線より)。
つまり私たちは、あっという間に物事を忘れてしまうのです。そのため、忘れないうちにどんどんメモをとり、情報を残しておくことが重要です」

1日3ステップで完成する「日報の書き方」

 

日報を書くのに必要な時間は「朝5分、昼ちょこちょこ、夜7分」のたった3ステップだけ。エクセルなどで画像のような自分だけの「マイ日報」テンプレートを作っておくととても便利です。このテンプレートを元に、中司さんが教えてくれる仕事効率アップにつながる日報作成術をお伝えしましょう。

●朝5分(黄色の部分)


・今月や今日の目標数字を書く
新規アポ3件、契約3件、事務作業など、タスクごとの目標時間を割り振ります。さらに仕事でのビジョンや目標、個人としての夢、希望などを書き出しましょう。これについては毎日同じ内容でも問題ありません。
そうすることで、「毎日の仕事が、自分の夢や希望にどうつながっていくのか」を意識するようになり、仕事への意欲も高くなります。

・今日のタスク(行動予定)を整理する
何時から何時に何をするかを決めましょう。
9:30~9:45はメールの返信、9:45~10:30にアポ取りなど、自分の時間を「ちゃんと自分で予約する」ことで、より効率的に時間を使うことができます。

●昼ちょこちょこ(青の部分)


客先訪問などタスクをこなす度に、その場でどういう結果だったのかを忘れないよう、すべてメモで記しましょう。そうすることで、「なぜ決まったのか/断られたのか」という細かな部分に気づくことができます。小さな気づきが積み重なり、より生きた学びへとつながっていきますよ。

例:10:00~11:00客先にて新商品のレビュー。「少しイメージと違う」と、客先の反応が良くなかったため◯日までに再提案できるよう見直しを行う。

●夜7分(赤の部分)


業務の終わりに、今日1日のタスクを集中して振り返る時間を7分確保しましょう。これは仕事とプライベートを分けるスイッチのようなもので、「これを書いたら仕事は終わり! その先はプライベートの時間だ!」と意識して、きっちり7分を振り返りに使います。

大切なのは、時計をみて、7分きっかり集中すること。そして7分ちょうどで終了することも時間管理を行う上で大事です。毎日この振り返りを続けることで気づきや小さな発見が見つかります。その結果、日々のアイデアを生み出しやすくなり、「何をしなくてはいけないのか」が、頭に残りやすくなるのだそう。

読み返して改善しよう


日報は何よりも書き続けることが大事。また、一定の頻度で読み返すことで、より効果的に活用できるそう。

「まずは、週に1回、日報を読み返してみてください。できていないことは何だろう? やろうと思っていたけれど実践できなかったことは何だろう? このような着眼点を持って再読し、それぞれに改善策を考え出しましょう。次に、1カ月単位でもいいので読み返してみてください。たとえば7月分の日報を、7月31日に読み返す、ということです。
自分の仕事の中でマニュアル化できるところ、ルール化できるところ、うまくいった改善、うまくいかなかった改善は何か、洗い出してみましょう。
創意工夫した内容を積み重ねて振り返ることで、来月・再来月の自分の仕事に生かすことができますよ」

上司やチームメンバーに共有する


書いた「日報」はPDFにしたり、メールに清書して上司や同僚に共有することで、自分の今の状況や進捗を簡単に把握してもらえるようになります。それによって適宜サポートを受けられたり、助言をもらえたり、よりスマートかつ効率的に業務が行えるようになるのだとか。

「私がコンサルティングをしている企業の経営者やマネジメント層は、部下の日報をしっかり読むことで、より正確で効果的なアドバイスができると言っていました。また、人事評価などの個人面談の際にも、日報のデータがあればそのときにあなたが何を考え、どういうことをしてきたのかが一目瞭然で分かり、あらためて説明をしなくても話が進みます」

冒頭でもご紹介しましたが、人間は時間とともに物事を忘れてしまうもの。しかし日報というログがあれば、あなたの仕事をしっかりと評価してもらうための判断材料にもなります。

また、なかなか突破できない壁にあたってしまったときには、直属の上司だけではなく、周囲の優秀なプレイヤーにも日報を見てもらうのもおすすめです。相談相手に日報を見せることで、どこに問題点があるのかの分析材料となり、突破口へと導いてくれるはずです。

まとめ


あなたの今後のスキルアップや評価にも直結する日報。タスクを記録するだけだった、面倒だから毎日同じ内容を書き写していた、という方は今日からしっかり日報を書き、見直す時間を確保してみませんか。それを毎日コツコツと続けるだけで、今までの仕事とは違う手応えを感じることができるかもしませんよ。

 

識者プロフィール

 

中司祉岐(なかづか・よしき)
株式会社日報ステーション代表取締役・日報コンサルタント。
経営日報の赤ペン指導で企業売上を倍増させる日報コンサルタント。業種に関係なく携わった小規模企業の85.6%が売上2倍以上になる。販売・営業プロセスを落とし込んだ日報システムでFC、特定ブランドで売上日本一を輩出。
HP:http://nippo-st.com


※この記事は2017/07/31にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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