- パワーポイントを縦向きスライド(縦表示)に変更する方法
- パワーポイントのスライドを横にする理由・縦に変更する場面
- パワーポイントの縦向きスライド・縦書きのトラブル対処法
- パワーポイントのスライドで「縦」と「横」を混在させる方法
- パワーポイントで縦にする際は端が切れていないか確認しよう
パワーポイントのスライドは、状況次第で横ではなく縦表示にするケースもあります。ただし、一般的にスライドは横にするため、縦にする方法がわからない方もいるでしょう。
また、すでに横表示で作成したスライドを縦にする際は、内容がはみ出さないよう注意が必要です。この記事で、パワーポイントのスライドを縦にする方法や、縦にする際に発生しうるトラブルの対処法について押さえておきましょう。
パワーポイントを縦向きスライド(縦表示)に変更する方法
デフォルトでは、パワーポイントのスライドの向きは「横」(イメージ:下図左)です。しかし、シーンによっては、スライドを縦向き(イメージ:下図右)にした方がよいこともあるでしょう。
ここから、縦向きにする手順を始め、パワーポイントのスライド表示に関する内容を解説します。
パワーポイントを縦向きにする手順
パワーポイントのスライドを縦にする手順は、以下の通りです。
1. 「デザイン」タブ→「スライドのサイズ」→「ユーザー設定のスライドのサイズ」を選択。
2. 「スライドのサイズ」のダイアログ内の印刷の向きを「縦」にして、「OK」をクリック。
3. 「最大化」「サイズに合わせて調整」のいずれかを選択して完了。
変更時に表示される「最大化」と「サイズに合わせて調整」の違い
縦向きスライドへ変更する際、「最大化」と「サイズに合わせて調整」のどちらかを選ばなくてはいけません。両者の違いは、すでに入力されている文字や画像のサイズを「元のサイズのまま維持するのか(=最大化)」、「縦向きスライドの横幅に収まるよう縮小するのか(=サイズに合わせて調整)」という点です。
スライドの枠からはみ出さずに、自動でコンテンツを収めたいのであれば「サイズに合わせて調整」を選択するとよいでしょう。
スライドの縦横比を変更する方法
近年、パソコンの画面は、従来よりも横幅の広い「ワイド画面」が主流になりつつあります。そのため、パワーポイントのスライドもワイド画面対応の「16:9」が標準の縦横比です。
16:9の画面比は、パソコン上で見る分には申し分ありません。ただし、プロジェクターで映したり、印刷したりする場合には、縦と横の長さの比がマッチしない場合があります。
スライドの縦横比は、「デザイン」タブ→「スライドのサイズ」で、「標準(4:3)」と「ワイド画面(16:9)」の2つから指定可能です。「デザイン」タブ→「スライドのサイズ」→「ユーザー設定のスライドのサイズ」を選択すれば、「スライドのサイズ」のダイアログボックス内でも数値でサイズを細かく指定できます。
サイズは、使っているパソコンやタブレットの画面サイズ、印刷する用紙の縦横比に合わせて設定するとよいでしょう。以下に、一般的な用紙サイズの縦横比を記載しています。これを参考に適切なサイズ調整をしてみてください。
なお、作成済みスライドを縦向きにしたり、縦横比を変更したりすると、デザインも崩れてしまいます。デザイン崩れを防ぐには、作成前にスライドの向きと縦横比の設定を済ませておくことがポイントです。
縦向きA4用紙サイズに合わせる方法
スライドをA4の縦横比に合わせたい場合は、「デザイン」タブ→「スライドのサイズ」→「ユーザー設定のスライドのサイズ」を選択後、ダイアログボックス内の「スライドのサイズ指定」をA4にしましょう。
テキストを縦書きにする方法
縦向きのスライドでは、テキストを縦書きにすることも多いでしょう。縦書きのテキストを挿入するには、「挿入」タブ→「テキストボックス」(下矢印をクリック)→「縦書きテキストボックス」を選択します。
