身近なアレを食べるだけ! 超簡単な夏バテ対策食6選

暑さで体調を崩しやすい夏は、ビジネスパーソンにとって、日頃の体調管理が試される季節。仕事に対する熱意があっても、暑さでバテてしまっては、自分の能力を十分に発揮することはできませんよね。 今回は、夏バテ対策に有効な食事のコツについて、管理栄養士の豊田愛魅(とよだ・まなみ)さんに伺います。

身近なアレを食べるだけ! 超簡単な夏バテ対策食6選

夏バテの原因は自律神経の乱れ


まず、夏バテはどのようにして起こってしまうのでしょうか。豊田さんによると、夏バテは自律神経が乱れていることが原因とのこと。自律神経とは、心臓の動きや血圧、消化、体温調節など、生命を維持するうえで重要な体の機能をコントロールしている神経のことです。食事の面では、自律神経の乱れを引き起こす要因は大きく分けて2つあるそうです。

自律神経の乱れを引き起こす要因

◎水分の不足


「汗をかくと体からミネラルが失われてしまうので、暑い夏は特に水分の補給が大切です」(豊田さん:以下同じ)

◎栄養が不十分な食生活


「食欲がないとコンビニの菓子パン1個やおそばだけ、といった軽い食事になりがちですよね。しかし、そういう生活を続けていると、ビタミン、ミネラル、タンパク質が不足して代謝が悪くなります。そして食べたものをエネルギーに換えられず、乳酸などの疲労物質ばかりが体にたまってしまうことで、消化機能が低下してしまいます」

この2つの原因によって、体温調節を左右する自律神経の働きが悪くなり、夏バテが起こってしまうのだそうです。

さらに、体温調節を左右する自律神経の働きが悪くなると、消化機能が低下し、疲れがたまり、それによって栄養が摂れなくなり、さらに自律神経の調子を崩す……という悪循環に陥ってしまいます。食生活を変えて、少しでも自律神経の立て直しを図るようにしましょう。

【ケース別】夏バテ対策食6選


それでは実際に、夏バテから体を守る“夏バテ対策食”を、6つのケース別にご紹介します。

1.忙しい朝の味方は野菜ジュース!


「本来はお酢や梅干しを取り入れた朝食を食べるのがベストですが、もし時間がなく、朝食が食べられないというときは、野菜ジュースやトマトジュースだけでも飲むようにしましょう。
果汁入りのものにはエネルギー代謝を活発にするクエン酸が入っています。また、普段は無塩のものをおすすめしますが、夏場の汗をかいてしまうときには、ナトリウム入りのジュースでも良いと思います」

2.昼食の添え物にレモンか梅干しを!


「よく料理にレモンが添えられていたりすると、飾りだと思って使わない人も多いのですが、必ず使うようにしましょう。 レモンには代謝に必要なビタミンがあり、血糖値の上がり方もゆるやかにしてくれるので、肥満防止の効果があります。
また、お弁当を持参する女子は、梅干しを1つ添えると良いですね。クエン酸が入っていて、レモンと同じく肥満ホルモンが出るのを抑えてくれるし、食中毒を起こす菌の増殖も防いでくれます」

3.スタミナをつけたいときには豚肉・鶏肉!


「豚肉や鶏肉を使った料理がおすすめです。特に豚肉は『ブタミンパワー』ともいわれているほど、糖分をエネルギーに換えてくれるビタミンが多く含まれている食材。 ハンバーグなど、挽き肉を使う料理だと脂肪分も多くなってくるので、豚のショウガ焼きや豚のソテーなど、素材の形がそのまま残っている料理がおすすめです。
また、鶏肉には、渡り鳥の持続力の源といわれるイミダペプチドが含まれており、最近その疲労回復効果が注目されています」

4.冷房で冷えた体にはショウガのパワー!


「マグカップにいれた熱い紅茶に、市販のチューブのショウガとハチミツを溶いて飲むのがおすすめです。 ショウガには体を温めるジンゲロール、ハチミツには、朝やお昼に食べたものをエネルギーに換えてくれるビタミンやミネラルが入っています。
市販の甘い飲み物は糖分が多く、カロリーを取り過ぎてしまうので、ハチミツで甘さを調整しながら飲みましょう」

5.おやつならナッツや胚芽クラッカー!


