ストレスは抑えるな、排除せよ! Testosteroneさんが実践するストレスゼロの生き方

Twitterのフォロワー数110万人超のインフルエンサーTestosterone(テストステロン)さん。筋骨隆々の肉体を持つ筋トレ社長としても知られるTestosteroneさんは、企業経営をしながら書籍の執筆を行い、毎日のようにSNSでいわれなきバッシングを受けることがあるものの、「俺にはストレスがない」と断言。なぜストレスがないのか? それは自らの経験から独自に編み出した「ストレスゼロの生き方」を日々実践しているからなんです。それに加え、著書「心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書」では精神科医の岡琢哉先生とタッグを組み、最新のエビデンスと精神医学に基づくメンタル管理について解説しています。今回は、Testosteroneさんの心に響く名言を散りばめながら、ストレスがなくなる毎日の習慣や心がけについて話を伺います。

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寝不足は自分自身への虐待である

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Testosteroneさんがメンタル管理をまとめた著書「心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書」(文響社)が絶賛発売中!

「ストレスゼロの生き方」を実践しているTestosteroneさんですが、「元々はストレスが溜まりやすい人間」だったそうで、ストレスの元を排除するよう心掛けていました。例えば、音がストレスの元となるため部屋を選ぶ時は「静けさ」を第一条件とし、寝室では音が出るようなものを徹底的に排除。快適な睡眠環境を全力で守っているそうです。

「何が言いたいのかというと、ストレスは『抑える』よりも『排除する』方が圧倒的にラクで、効果的だということです。些細なストレスでも、それが毎日続くと多大なストレスになります。省けるストレス要因は徹底的に省け、これがポイントです。特に『睡眠不足』のストレスは重大です。睡眠時間は死ぬ気で確保してください!」

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睡眠の重要性については、TestosteroneさんがTwitterで長年提唱していること。

「睡眠は個人のストレスや健康問題を解消する究極のソリューションであり、はっきり言って筋トレより大切です。日本には筋トレが足りないと言い続けてきた私ですが、睡眠はもっと、圧倒的に足りないんです。2019年にOECD(経済協力開発機構)などが発表した調査によれば、日本人の睡眠時間は先進国の中でワースト1位の短さだそうです」

それでも、仕事が忙しく十分な睡眠時間を確保できない方も多いのではないでしょうか。そんな現代のビジネスパーソンに向けて、Testosteroneさんはあえて厳しいメッセージを送ります。

「仕事や趣味に時間を使って、余った時間で寝るという発想が根本的に間違っています。睡眠を軸に生活するべきなんです。まず、7時間睡眠(理想は8時間)を死守するために、1日は24時間ではなく7時間を引いた17時間と考えるべきです。もちろん、緊急の仕事などどうしようもない事情もあるでしょう。ただし、それが一時的なものではなく、ずっと続くようなら、職業や環境そのものを変えることを検討するべきです。なぜなら、睡眠不足が身体に与える悪影響を考えると、寝不足は自分で自分を虐待しているようなもの。睡眠を削って自律神経やホルモンバランスが崩れると全てが一気に狂い出します。精神、肉体、集中力、記憶力、文字通り全てです」

己の限界を知れ! サボる技術は超大切 

TestosteroneさんのTwitterアカウントには、深刻な心の悩みが日々寄せられるそうです。そんな苦しみを抱える方に向けてTestosteroneさんは、「睡眠時間の死守」「健康な食事」「適度な運動」に加えて、業務負荷を軽減することが大切だと語ります。

「心の不調を訴える人のほとんどが、キャパシティ以上の忙しさを抱えています。ただ、覚えておいてください。会社にとってあなたは数多くいる社員の一人にすぎません。少し言い方が悪いですけど、最悪あなたが潰れたら別の人を雇えばいいんですから。ただ、あなたの身体は一つしかありませんからね。なので過保護になってちょうどいいぐらいです。辛いときは辛いと正直に会社に伝えてください。それでも真剣に相談に乗ってくれないような会社はゴミ同然です。精神をぶっ壊される前にとっとと辞めましょう。自分の身の安全は自分で確保しましょうね」