すでに挿入されている横書きテキストボックスを、縦書きに変更することも可能です。その際は、変更したいテキストボックスを選択し、「ホーム」タブ→「段落」→「文字列の方向」→「縦書き」を選びます。
パワーポイントの縦向きはテンプレートを利用するのが早くて便利
一般的に、縦表示でパワーポイントのスライドを作成する機会はあまりないため、イチから自分でデザインするには、時間や労力がかかります。
そこで、縦向きのスライドを作る際は、まずテンプレートが活用できないかをチェックしましょう。パワーポイントのテンプレートは、「ファイル」タブ→「新規」で確認できます。
パワーポイントには、さまざまなテンプレートが用意されており、縦向きのスライドもいくつかあります。使えそうなものがあれば、それをベースに作りたい資料やスライドを作成しましょう。作業時間を大幅に削減できるのでおすすめです。
パワーポイントのスライドを横にする理由・縦に変更する場面
そもそもパソコンやビジネスで使用するモニターなどの画面が「横長」であるため、スライドも横表示で作成することが一般的です。
一方、以下のような場面ではパワーポイントのスライドを縦にすることがあります。
- スマートフォンで資料を見てもらう
- 縦のA4用紙に印刷して配布する(ポスターやフライヤー、提案書など)
- 展示会で縦型のサイネージに表示する
作成後に向きを変更すると文字や画像がはみ出る可能性があるため、作成前にどのようなシーン向けなのかを考えて、縦・横を決めておきましょう。
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パワーポイントの縦向きスライド・縦書きのトラブル対処法
デフォルトで、パワーポイントのスライドは横向き・横書きです。そのため、縦向きスライドや縦書きを利用する場合、デザインがずれることや、印刷がうまくいかないことがあるでしょう。
ここから、パワーポイントで縦向きや縦書きがうまくいかない場合の対処法を解説します。
縦向きスライドを印刷した際に端が切れてしまう
パソコンのモニターと印刷用紙の縦横比は異なります。そのため、デフォルトの縦横比「16:9」のままプリントアウトすると、紙の端で印刷が切れてしまうことがあります。
そうならないよう、印刷をするときには必ず「スライドのサイズ指定」を行いましょう。例えば、A4縦で印刷したい場合は、以下のプロセスを踏んでください。
- 「デザイン」タブ→「スライドのサイズ」→「ユーザー設定のスライドのサイズ」を選択する。
- 「スライドのサイズ指定」を「A4」にする。
- 「スライドのサイズ」のダイアログ内の印刷の向きを「縦」にして「OK」をクリックする。
- 「最大化」「サイズに合わせて調整」のいずれかを選択して完了する。
設定後も、資料を配布する前に切れている文字や図などはないか確認することが大切です。
パワーポイントの縦書きができない・縦書きのボタンが表示されない
パワーポイントでテキストボックスを縦書きにするには、該当のテキストボックスを選択し「ホーム」タブ→「文字列の変更」→「縦書き」を選びましょう。
「縦書きのボタンが表示されない」という場合は、オンライン版のパワーポイントを使用していることが原因の可能性があります。無料で利用できるオンライン版のパワーポイントには、縦書きの機能が搭載されていません。
縦書きテキストを使いたい方は、有料版のパワーポイントや類似サービス、デザイン作成ツールなどを利用しましょう。デザイン作成ツールのひとつ、Canvaについては以下の記事で詳しく解説しています。
<関連記事>【パワポ】資料作りの強い味方 無料デザインツール「Canva」がすごい!
