中途で入社してきた年上の部下。敬語を使うべき?相手のプライドを傷つけない接し方とは?

「部下」という言葉を聞けば、多くの人が年下をイメージすることでしょう。

中途で入社してきた年上の部下。敬語を使うべき?相手のプライドを傷つけない接し方とは?

「部下」という言葉を聞けば、多くの人が年下をイメージすることでしょう。

しかし、その考え方も少しずつ変わってきています。年上の部下を持つ人が抱えてしまいがちな悩み。それは、「叱るときはどうすれば?」といったものや、「敬語は使うべきか?」「とにかくどう接したらいいのかわからない・・・」といったもの。具体的な解決作が見つからず、悶々としている人も多いでしょう。

そこで今回は、年上部下を持ったあなたに、「叱り方」のポイントをはじめとした接し方について紹介していきます。年上部下のプライドを傷つけることなく、コミュニケーションをとる方法を知ってください。

年上部下が仕事しない。どうればいいの?

 


年上部下を持った場合、一番困るのが叱るときではないでしょうか?
『任せた仕事をきちんとしてくれない…。』
『指示をしたこととは、違う内容を勝手にやりだす』
『何度注意しても聞き流すだけで、こちらの話を聞いてくれない』

もし、年上部下がそんな態度を取ってきたら、きちんと叱る必要があります。ただ、「どこまで叱っていいのか・・・」「言葉使いは?」など、何かと困ってしまいますよね。

ポイントを紹介すると、まず叱るときは「人前で叱らない」ことが大事。人前で叱ってしまうと、仕事ができない人だというような印象を周りに与えてしまいかねません。これが特に年上部下であると、叱られた当人はいい気持ちになりません。これまでの立場のこともありますので、人前は避けるようにしましょう。

そして、上から目線で頭ごなしに叱ってしまうと、その後の関係が良好になっていきません。相手に敬意を持って叱ることをお忘れなく。

いずれにしても、相手の自尊心を傷つけるような表現は避けたうえで、具体的に『○○をしてほしい』というのを、しっかり伝えることが大切です。

接し方に悩んでいるなら、まずは自分事にしてみる

 


年上部下を抱える人は、「敬語を使うべき?」、「どうコミュニケーションを取るべき」など、接し方で悩むと思います。しかし状況によって、異なる対応をしていると年上部下からはもちろん、周りの社員からも、あまりいい目をされません。

そうした事態を避けるためにも、まずは、『もし自分が年下の上司を持った場合の状況』を考えてみましょう。「こんな対応をされたら嫌だな・・・」といったものを具体的に書き出してみるのもいいと思います。例えば、「タメ口で語りかけられたら嫌だ」と思うのであれば、常に敬語で接するようにしましょう。

誰しもが年上部下の対応は初めての場合が多く、悩むこともあると思いますが、一度自分の立場に置き換えることで見えてくることもあるはず。

また、接する中で自分なりに接しやすいポイントを見つけたら、そこで自分に対してルール化することもオススメ。自分がされて嫌なことをしないように努めていけば、「どのように接したらいいの?」といった初歩的なコミュニケーションの部分で悩むこともなくなるでしょう。

誰しも褒められて嫌な気持ちにはならない?

 


考えてみてください。年下の上司からであっても、褒められたら嬉しいもの! 仕事のことで褒められると、次も仕事を頑張ろうと思えます。そう、いい褒め方をすると、年上部下との関係が、良好になることは間違いないのです!!

しかし、相手は年上。「今回はよくやったよ!」と肩をポンポンと叩くような褒め方はまずNG。上から目線に感じてしまうことに加え、以前はできなかったけれど・・・という意味が含まれているように感じられるからです。年上部下はこのような言葉使いには過敏に反応してしまうので、言葉は慎重に選ぶようにしましょう。

言葉使いと共に、褒める際に重視して欲しいのが“素直さ”。 よく聞くのが、年上部下に対して気を使い、過剰に褒めてしまうこと。これは年上部下からすれば、「大したこともしてないのにここまで褒めるのか・・・」とまるで子供扱いされているように感じてしまいます。

年上部下に対しては褒めるというよりも、感謝するような形で、素直に「ありがとうございました。〇〇さんのおかげで助かりました。」と伝えるのが一番良い方法。褒める際は素直に気持ちを伝えることから始めましょう。

どんなに試してみても年上部下との接し方がわからない・・・そんな時の二つのアプローチ

 

1. 相手のことをちゃんと理解していますか?

 


年上部下との関係は一筋縄では上手くかないでしょう。様々な方法を試してみても残念ながら揉めてしまうケースも・・・。

強引に自分の考えを浸透させようとしては、年上部下との関係づくりは上手くいきません。最終的には会話がなくなるという事態に発展してしまいかねないでしょう。年上部下の多くはこれまでの経験にそれなりの自信を持っています。

ですから、「関係づくりが全然上手くいかない・・・」という人は、一度話し合いの場を設けることが大切。そして、この話し合いでは上司は聞き役に徹するのです。相手が何を考えているのか、意見や考えを出してもらい、まずは相手のことを理解することを意識しましょう。相手との意見を聞きつつ、互いの妥協点を見つけることができたら、関係性も良くなっていくはずです。

2. 上司という立場について考えてみる



上司という立場に立つと、「自分は上司だ」と、どうしても“部下と上司”という考えを持ってしまうかと思います。「上司だから部下に仕事を割り振らなければ」という強迫観念を持って仕事をしていると、ただ仕事を振るだけの存在となってしまい、関係性が上手くいかないでしょう。

上司であれば、時には自分を犠牲にして、部下に仕事をしやすくしてあげることも必要。部下に尽くすことによって、上司は部下から信頼されるのであり、これは年上部下であっても同じことです。

いかに仕事をしやすくしてあげるのか、他の部下同様に考えてあげることで、年上部下も接しやすくなるのではないでしょうか?

年上部下をどうするかではなく、自分がどうあるか



年上部下とのコミュニケーション。最初は戸惑ってしまうかもしれませんが、少し考え方を変え、上司である自分自身が考え方、話し方を変えるだけでうまく付き合っていけるようになるはずです。

ついつい、年上部下の考え方などを変えることに努めてしまうでしょうが、まずは自分自信の考えなどを変えるようにしてください。柔軟な対応をしていけるようになれば、誰とでも良好な関係性を築いていけるようになるでしょう。


※この記事は2015/04/23にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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