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また、心身の健康を保つためにも「上手にサボる技術」が重要だとのこと。例えば、プレゼンテーションで使用する資料で最も大切なのは結論とそれを裏付けるデータなのに、優先順位をつけられない人は見栄えにこだわり、残業をしてしまうことも。一方、サボるのが上手な人は見栄えは最低限にとどめ、結論とデータ作成に時間を費やすのです。業務時間は前者の方が長いものの、後者の方が有効なプレゼンテーションになります。

「『サボる』と聞くと悪いイメージを持つかもしれませんが、サボる技術は超大切です。不必要な力を抜けるので、病気やケガをしないで業務を継続できます。継続は成功の絶対条件なので、成功者には上手にサボれる人が多いですね。これは、サボりまくれという話ではなく、自分の限界を見極めてがんばりつつも、心身が限界を迎える前の段階で、『サボるべきときにはサボれ』という話です」

さらに、「サボるのがうまい=優先順位の付け方がうまい=仕事ができる」といっても過言ではないそうです。

不安や緊張は共存していくもの

Testosteroneさんのもとには、「漠然とした不安を抱えている」「すぐに緊張してしまう」など「不安」に関する相談も多く寄せられるそうです。 

「俺がそういう人たちに第一に伝えるのは、『不安はあって当然』『緊張して当然』ということ。みんな不安や緊張を特別視、敵視しすぎているような印象です。そうではなく、不安や緊張は消し去るものではなく共存していくもの。私だって、一心不乱に筋トレしても解消されないことだってあります。ただ、そんな時でも焦ることはありません。不安や緊張は、空気のようにいつでもあることだと思っているから」

人間は不安やリスクを大きく見積もる傾向にあるとのこと。例えば、バンジージャンプを飛ぶ前は、「ロープが切れるんじゃないか」「痛いんじゃないか」とあらゆるリスクを懸念して飛ぶのを躊躇してしまいます。しかし覚悟を決めて一度飛んでしまえば、逆に楽しさを感じることも。

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「回避すればするほど不安は大きくなります。しかし、そこで一歩踏み込んで実際に体験してしまえば怖くありません。これは常に意識しておきましょう、ビビってばかりじゃ人生始まりませんから。不安は正面から叩き潰す。これに限ります」

とはいえ、現実には事前に体験できないこともあります。そんな時に有効なのが、以下の不安階層表。精神科の診療で、不安が強い人の思考パターンを変えるために活用されている方法です。

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不安階層表は、場面と不安の大きさの組み合わせで構成されています。

誰もが緊張する「プレゼンテーション」を例に考えてみましょう。「役員会でプレゼンする」ことを緊張レベル100とすると、「部署の中でプレゼンする」がレベル70、「後輩の前でプレゼンする」がレベル50、「自宅で家族などの前でプレゼンする」がレベル20といった具合です。まずは不安のレベルを可視化して、越えやすいレベルから少しずつ目標を達成していくことが重要になります。Testosteroneさんも、通っていたアメリカの大学で実践経験があるそうです。

「原稿を見ながら一人でプレゼンするところから始めて、カメラで動画撮影しながらプレゼン、友人の前でプレゼン、本番会場でプレゼン、という風に段階を踏んで不安や緊張を消すことが有効な方法です。何度も繰り返すことで、プレゼンの内容も磨かれていくのでオススメです。この小さいハードルを越えていくことで自信をつけていく、という方法は筋トレに通じるものがありますね。ベンチプレスもいきなり100kgなんて怖くて怖くてとても無理だけど、60kg、70kg、80kgと小さなハードルを確実に突破して、どんどん目標に近づいていきます。つまり、人生で大切なことは全て筋トレが教えてくれるということですね(笑)」

参考著書=心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書(文響社)
文=平原健士(iPPON COMPANY GROUP)
編集=野田綾子+TAPE

【プロフィール】

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Testosterone(テストステロン)
1988年生まれ。学生時代は110キロに達する肥満児だったが、米国留学中に筋トレと出会い、40キロ近いダイエットに成功する。大学時代に打ち込んだ総合格闘技ではトッププロと生活をともにし、最先端のトレーニング理論とスポーツ栄養学を学ぶ。現在は社長として働きつつ、正しい筋トレと栄養学の知識を日本に普及させることをライフワークとしている。2014年より始めたツイッターは、2020年8月時点でフォロワーが115万人を突破。『ストレスゼロの生き方 心が軽くなる100の習慣』(きずな出版)、『超筋トレが最強のソリューションである』(文響社)など、著書多数。 

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