世界No.1のSNS。Facebookの東京オフィスで働く人に浸透している会社の理念とは

日本で働いていることは同じでも、日本企業と外資系企業では、働き方に違いはあるのでしょうのでしょうか。

世界No.1のSNS。Facebookの東京オフィスで働く人に浸透している会社の理念とは

日本で働いていることは同じでも、日本企業と外資系企業では、働き方に違いはあるのでしょうのでしょうか。

IT業界をけん引するのみならず、世界中の人々をつなげることに成功したソーシャルネットワークサービス、Facebook。そのFacebookに転職して1年になるのが池宮礼子さん。外資系の他社でキャリアを積んでからFacebookに入った池宮さんが感じたさまざまなことを教えてもらいました。

インターネットサービスが大好き。だからFacebookに転職


--池宮さんは大学卒業後、日本マイクロソフト株式会社に入社されたそうですね。そこではどのようなお仕事をしていたのですか。

「最初は広告の営業をしていました。顧客に提案する営業と、提案したあとにその広告を実際にどうやって活用していくかというコンサルティング。それからプロダクトマーケティングの部署に異動し、日本ではどのような広告が期待できるかといった案を本社にフィードバックしたりという、本社と日本の間に立つような仕事をしていました」

--その後、2013年にFacebookに転職されたのにはどのような理由があったのでしょうか。

「IT業界ってとても変化のスピードが速いのですが、だからこそ飽きないし楽しいんですね。ITの中心がPCからモバイルに移行し、特に日本ではスマートフォンが出てから人々の生活は大きく変わったなと感じていたので、スマートフォン向けのサービスに関わりたいと思うようになっていきました。会社の居心地は良かったのですが、スマートフォン関連の仕事をするための転職を考え始めました」

--Facebookと出会った経緯は?

「Facebookで働いている知人から誘われたのがきっかけです。仕事で今後やりたいことについて話をしたところ、『それ、Facebookなら全部解決するよ』と言われて。私が求めていた、変化に素早く対応できる環境、モバイルを重要視しているといった要素をFacebookはすべて持っていると。そして私が前の会社で身に付けた広告ビジネスのスキルを、Facebook側でも生かせるということでした。お互い求めるものが合致したので入社を決めました」

 

マーク・ザッカーバーグCEOも歩いてる! 世界中から社員が集まる本社研修


--即戦力として期待されていたのですね。入社後はどのように会社のやり方を学んでいったのですか。

「入社して3カ月ほどの間は、メンター(指導役)をつけてもらい、Facebookのカルチャー、広告ビジネスの現状などを教えてもらいました。その間にアメリカでの本社研修にも行きました。サンフランシスコ郊外のメンロパークにあるFacebookの本社に、世界中の新入社員が集まって研修を行うんです。本社研修は実務を習うというよりは、Facebookのカルチャーや社風をよく知るためのものですね。また、各国から新入社員が集まることで、世界中で同期のようなつながりができました。そのとき日本から参加したのは私だけでしたが、たくさんの仲間ができました。私は営業職なので1週間でしたが、エンジニアなら1カ月半というように、期間は人によってさまざまです」

--本社研修で新たに知ったことはありましたか。

「Facebookは本当にすべてがオープンなんだと実感しました。広大な敷地で私たちも自由にしていたし、Facebookの創業者兼CEOのマーク・ザッカーバーグが普通に歩いていたりする。開放的な空気の中で、同期になった各国の仲間といろんな話ができました。みんな似たようなキャリアの人たちなので、それぞれの悩みや考えに共感しやすかった。起きている問題が同じでも国によって状況が違ったりもするので、うまくいっている国の例を聞いて、それを日本でもやってみようなんて考えたり。Facebook ジャパンの広告事業部は年に2回、サンフランシスコとシンガポールで全社員が集まるイベントがあるので、そこでまた同期の仲間と会えるという楽しみもできました」           

--とても刺激的な本社研修だったのですね。帰ってからはいよいよ実務スタートでしょうか。

「そうですね。私はエージェンシー・パートナーという職種なので、広告代理店さんと良い関係を作り、さらに代理店さんのビジネスに貢献していくことが一番のミッションです。3カ月ほどはメンターの人と共に代理店さんに伺って、4カ月目からはひとりで業務を行うという感じでした。でもチームでやっているので、何でもサポートしてもらえる。ひとりで背負わず、みんなでやっていこうという雰囲気です」

