「知っておくとビジネスがスムーズになる」中国人とビジネスをするうえで大切な7つのこと

中国に事業所や製造拠点を置いている企業が多くある日本。「中国人とビジネスをしている」、「新たに中国の事業所を担当することになった」といったビジネスパーソンは、珍しい存在ではなくなりました。

「知っておくとビジネスがスムーズになる」中国人とビジネスをするうえで大切な7つのこと

中国に事業所や製造拠点を置いている企業が多くある日本。「中国人とビジネスをしている」、「新たに中国の事業所を担当することになった」といったビジネスパーソンは、珍しい存在ではなくなりました。

同時に日本の常識が通じないことで頭を悩ます日本人も少なからずいるのではないでしょうか。

「中国人とのビジネスでは、彼らの価値観や行動様式を知っているかがビジネスを成功に導くカギとなります」と語るのは、25年以上にわたり中国人とビジネスをしてきた吉村章さん。そこで今回は、吉村さんに中国人とビジネスをするうえで大切なことを聞きました。

中国人といっても、ひとくくりにはできない?



中国人の基本的な考え方を理解するうえで、知っておくだけで避けることができるコミュニケーションギャップがたくさんあると、前出の吉村さんは言います。

「日本人は傾向として、外国人をパターン化して捉えようとしがちです。特に隣人である中国人や韓国人に対してはそれが顕著なように思います。今から説明する2つのことを必ず頭に入れておいてください」

【中国人と上手に付き合うための前提】その1「対・中国人ではなく、対・人の考え方で」


「長年にわたって中国とのビジネスを行ってきた経験に鑑みると、異文化理解とは、個人対個人の関係で物事を考えます。異文化を理解することは、つまり、目の前にいる一人の外国人を理解することと同義です。日本人の性格が一人一人異なるように、中国人も一人一人で違うのです。その人を中国人として見るのではなく、たとえば一人の李さん、一人の王さんとして見ないと、本当の意味での異文化理解はできないと思います」

【中国人と上手に付き合うための前提】その2「4つのフィルターに通す」


さらにそのうえで、4つのフィルターを重ね合わせて相手を見ていくことが有効だと吉村さんは言います。

「<地域><世代><業界・職業><学歴・経歴>の4つのフィルターを通すと、相対している中国人の特徴が浮き出てきます。地域とは、つまり上海人、香港人、北京人、台湾人、シンガポール人といった見方です。世代は、改革開放世代、文革世代といったものです。最近ではバーリンホウ(80年代生まれ)という若い世代を指す言葉も日本に浸透してきています。業界や学歴などの要因も、日本人以上に特徴がハッキリと出ます。先に一人一人異なるという話はしましたが、一方で、この4つのフィルターはある程度、あなたのビジネスパートナーがどんな人なのかを理解する助けをしてくれるでしょう」

4つのフィルターを知っておけば、相手の常識や考え方の違いを理解できるようになるのだとか。

知っていると未然にトラブルが防げる“タブー”とは


さらに、文化が違うため、触れてはいけないタブーも異なります。そこで、吉村さんに中国人に対してやってはいけないことを挙げてもらいました。

やってはいけないこと1「基本的に『仕事を手伝う』『手伝ってもらう』のはナシ」



「中国人と仕事をしていると、『自分の仕事が終わると帰ってしまう』『自分の仕事を抱え込む』ということがよくあります。これは仕事が『自分の責任を果たす』『仕事の領域がはっきりしている』という考え方に由来します。彼らは『自分の仕事が終わったら帰るのは当たり前』、手伝おうとすると『私の仕事を取らないで』といった考えなのです。つまり、悪気や悪意があるのではなく、“仕事は個人のもの”という考え方に立っているだけなのです。『仕事は協力し合って行う』という日本人の考え方とはだいぶ違いますね」

やってはいけないこと2「相手への確認なしにCCメールを送ってはいけない」


「日本人同士ではCCメールを当たり前のように使いますが、中国では確認してからでないとCCメールを使ってはいけません。先に言ったように、中国人にとって、仕事は個人の責任が大切なのです。時には『当事者以外の人に仕事の情報を漏らした』と受けとられてしまうこともありますので、注意しましょう」

やってはいけないこと3「日を改めてのお礼は要注意」


「その場でのお礼はもちろんしますが、日を改めてのお礼は言わないのが中国人です。『昨夜は食事会でごちそうになり、ありがとうございます』とは言いません。それは日を改めてお礼することは、またごちそうしてくださいという『催促』の意味になるからです」

やってはいけないこと4「飲み会で“1人飲み”をしてはいけない」


「食事会の席でチビチビと1人で飲むこともタブーです。お酒を飲むときにグラスを手に相手に合図をして、必ず誰かを誘って飲みます。もし、チビチビ1人で飲んでいると、それはホストに対して『料理が足りないのでは?』『早く帰りたいのでは?』という余計な心配をさせることにつながるからです。飲み会では必ず誰かと一緒に飲むようにしましょう」

やってはいけないこと5「問題ありません=没有問題〈メイヨウウェンティ〉を信用してはいけない」


「中国人は頻繁に『問題ない』と言います。しかしその言葉をうのみにしてはいけません。私は“基準の感覚差”と呼んでいるのですが、問題を『問題だ』と認識するときの基準が異なるからです。また最終的にゴールさえ帳尻が合えば良いと思っている場合や、努力の結果できなかったのは仕方ないとする考えもあります。例外はありますが、多くの場合悪気はありません。だからこそ中国人の『問題ない』には注視する必要があるといえます」

まとめ)


今回は7つのことを挙げましたが、これら以外にも注意すべき点はまだまだあるようです。「知っているだけで避けることができるコミュニケーションギャップ」です。異文化理解の不足から生じるトラブルが実にたくさんあります。異文化理解に目を向けて、相手のことをよく知るように心掛けるようにしたいですね。


※この記事は2015/04/10にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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