指示が多すぎる上司の対応に困っている…"あるある上司"と円滑に仕事を進める方法

何も指示をしない放置や放任という態度の行き過ぎた上司がいる一方、逐一きめ細かな指示をして、ともすれば過干渉とも思えてしまうような「指示が多すぎる上司」がいます。こういう上司と関わっていると、部下としては「なぜそこまで言われなければならないのか」「もっと任せてほしい」など、不満を感じてしまうことも多いでしょう。 さまざまなタイプの上司がいる中で、今回は「指示が多すぎる上司」について考えてみましょう。

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<前回の記事はこちら>
"あるある上司"と円滑に仕事を進める方法。放任する上司との付き合い方

指示が多いか少ないかは、あくまで主観

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「指示が多すぎる」と感じたとき、その「多い」という基準には客観的な根拠はありません。ある人にとっては「多すぎる」と感じる指示が、別のある人にとっては「適正」であったり、さらに別の人にとっては「少なすぎる」と捉えていたりすることもあり得ます。これは指示を出す上司の側から見ても同じく基準はありません。そして恐らくほとんどの上司は「自分の指示は適正である」と考えているのではないでしょうか。

つまり、上司の指示が多い、もしくは少ないという部下からの不満は、「適正な指示の量」と思っている上司の捉え方との認識ギャップであり、その基準はそれぞれの主観だと言えます。上司からの多すぎたり細かすぎたりする指示の良くない点は、部下が「信頼されていない」「否定されている」という感覚に陥ってしまうことですが、これもあくまで本人の主観をもとにした認識ギャップでしょう。

良い関係を築くためには、この認識ギャップをいかに埋めていくかということを考えていくしかありません。上司と部下がどんなに良好な関係だったとしても、お互いに何らかの認識ギャップは必ずあるもの。「言っても無駄」などと、上司とのコミュニケーションを諦めてしまうことだけは避けましょう。

 

指示が多くなる理由を考えてみる

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「指示が多すぎる上司」は、いったい何を考えて指示が多くなっているのでしょうか。

考えられることの1つに、プロセスも含めた「自分ルール」へのこだわりがあります。上司自身の過去の成功体験から、「そのやり方が最も正しい」という信念のもと、それを部下にも要求してくるのです。

また、上司自身の感覚として、「そこまで指示しないと意図した結果にならない」と思っている場合があります。どんなタイプの上司でも、その部下が意図した結果を確実に出すことがわかっていれば、いちいち細かい指示は出しません。結果につなげるために、細かい指示を出しているのです。

上司の気持ちとして、「そのやり方がベスト」「それだけの指示が必要」と思っていることを、部下はまず認識する必要があります。

 

見方を変えれば「面倒見の良い上司」とも言える

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「指示が多すぎる上司」は、見方を変えれば「しっかり指示を出してくれる責任感がある上司」「面倒見が良い上司」とも言うことができます。自分が成功した「良い体験」を伝えてくれているわけですから、そのこと自体は部下にとっては好ましいことです。

ここで指示する中身が、誰から見ても適切なものであれば、指示が多い、細かいといった不満が出ることはありません。問題になるのは、上司の成功体験が「今となっては古くて非効率」で、なおかつそれを押し付けてくるような場合です。個人的なこだわりが強すぎて、「少しのアレンジや寄り道も許さない」といった柔軟性の欠如も問題になるでしょう。

こういった指示の前提には、上司にとってはそれが「最も適切なものである」という、一種の思い込みがあります。そこに悪気はなく、それが一番良い方法だと信じて、善意のもとに指示を出しています。自分にとって実績がないやり方では心配であり、その結果として指示が多すぎ、細かすぎの状態に陥ってしまうのです。

その指示に対してただ感情的に反論したり、無視したりということでは解決になりません。こうした上司には、指示された以外にも良い方法があることを説明して納得してもらうことが必要で、そのためにはいかに論理的に説明をするかが大事です。論理的に説明することで、自身がより効率的な方法を実践できるという信頼も合わせて獲得することができます。

また、相手の成功体験に基づく認識を変えるのはそれほど簡単なことではなく、いくら論理的に話しても、上司の言うことを否定するばかりでは、納得を得るのは難しくなります。ここでは上司の指示自体は肯定しながら、そこに自身のやり方や考え方をプラスして伝えていくことが大事でしょう。

中には門前払いのような対応を取られて難しい場合もあるかもしれませんが、まずは自分の感じ方を伝えられるように上司に働きかけることから始めてみましょう。

 

文=小笠原隆夫
編集=矢澤拓

【プロフィール】
小笠原隆夫
人事コンサルタント。IT企業で開発SE職を務めた後、同社で新卒中途の採用活動、人事制度構築と運用、ほか人事マネージャー職などに従事。二度のM&Aでは責任者として制度や組織統合を担当。2007年2月に「ユニティ・サポート」を設立し、同代表に。以降、人事コンサルタントとして、組織特性を見据えた人事戦略や人事制度策定、採用支援、CHRO(最高人事責任者)支援など、人事・組織の課題解決に向けたコンサルティングをさまざまな企業に実施。2012年3月より「BIP株式会社」にパートナーとして参画し、2013年3月より同社取締役、2017年2月より同社代表取締役社長。

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