講師はお笑い芸人! 笑いでストレス解消できる「笑育」とは?

仕事のストレスを発散したい…。発散方法のひとつとして「笑うこと」が挙げられます。笑いはストレス解消に効くという研究結果も出ており、有効なツールと言えます。ということで、お笑い芸人が多数所属する松竹芸能へ向かいました。松竹芸能では、現役のお笑い芸人を講師に迎え、想像力やコミュニケーション力などを高める研修「笑育(わらいく)」を主催しています。研修を担当する安里翼さんに、研修内容とストレス軽減の方法について、教えていただきました。

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プロの芸人が講師を務める「笑育」とは?

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2012年に学校教育プログラムとしてサービスを開始し、これまで100校以上の教育機関に導入されている「笑育」。2017年には企業研修プログラムとしてのサービスを展開し、100社以上の企業で、新入社員や管理職向けのコミュニケーション研修として幅広く活用されています。

研修ではプロの芸人が講師を務め、受講生が笑いをテーマにさまざまなコミュニケーションワーク(自己紹介や漫才作り)を実践。プログラムの一例をご紹介します(全体で4〜5時間)。

①イントロダクション
(芸人の漫才を鑑賞し、笑うことでストレス発散。コミュニケーションを取りやすい雰囲気をつくる)
②コンパクトにインパクト
(ビジネスや日常生活でより良い印象を与えることが出来る自己紹介・プレゼン術を学ぶ)
③言葉の言い換え
(ユーモアのある思考や逆転の発想で、周囲に良い影響を与える言葉の使い方を学ぶ)
④漫才作り
(チームで企画に挑戦し、一体感を生む)

ビジネスパーソンに役立つプログラムの中から、すぐにでも実践できそうな内容を、いくつか取り上げて紹介します。

自己紹介は「コンパクトにインパクト」

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自己紹介の場面は社内外でよくあると思いますが、「私は○○県出身で〜」という内容では、ありきたりで相手の印象に残りません。自分を覚えてもらうことは、自己紹介に限らず、普段のコミュニケーションを円滑にするためにも重要になってきます。

「コンパクトにインパクト」のワークでは、芸人が実践している自己紹介のメソッドを活用し、30秒という短時間で強い印象を残す自己紹介のポイントを紹介しています。大切なポイントは以下の3つです。

■ギャップ
普段のイメージは「真面目」→飲むと「宴会部長」
■誇張
美への強いこだわりがある→月4回美容院に行く
■マニアック
毎晩ビールを飲む→銘柄はアサヒスーパードライ限定

上記のように個性を際立たせた自己紹介なら、相手の印象に残るのはもちろん、「もっと知りたい」と好奇心も刺激できます。そのためには、まず自分と向き合い、どこに「ギャップ」「誇張」「マニアック」の要素があるのか、自己分析することが必要です。

注意点としては、「誇張」で嘘をつかないこと。初対面で自分をあまりに卑下する内容も、ネガティブに受け取られがちなので避けた方がいいでしょう。

また、自己紹介やプレゼンテーションで緊張やストレスを感じやすい人は、視線の先を変えることでリラックスできます。困ったときに見るといいのは、自分のパフォーマンスに最も好意的なリアクションをとってくれる人。自分の話にうなずき、笑ってくれる人を見つけ、そこに視線を送るようにしましょう。自分のモチベーションが高まり、ストレス緩和につながります。

「言葉の言い換え」でコミュニケーションを円滑に

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仕事において、言いにくいことを伝えないといけない場面がありますが、相手に不快感を与えず円滑に伝えるのはなかなか難しいですよね。そんなときに活用できるのが、「言葉の言い換え」のテクニックです。ネガティブな言い回しをポジティブかつユーモアを交えた言い回しに転換することで、相手に良い印象を与えられます。そのポイントは以下の4つです。

■状況を別のものに例える
「納期過ぎているよ」→「ここって時差あったっけ」
■ポジティブに言い換える
「空気を読んでよ」→「心臓強いな!」
■視点を変える
「また遅刻したのか」→「よし明日は私が遅刻するぞ!」
■趣味や好きなものに置き換える
「うるさい」→「AKBのコンサート会場か!」
「話が長い」→「カップラーメンにお湯入ってますよ〜」

こうした言い換えは、相手に伝えることができないとしても、発想を変えて考えること自体が大切。ストレスを受けたときに回復する力「レジリエンス」を高めることにも効果があります。また、ユーモアのある発想を多くのメンバーが持つことで、チームの雰囲気が良くなっていきます。

そして「言葉の言い換え」だけではなく、普段から自分の短所もさらけ出して自己開示しながら、相手との信頼関係を築くことが大切です。相手の悪い面もユーモアのある発想で転換し、受け入れて、ストレスを感じにくい状態を作ってみてはいかがでしょうか。

 

文=平原健士(iPPON COMPANY GROUP)
編集=野田綾子+TAPE

【監修者プロフィール】
安里翼
2018年9月より松竹芸能へ入社。セールスプロモーション部にて、お笑いイベント(オンライン含む)の企画提案および広告・PR活動のほか、主に、「笑育プログラム(学生/社会人/シニア向けなど)」のコンテンツ開発・企画提案・運営を担当。

【「笑育」について】
現役のお笑い芸人によるワークや漫才作りを通して、笑いの仕組みを学び、発想力やコミュニケーション力などを高めると同時に、受講者同士の絆も深まる体験型研修。詳細はこちら

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