最初の心掛けが肝心! 初任給を賢くやりくりする5つのポイント

今年度から新社会人になったばかりの人は、そろそろ待ちに待った初任給を受け取る時期。

最初の心掛けが肝心! 初任給を賢くやりくりする5つのポイント

今年度から新社会人になったばかりの人は、そろそろ待ちに待った初任給を受け取る時期。

両親へのプレゼントやごちそう、貯金、自分の服やスイーツなど、使い方は人それぞれです。しかし、そのやりくりの仕方によって、将来に影響が出ることを知っていますか?

今回は、ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔さんに、初任給を賢くやりくりする方法とその必要性を聞きました。下記の5つのポイントを、ぜひ実践しておきましょう。

■新入社員の初任給事情


新入社員の初任給。果たして、どのような目的で使っている人が多いのでしょうか?
まずは、2014年度の初任給の平均水準額をチェックしておきましょう。
労務行政研究所の調査によれば、東証第1部上場企業237社へ2014年4月に入社した新入社員の決定初任給は、大学卒で20万6258円、高校卒で16万1687円という水準でした。

(参照元:「2014年3月卒 新規学卒者決定初任給調査結果」日本経済団体連合会東京経営者協会※PDF資料 )     


エクスペディアジャパンが2011年に行った調査によれば、初任給の使い道の1位は「貯金」、2位は「親孝行」、3位は「自分へのご褒美」という結果に。
(参照元:「新社会人と団塊(新社会人経験者)世代の初任給に関する意識調査」エクスペディア PR事務局 )


また、2013年にBroadBankが行った調査でも、1位が「貯金」38%、2位が「親へのプレゼント」36%、3位が「自分へのプレゼント(服、バッグ、貴金属など)」11%、4位が「旅行・レジャー」4%と、いずれも似かよった結果になっていました。
(参照元:「アンケートで意識調査 初任給を何か特別なことに使いましたか?」株式会社BroadBank)

多くの新社会人の初任給の使い道は、「貯金」か「親孝行」であることが分かります。     

■初任給の使い方を意識すべき理由とは?


ファイナンシャルプランナーの山崎さんによれば、「初任給は賢く使うことが大切」と言います。
初めての給料に胸躍り、自由に使いたくなりますが、ちょっと気を付けておきたいポイントも。ぜひチェックしておきましょう。

「初任給をもらうということは、“お金を払う側”から“お金をもらう側”になるということ。学生時代は、こちらからお金を払って勉強を教えてもらうお客さまのような立場でしたが、会社員になれば、自分の能力をお金で買ってもらう立場に。これは人生における大きな転換点です。

これからは次の給料日まで自分でうまくやりくりしていく必要があります。実は、初任給で過ごす最初の1カ月の経験が、その後、数年にわたるやりくりのベースとなることがあるのです。まずは初任給で基本を覚えましょう。お金のやりくりというと、ちょっと堅苦しいイメージがありますが、やっていくうちに楽しくなってきますよ。そのコツをお教えします」(山崎俊輔さん、以下同)

■初任給を賢くやりくりする5つのポイント


山崎さんによる、初任給をうまくやりくりするために心得ておきたい具体的なポイントは次の5つ。どれもすぐに実践できるものばかりです。

1.1日の予算を先に計算しておく


「携帯電話代や家賃、公共料金を引き落とした後のお金を1カ月の日数“31”で割り、1日の予算を先に頭に入れておくと“今日はムダ遣いしている日”“今日は賢く節約した日”と意識しやすくなります。ムダ遣いした翌日は倹約するなど、バランスを意識して過ごすとよいでしょう」

2.コンビニATM手数料など、小さなムダ遣いの積み重ねを防ぐ


「給与振込口座からお金を下ろす際、コンビニのATMでは手数料がかかることも。1回数百円だからと軽く考えるのは大間違いです。このムダ遣いの積み重ねが、将来お金を失ってしまうもとになります。自分の口座のある銀行に、コンビニATM無料サービスなどがあれば、積極的に使いましょう」

3.残しておきたいお金は、もう一つ銀行口座を作って移しておく


「一つの銀行口座で、使うお金と貯めるお金の両方を管理するのは大変です。旅行などの臨時出費の予算も、必要なときまで別のところに移しておくとよいでしょう。おすすめは、コンビニATM利用が無料のことが多いネットバンクです」

4.“先に貯金して、残ったお金を使う”方法で楽に貯める


「貯金を志す場合、『1カ月間生活して残ったお金を貯金しよう』と目標を立てると、給与振込日までぴったり使う習慣がつくだけで、お金はまったく貯まりません。そこで、貯金したい金額があれば、給与振込日に先に貯め、残りのお金で生活をするのがコツです。不思議なものですが、同じ貯金額でも、ガマンするよりもずっと楽にお金が貯められます。最初は銀行の積立定期預金が便利でおすすめです」

5.スマホで家計簿をつける


「毎月の給料を何にいくら使ったか知り、いくら使うのがちょうどよいのかの感覚をつかむために、家計簿をつけるのもおすすめです。スマホアプリを使えば、電車の中や食事前後のスキマ時間にぱぱっと入力できます。『Zaim(ザイム)』や『マネーフォワード』などレシートをカメラ撮影するだけで、自動入力される便利な機能があるアプリもあるので、利用してみてください。お金の流れを『見える化』してムダ遣いを一気に減らしてしまいましょう!」

最後に、これから初任給をもらう新入社員の方に向けて、山崎さんにアドバイスをいただきました。

「初任給の場合、企業によっては1日から15日までの分、つまり半月分の給与しか振り込まれないこともあります。この場合、半月の収入でひと月過ごす必要があるので、最初はかなり苦労します。カードで借金はNGです。親から一時的にお金を借りてボーナス時に返すことも検討してみてください。また、付き合いや高額の買い物は、夏までガマンしたほうがいいでしょう。 初任給はそれほど金額が多いものではないので、親への感謝の気持ちとして何かプレゼントをすることはよいことですが、無理に高い金額を出すことはありません。そういうお礼はボーナスまで残しておき、毎月の生活に支障のない程度でプレゼントを考えてみるのもよいでしょう」

初めて自分が働いたことでもらえる初任給。うれしい反面、きちんと管理していくことも大切です。何事も最初が肝心。ぜひ最初の1カ月を上手にやりくりして過ごしましょう。


※この記事は2015/04/24にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

page top