長音符(伸ばし棒)が縦にならない
「―」(長音符、伸ばし棒)を縦書きにしても横のままになってしまうなど、まれに縦書きの表示が正しくされないことがあります。原因は、主に2つです。
まず、作業環境に問題があることが、考えられる原因のひとつです。Microsoft OfficeソフトのバージョンやパソコンのOSが古い場合に、このようなエラーが発生します。
また、フォントが縦書きに対応していないことも原因です。長音符が縦にならないときには、フォントの変更を試してみましょう。
どうしても長音符が縦にならないときには、日本語入力を利用する方法があります。「けいせん」または「たてぼう」と入力して変換をすると縦棒が出てくるので、それで代用すると伸ばし棒のように表示させるでしょう。
パワーポイントのスライドで「縦」と「横」を混在させる方法
パワーポイントには、1つのファイル内で縦向きと横向きを混在させる機能が備わっていません。ただし、ハイパーリンクを使えば、縦と横のスライドを一緒に表示することが可能です。
メインのスライド内にハイパーリンクを入れておき、それをクリックしてサブスライドを表示させます。表示形式をスライドショーにした状態でハイパーリンクをクリックすると、すぐにサブスライドを見られるのでプレゼンにも使えるでしょう。
ここから、パワーポイントの縦と横のスライドを混在させる際の詳しい手順を解説していきます。
手順1 メインとサブのスライドをそれぞれ用意する
まず、メイン用とサブ用のパワーポイントをそれぞれ用意しましょう。今回は「メインスライド=横向き、サブスライド=縦向き」の例で解説していきます。
プレゼンを想定してメインの横向きスライドを5枚、縦向きのサブスライドを1枚用意しました。
手順2 サブスライドを挿入したいところにハイパーリンクを設定する
スライドの準備が整ったら、サブスライドを挿入させたいところにハイパーリンク設定をしましょう。今回は「マーケティング戦略」のテキストをクリックしたら、サブスライドを表示させるようにします。
ハイパーリンクは、「右クリック」→「リンク」で設定が可能です。参照先をサブスライドのファイルに指定して、OKを押せばリンクの設定は完了となります。
なお、ハイパーリンクはテキスト以外に対しても入れられるので、図形やアイコンなどに設定するのもいいでしょう。透明の図形(枠線と塗りつぶしをなしにする)にリンクを設定すれば、隠しボタンのようなリンクを挿入できます。
手順3 リンクをクリックして縦向きスライドが表示されるかを確認する
ハイパーリンクの設定を終えたら、実際にリンクをクリックしてみましょう。正しくサブスライドが表示されれば成功です。
プレゼン資料の場合は、スライドショーでもシミュレーションをしておきましょう。説明をしながらスムーズに縦向きスライドを出せるかを試してみてください(※)。
※サブスライドのページを最後まで送ると、サブスライドが終了してメインスライドの遷移元のスライドに戻ります。
なお、今回紹介した方法は正攻法ではありません。「どうしても縦と横を一緒に表示させたい」という場合にだけこの方法を活用しましょう。
ハイパーリンクの文字色が自動で変わってしまう場合はどうする?
ハイパーリンクを変更すると、自動で文字色が変わってしまうことがあります。リンクの色は適宜カスタマイズ可能なので、以下の手順で色の設定をしてみましょう。
① 「デザイン」タブ→バリエーション内の「その他」を選択。
② 「配色」→「色のカスタマイズ」を選択。
③ 「新しい配色パターンの作成」のダイアログボックスが表示されるので、ハイパーリンクの色を変更して、保存をクリック。
なお、ハイパーリンクはパワーポイントだけでなく、Excelでも使えるテクニックです。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
<関連記事>【図解】複数シートをリンクさせるには?設定・解除・一括入力の方法を紹介
パワーポイントで縦にする際は端が切れていないか確認しよう
パワーポイントのスライドは、横向きで作成することが一般的です。ただし、展覧会向けのサイネージを作成する場合や、スマホで見てもらうことを想定する場合などに、スライドを縦にすることもあります。
パワーポイントで縦向きのスライドを作るときは、資料作成の最初にスライドの向きやサイズを設定することや、完成段階で端が切れていないか確認することが大切です。そうすることでデザインの大幅な修正や印刷ミスを防いで、効率的に作業を進められます。
用途に合ったパワーポイントを自由に作れるように、今回紹介した方法を参考にしてみてはいかがでしょうか。
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