シュレッダーにかけた紙、重要書類かも? 捨てていい書類を見極める方法

年末になると多くの企業で行われる大掃除。オフィスにたまった1年分の書類を掘り返し、捨てたり、手元にファイリングしたりと、身の回りを整理する人も多いと思います。しかしなかには「これって捨ててもいいの……?」と迷ってしまう書類もありますよね。

シュレッダーにかけた紙、重要書類かも? 捨てていい書類を見極める方法

年末になると多くの企業で行われる大掃除。オフィスにたまった1年分の書類を掘り返し、捨てたり、手元にファイリングしたりと、身の回りを整理する人も多いと思います。しかしなかには「これって捨ててもいいの……?」と迷ってしまう書類もありますよね。

そこで今回は、ビジネス現場の収納サポートを行う「株式会社ヴァンヴィーノ」代表・杉田明子さんに、捨ててよい書類を見極める方法について伺います。

法律や社内ルールで定められた書類を捨てないのは大前提


まずは大前提として、法律や社内ルールで捨ててはいけないと定められている書類は、当然ながら捨ててはいけません。

「社内の書類管理をきちんとせず、組織の記録を個人の記憶に頼っていると、うっかり捨ててしまったものが実は『法定保存文書(法律で保存期限が決められている書類。請求書や納品書、領収書など)』だった、ということも考えられるので注意が必要です。

また、法律のほかに社内独自の文書規定、書類の保存義務もあるので、会社のルールもしっかり確認してみましょう」(杉田さん:以下同じ)

会社のルールにも判断基準がなく、保管しておくべきか迷う書類は、上司に確認してから捨てる必要があるそう。「『会社の情報=会社の財産』と考え、会社の書類には安易に捨てられないものもあると知っておくことが重要」だと杉田さんは言います。

捨てていい書類を見極めるチェックポイント3つ


法律や社内ルールで捨ててはいけないと定められた書類があるからといって、全ての書類をため込んでしまうのは考えもの。捨てても問題がない書類はきちんと捨てることが、書類整理のためには必要です。

手元にある書類が捨てていいものかを見極めるには、どんな点に注目するべきなのでしょうか。捨ててもいい書類を見極めるチェックポイントを、杉田さんに聞きました。

1.情報の賞味期限が切れている



「書類=情報です。情報は常にアップデートされていなければ利用価値がありません。例えば昨年のトレンドを載せた記事や、忘年会の案内をしまいこんでいませんか? そうした“賞味期限切れ”の情報は捨てましょう」(杉田さん:以下同じ)

2.デジタルのデータがある



「情報を確認するときに紙でないと不安という人もいます。しかし必要な情報がスムーズに取り出せないほどの量の書類があり、デジタルのデータが存在するのなら、紙の書類はこの機会に思い切って捨てましょう。また、手元の書類がすぐにデータ化できるものなのであれば、スキャニングしてデータ化してしまいましょう。

そもそも紙じゃないと不安を感じるのは、デジタルデータの検索に不安を感じているからではないでしょうか。そんな方は、データを検索しやすくするために、普段からファイル名には『20151201ミーティング資料』という具合に、作成日時や更新日時を入れるようにしてみましょう。

ファイル名のルールを徹底するととても探しやすくなりますし、それがいつのどういった情報か、すぐに判断できるようになります」

3.ほかの書類と情報が重複している



「同じ書類や似たような情報書類をいくつも保管しているなんてことはありませんか? 情報が重複しているものは思い切って捨てましょう。同じグループや同じ課内で全員が持っている書類も、一つにまとめてしまうのが理想です」

書類を捨てる際の注意点


また、書類を捨てる際も注意が必要です。仕事や会社で使った書類は全て、機密情報を含んだ書類である可能性があります。なので、そのままゴミ箱に捨ててしまうと、情報漏えいにつながる危険があります。

特に注意したいのが、個人情報を含んだ書類。たとえば、個人情報には以下のようなものがあります。

お客さま(クライアント)の本人確認証の写し
お客さま(クライアント)個人が特定できる購入明細が記入してある請求書
従業員、退職者の履歴書や応募書類

これらのような「個人情報が記載された書類=捨ててはいけない」というわけではなく、杉田さんによれば「個人情報の入った書類をこまめに捨てるようにすれば、たまった書類をずいぶんスッキリさせることができる」と言います。

そのため、会社で決められた廃棄ルールをよくチェックし、個人情報を含む書類など、業務で使った書類は全て会社のルールに従い、こまめに捨てるようにしましょう。

書類整理で仕事力アップ!


杉田さんによると、オフィスの書類整理はビジネスパーソンとしての仕事力を上げることにもつながるのだそうです。

「捨てていいのか迷って書類をため込んでしまうのは、仕事に必要な情報か否かを判断する力が未熟ということを表します。しかし裏を返せば、書類整理を通してきちんと情報の必要性を見極められるようになるということは、取捨選択能力が鍛えられているということ。つまり書類整理は、ビジネスパーソンとしての仕事力向上につなげることができるのです」

積み重なった書類の山を前にすると、つい後回しにしてしまいたくなる書類整理。しかしまずは視点を変え、自分を成長させる機会の一つと考えて、今年の大掃除に取り組んでみてはいかがでしょうか。


※この記事は2015/12/25にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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