Facebookのスローガン“MOVE FAST”な働き方でアプトプットの質が向上


--現在は毎日どのようなスケジュールで働いているのですか。

「朝9時半に出社したら、30分ほどメールチェック。10時ごろからは大体社内ミーティングです。チームだけのときもあれば、いくつかのチームを交えたクロスファンクションのときもありますね。その後は代理店さんに伺って、ミーティングや定例会。現状を聞いたり、こちらからもFacebook広告のアップデートやリリースを共有したり。代理店さんと共同で行う作戦会議といった内容です。戻ったらまた社内でミーティングをしたり、資料を作ったり。ほかの社員と情報交換することも多いですね」

--常にアンテナを張っている必要があるのですね。やるべきことが多い中で仕事を進めるにあたって、気を付けていることはありますか。

「瞬時に優先順位を付ける、という作業が重要なんです。Facebookでは、どうすればインパクトのある結果につなげられるか、そのためにどのように動くべきかといった流れを見抜いて、素早くフォーカスする必要がある。そこは社員みんなが意識していることだと思います」

--Facebookの企業スローガンのひとつに“MOVE FAST(=素早く行動を起こせ)”というのがあるそうですが、まさにそれですね。

「そうなんです。いくつかあるスローガンの中でも、“MOVE FAST”は一番Facebookらしいと思います。IT業界自体動きが速いのですが、特にFacebookは速い。いい方向にかじを切るために判断を速くする、どんどん新しい方向にチャレンジしていくといった基本は、エンジニア由来の考えなんです」

--池宮さんご自身の行動も速くなりましたか。

「やるべきこととやらないことの区別がつくようになりましたね。リスクを考えるよりもまずは動いてみるようになったし、必要のないときはきれいな資料を作らなくていいんだって思えるようになった。前は丁寧に時間をかけて作っていたけど、今はそれよりも、インパクト重視で動いていますし、実際そのほうがパフォーマンスも良くなったと感じています。前向きな気持ちで動いていれば私自身も楽しいですし、チャレンジして失敗したとしても、そこから学ぶことができれば責められるような会社ではないので」

外資系企業で働くということ


--外資系企業への就職にあたり、求められる資質は何だと思いますか。

「ITも外資系も変化がとても速いので、その速さを楽しめることは大事だと思いますね。あとはやっぱり、最低限の英語。といっても流ちょうに話せないといけないわけではなく、英語に尻込みしないことが大事。私も最初から話せたわけではなかったし、外国人の上司の前で自分の意見を言えない時期もありました。でも場数を踏むうちに、『相手も自分と同僚なんだ』って思えるようになり、外国人に対して気負うことなく話せるようになったんです。たどたどしい英語でも頑張って話せば相手も理解しようとしてくれます。Facebook内にも英語が得意ではない人はいますが、英語ができる人よりも積極的にコミュニケーションを取ろうとしている場面もありますよ。英語に前向きになれる人は外資系に向いていると思いますね」

--最後に、池宮さんにとって働くとはどういうことですか。

「もちろん生活のためというのもありますが、何より人と一緒にがんばる、仲間と一緒に何かをやることが好きなんです。だからこそ、いい仲間やいい職場環境を重視してきたので。満足できる環境の中で、目の前のことを全力でやっていれば成長できるはず。これから先もとりまく環境は変化していくと思うけど、その都度チャレンジできる自分になっていたいですね」

まずは動いてみる。たとえ失敗してもそこから何かを学ぶことができればいい――そんな前向きな社風が、池宮さんには合っていたようです。人と話すのが好き、仲間と一緒に何かを成し遂げたいという池宮さんの社交的な性格も、外資系企業で働くのに適していたのではないでしょうか。「もっと多くの人にFacebookを使ってほしい。人と人がもっとつながってほしい」という池宮さんの夢も、彼女の背中を押しているのでしょうね。


プロフィール
池宮礼子(いけみや・れいこ)大学卒業後、日本マイクロソフトのオンラインサービス部門に配属。インターネットメディアの広告営業、広告商品開発に従事。2014年1月より、Facebookにてエージェンシー・パートナーとして働く。

※この記事は2015/04/30にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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