「オフィスで小腹が空いたときには、ビタミンやミネラルを含んでいてダイエットにも効果的といわれているナッツ。 それから、ビタミンやミネラルはもちろん、食物繊維も摂れるヘルシーな胚芽クラッカーがよいでしょう。
小腹が空いたときって、塩気のあるものが食べたいときと、甘いものが食べたいときがありますよね。その点、胚芽クラッカーは、そのまま食べればほんの少し塩気のある状態、薄くハチミツを塗れば甘く食べられるので、どちらにも対応できます。 ザクッとした食感なので、きちんと食べ応えがあるのもうれしいポイントです」

6.自炊時は好みに応じた調味料を!


自炊は面倒なため、味付けは塩・コショウ!という方は、次のような調味料を少し入れてみるといいそう。

◎お酢・レモン汁
「お酢は甘辛い煮物に加えることでさっぱりしますし、レモン汁もサラダを食べるときのドレッシングに数滴加えると、酸味によって唾液が出るので、食欲が増します」

◎ハチミツ
「例えば簡単な1品だったら、キュウリの輪切りにお酢とハチミツを入れて甘酢和えにするなどしてみるといいでしょう。 ハチミツは砂糖と同じく甘いのに、砂糖より若干カロリーが低く、代謝のためのビタミン、ミネラルがたくさん含まれています。普段の食事でも、エネルギー以外に栄養素のない砂糖の代わりに、ハチミツを使うことをおすすめします」

◎香辛料
「コショウ、ワサビ、カレーのスパイス粉といった香辛料は、ほどほどに使うと、刺激によって内臓の動きが活発になり、唾液や胃酸の分泌が増えて食欲増進を促します」

夏場における食事の注意点


では、夏バテ対策において、食事の取り方ではどんなことに気を付ければいいのでしょうか。

◎1日3食をきちんと食べる


「最近では朝食を食べない人が増えていますが、1日3食をきちんと食べるようにしましょう。夜に付き合いの飲み会があったり、晩ご飯が遅くなったりすると、たまったエネルギーを消費できずに朝を迎えることになります。
しかしそこで朝食を抜いてしまうと、体は数少ない食事から得たエネルギーをできるだけ吸収しようとするため、たまったエネルギーがどんどん体に吸収されて太りやすい体質になってしまいます。 たまったエネルギーをきちんと消費するためにも、朝食は抜かないようにしましょう」

◎暑いときほど、熱いものを飲む


「疲れていると、冷たいものを飲んだ方が、だるい体がしゃきっとすると思われがちですが、夏場の疲れている体を冷たいもので冷やすのは危険です。 体が冷えてしまうと、内臓が冷えるため自律神経が働かなくなって、代謝も悪くなり、夏バテに拍車がかかります。
体温は1度上がるだけで、基礎代謝や免疫力が何%もアップするといわれていますので、暑いときほど、熱いものを飲みましょう」

暑いとつい、冷たいものでクールダウン…と思いがちですが、夏バテ対策としては逆効果。夏場の自動販売機に並ぶのは冷たい飲み物ばかりなので、カフェで温かい飲み物を注文するのがいいでしょう。

まとめ


忙しかったり食欲が湧かないと、「1食くらい」と抜いてしまったり、インスタント食品ですませてしまいがちですが、毎回の食事も大切な体調管理の一つ。
周囲がバテやすい夏場に、戦力として活躍するためにも、夏本番を迎える前に、食生活を見直してみてはいかがでしょうか。

識者プロフィール
豊田愛魅(とよだ・まなみ)/ 東京家政大学卒業後、オーガニックカフェにて、管理栄養士としてメニュー開発を行う。その後、実演販売、テレビショッピング・ラジオショッピングなどに出演。現在では、セミナー・講演、各種メディア出演、商品開発、美容ライター、タレントなど、幅広い分野で活動している。公式サイトはこちら

※この記事は2015/07/06にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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