20代のポテンシャルに企業も期待? 「未経験歓迎」の意図が知りたい!

「新しい分野にチャレンジしたい」「以前から憧れていた業種に挑戦したい」そんな意欲的な方にとって、未経験者歓迎の求人は非常に魅力的に映るもの。

20代のポテンシャルに企業も期待? 「未経験歓迎」の意図が知りたい!

「新しい分野にチャレンジしたい」「以前から憧れていた業種に挑戦したい」そんな意欲的な方にとって、未経験者歓迎の求人は非常に魅力的に映るもの。

しかし同時に、「即戦力が求められるはずの中途採用において、本当に未経験でも大丈夫なの?」と疑問もあるのではないでしょうか。

実は企業が提示する「未経験」には3つの種類があるといいます。それぞれ未経験を求める企業の意図を知れば、あなたの疑問も解けて挑めるはず。

“未経験歓迎”の言葉に隠された企業の本音を、ぜひとものぞいてみせんか?

未経験のなかにある「3つの定義」を理解しよう


ひとくちに“未経験”と言っても、実際の「未経験の度合い」には差があるもの。

どこまでを経験として受け止めるかは企業によって異なりますが、中途採用においては以下の3つに分けられます。

(1)未経験者

職種も業界も全く異なる仕事に新しくチャレンジしたい方だけでなく、社会人として一度も企業に勤めた経験のない方も該当します。学生時代などに働いたことはあるといっても、パートやアルバイトの場合は社会人経験としてはみなされないことが一般的です。その場合も未経験者枠としての応募となります。

(2)職種未経験者・(3)業界未経験者

「ずっと医療業界で営業の仕事をしてきた人が、医療事務の仕事にチャレンジする」といった“職種未経験”、そして「消費財メーカーでの営業経験を生かし、次は広告業界の営業として働いてみたい」という“業界未経験”が該当します。

もし「未経験歓迎」という求人を見つけた場合、まずはその企業にとっての未経験が上記の(1)?(3)のうちどの場合を指しているのか、正しく理解する必要があります。それがわかったら、次にそれぞれ異なる「未経験」において、企業が何を求めているのかを見ていきましょう。

「未経験者」の求人は「人物重視」「ポテンシャル採用」「充実の研修制度」


企業が(1)の「未経験者」を募集する背景には、以下のような場合が考えられます。


・新卒採用で採りきれなかった人材の補充がしたい
・今の社内にない視点を持っている人が欲しい
・将来の伸びしろに期待している
・若手・第二新卒者を採用したい
・業界・仕事内容が特殊なため、そもそも経験者が市場にほとんどいない



「未経験者」を募集する企業は、仕事への熱意や興味、意欲を重視する傾向が。また、主に人柄や一般常識の有無などの人物像をチェックしています。

そして、即戦力ではなくても10年後に会社の中核を担える人材へと成長できるか、という中長期的な視点を持って採用を行います。

つまり「未経験者」を募集する企業は、まったく経験がない社員を自社で一から育てる意向を持っているのです。そのため、入社時の導入研修や仕事の習得レベルに応じた手厚い教育制度が整っている企業が多い点も特徴。

「職種未経験者」「業界未経験者」の求人は「スキルアップ」「キャリアアップ」


企業が(2)の「職種未経験者」(3)の「業界未経験者」を募集する背景は、以下のような場合が考えられます。


・入社後のギャップが少ない
・必要な知識やスキル習得までの時間が短縮できる
・共通認識・共通言語を用いて会話ができる
・前職で得た経験を生かして、会社に新しい風を吹き込んでほしい
・これまでにない新しい事業モデルを立ち上げたい



不足している知識や経験を補うための教育・サポート体制が整えられている場合が多いといえるでしょう。同時に、企業は1日でも早く転職者に戦力として活躍してもらいたいとも考えています。たとえ未経験の分野でも、過去の経験から培った肌感覚や仕事への熱意があれば、早期でのキャッチアップが可能だと期待しているのです。

これまでの経験を生かして「具体的な仕事内容を知らなくても、その業務について一定の理解を持って入社してもらえるのでは」「同じ職種の業務経験があれば、違和感なくなじんでもらえるのでは」といった思惑も込められています。

たとえ企業が未経験歓迎をうたっていても、あなたの経験値に期待していると認識することが大切です。

「未経験者歓迎」の裏側がもっと知りたい!という方はこちら

20代で未経験で異業種に道を転換したヒトもいる


少し特殊な例ですが、元マッキンゼー、現在はお笑いタレントという異色の経歴を持つ石井てる美さんも、20代のうちに大きなキャリアチェンジをした一人。東京大学大学院を卒業後は、コンサルティング業界で世界的に有名なトップ企業に入社しますが、心がワクワクすることがなく、お笑い芸人をやりたいという夢が捨てきれずに彼女は一年で会社を退職。キャリアの道を捨て、思い切って新たなスタート地点に立つことを決めました。

もちろん経験はゼロ。養成所でお笑いを一から学び、そこからコツコツと努力を重ね、チャンスをものにしながら少しずつ、邁進しています。

20代は若さと勢いもあり、何と言っても多くの可能性を秘めた原石のようなもの。「未経験」は新たな挑戦への扉となり、企業側も成長過程を見ながらあなたの能力がさらに生きるよう、最適な方向へ導いてくれるかもしれません。

まとめ


企業が求める「未経験歓迎」の背景について、はじめて知ったという方も多いのではないでしょうか? 企業が求める「未経験」の程度が求人情報だけでは計れない場合、面接の場などできちんとコミュニケーションをとり、お互いの認識を合わせておく必要があります。

そしてなにより、未経験転職に臨むなら断然20代。やはり早いほうがおすすめ! この春から「新しいこと」や「経験したことがないこと」を始めようと考えている方は、恐れずに未経験の分野にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


※この記事は2017/03/03にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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