【小山龍介のノー残業術】仕事を効率化し、残業をなくす3つのメソッド

「就業時間内に完了すべき課題が片付かず、やむを得ず残業……」。多くのビジネスパーソンが抱える、共通の悩みといえるでしょう。人によっては「残業をしないと仕事は終わらないもの」と思っている人もいるかもしれません。

【小山龍介のノー残業術】仕事を効率化し、残業をなくす3つのメソッド

「就業時間内に完了すべき課題が片付かず、やむを得ず残業……」。多くのビジネスパーソンが抱える、共通の悩みといえるでしょう。人によっては「残業をしないと仕事は終わらないもの」と思っている人もいるかもしれません。

しかし、それは誤解です。業務時間内の密度を濃くする、時間短縮のメソッドを実践すれば、残業をしないで済む可能性は十分にあります。

そこで今回は残業をしないために就業時間を濃くする具体的なメソッドについて、時間短縮のプロ・小山龍介さんにお伺いしました。

【メソッド1】「To Doリスト/Not To Doリスト」を毎日更新。


仕事の優先順位と達成度を終業後と始業時に毎日チェックする習慣をつくる
業務時間中、今この瞬間にやらないといけない最優先課題は何か、ちゃんと把握した上で仕事を行えている人は意外と少ないもの。複数の案件を抱えていて、優先順位が把握できていなかったり、それぞれにどれくらい時間がかかるか想定できていないと、精神的に大きな負担となり、効率を悪くします。仕事上でマイナスとなる心的負担を取り除くためにも「To Doリスト」の管理こそ、最初に行うべきです。

この習慣がなかった人は、まず付箋に一日の業務時間内に達成すべきTo Doに優先順位をつけて書き込み、見逃さない場所(PCやキーボードや、ドキュメントフォルダなど)に貼って管理する方法を実践していきましょう。必ずしも、To Doリストに書かれた内容をその日に全部やり終える必要はありません。その代わりに終業後に達成度を確認し、翌日のTo Doリストを作りましょう。プライオリティーを毎日見直し、達成度を把握するだけでずっと効率は高まっていくのです。同時に、業務時間内に無駄であった部分を洗い出し、翌日以降にその無駄を省くために「Not To Doリスト」を作りましょう。この2つを実践するだけで、作業時間はより短縮されていきます。

ポイント


1.To Doリストでやるべきことを可視化する習慣をつくろう。
2.Not To Doリストで無駄な時間を洗い出し、1日の行動を洗練させよう。

【メソッド2】作業時間を「見える化」させる

 

複数のことを同時に取り組まない


コンピューターなどで、同時に2つ以上の作業をこなすマルチタスクという言葉があります。しかし人間が2つのことを同時にやろうとすると、途端にスピードが落ちて、仕事の精度も落ちていきます。ですから、タスクを複数抱えた場合でも、同時進行で作業するのではなく、一つのことに集中して取り組むように心掛けましょう。仕事をたくさんこなしている人の作業プロセスを注視すると、シングルタスクを高速に切り替えていることがほとんどなのです。一つに集中して、その作業時間を洗練させる。そして自分が一つの作業にどれくらい時間がかかっているのかを把握する上で有効なのが、『toggl(トグル)*』という作業時間を記録するツールです。

*Toggl……時間管理ツール。WindowsとMacのデスクトップアプリ、iPhoneとAndroidのアプリ、Webサイトからも利用可能。

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小山さんが使っている「toggl」の画面。作業時間を記録することで、その日の自分の調子を把握できるほか、時間を短縮しようというモチベーションにつながる効果もあります。



使い方は簡単。作業を始めるときに作業名を設定し、スタートボタンをクリックして、終わったときにストップするだけです。プロジェクト単位でどのくらいの時間配分をしているかが円グラフに表示されるため、何に一番時間を使っているかが一目瞭然です。前述のTo Doリストを組み立てるときに、1日のキャパシティーの予測が立てやすくなる効果も期待できます。

締め切り効果で効率アップ


8時間の就労時間の中身をより濃くするために有効な方法としては、作業時間をあらかじめ設定しておき、その時間内にどれだけ作業が進んだのかをチェックするやり方です。私がオススメしているのは、25分を1単位として、作業をしてその後5分間の休憩をする「ポモドーロテクニック」と呼ばれるものです。25分で作業を強制的に区切っていくので、その時間にどれくらい作業ができたのかを判断することができます。また、25分という決められた時間の中で作業を行うため、集中力が上がります。重要なのは、1単位ごとの作業時間の中身を評価していくことです。それを4回連続で行ったら、15分の休憩時間を挟むようにする。こうして、適度に緊張とリラックスを繰り返せば、脳も疲れにくく、作業効率を高めることができます。

ポイント


1.同時進行ではなく、一つの作業に集中して取り組もう。
2.一つの作業にどれくらい時間がかかるかを予測できるようになろう。
3.作業時間にリミットを設けることで、スピードアップが図れる。

【メソッド3】1週間のスケジュールの型をつくる。


ここまで、1日の就労時間内の作業効率を高めるテクニックを紹介してきました。しかし、より現実的に考えると、自分の仕事パターンを構築したくても、「動かせない定例会議が間に入ってしまっている」「役職が下のため電話の受け答えや上司からの頼まれ事で自分の時間を確保できない」等、他者の介入によって自分の仕事リズムを崩されてしまうことがあるでしょう。そうした場合には、「自分へのアポを入れる」というプランを提唱しています。例えば、会議と称して会議室を占拠してしまえば、電話に応じる必要もなくなり、自分のアウトプット作業だけに打ち込めます。

1日単位と1週間単位、2つの視点で仕事時間を管理


また、週のスタートに余裕を持たせるため、「月曜日の午前中は打ち合わせを入れない」、逆に資料などの作成時間が十分に確保できる「水曜日には積極的に打ち合わせを入れる」などの1週間という単位でスケジュール管理を行うのも一つのテクニックです。また、金曜日の夜は1週間のうちにやり残したことや、翌週の段取りを整理するために、飲み会に行かないというプランもオススメです。「1日単位の密度を高める」、そして「1週間単位でスケジュールをコントロールする」。この両方のテクニックが残業時間を減らすために、必須のテクニックといえるでしょう。

ポイント


1.自分にアポを入れて、強制的に作業時間をつくろう!
2.各曜日の役割とルールを決めて、1週間単位でスケジュールをコントロールしよう。

PROFILE

 

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小山龍介/1975年、福岡県生まれ。株式会社ブルームコンセプト代表取締役。京都大学文学部哲学科美学美術史卒業。大手広告代理店勤務を経て、サンダーバード国際経営大学院でMBAを取得。『IDEA HACKS!』(東洋経済新報社)をはじめとするハックシリーズの著者として活躍。

※この記事は2013/11/13にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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