あがり症克服の秘策はメンタルトレーニングにあり! 森川陽太郎が教える5つの方法

会議の司会にプレゼン、飛び込み営業のあいさつに上司への報告と、ビジネスは“あがってしまう”場面の連続です。もっとリラックスして仕事に臨めたら、自分のパフォーマンスをフルに発揮できるのに…そう地団駄を踏んでいる方も少なくないことでしょう。

あがり症克服の秘策はメンタルトレーニングにあり! 森川陽太郎が教える5つの方法

会議の司会にプレゼン、飛び込み営業のあいさつに上司への報告と、ビジネスは“あがってしまう”場面の連続です。もっとリラックスして仕事に臨めたら、自分のパフォーマンスをフルに発揮できるのに…そう地団駄を踏んでいる方も少なくないことでしょう。

そこで、大きなプレッシャーがかかる場面でも結果を出す、さまざまなスポーツの日本代表選手や、2012~2014ミス・ユニバース・ジャパンなどに対してメンタルトレーニングを行っている森川陽太郎さんに、ビジネスパーソンがあがり症を克服するための5つの方法を伺いました。

【1】緊張の原因を探る


「まず、あがっている状態を極度の緊張状態だと定義して、その原因が何かを考えてみましょう。多かれ少なかれ、緊張の裏には『自分の実力以上の結果を出したい』『周りに良く見られたい』という欲があるのではないでしょうか」(森川陽太郎さん:以下同じ)

確かに人前で自己紹介したりスピーチしている最中は、「自分を強く印象づけたい」「何か面白いことを言いたい」「かまずに流ちょうに話したい」という欲が先走っているかもしれません。

【2】緊張と「自己否定の感情」を切り離す


「緊張の原因となる欲を持つのは自然なことで、何も悪くありませんし、どんな人でも緊張はします。問題はあがったときにセットでやってくる『失敗するかも』という『自己否定の感情』の刷り込みなんです。それには、まずは緊張状態の自分を正しく認識し、『自己否定の感情』とはっきり切り離すのが大切です」

「失敗するかも」という感情を自分の中に見つけたら、その「自己否定の感情」を切り離すことが大事なのですね。

しかし、自分が今まで成功したことがないことに取り組むわけですから、自己否定の感情と緊張は切っても切れない関係のようにも思えます。どうしても「失敗するかも」と思ってしまうときはどうしたらいいのでしょう。

【3】100点満点を目指さず、合格点を低めに設定する>


「では逆に、今まで成功したことがないことだからこそ、失敗するのは当たり前。その中でいかに合格点を出すかを考えてみましょう。過度のあがり症の方は、100点満点を狙い過ぎなんです。もともと成功率は低いんですから、『緊張した状態で50点も出せたら合格』というふうにハードルを低く設定して、地道に成功体験を積み上げていけば、徐々にネガティブな感情を受け入れながら結果を出せるようになるはずです」

なるほど! 自分が緊張していることを認識しながらも、そのなかで低い合格ラインをクリアする。そうした小さな成功体験の積み重ねが、自信につながるのですね。

【4】緊張状態を把握するために毎日日記をつけてみる


「問題は、自分では緊張しているつもりがないけれど、実は緊張している人です。失敗の原因が『あがっていること』だと気付いていないわけですからね。こうした些細な緊張感に気付くには、1日の終わりに日記をつけるのが有効です。その際、『うれしかった』『楽しかった』『腹が立った』など感情を表現する言葉を15個以上使って、自分の感情変化を洗いざらい書き出すことが大切です。この訓練を繰り返すことで自分がいまどんな気分になっているか正しく把握できるようになります」

すこし調子が悪くても、曖昧な言葉で片付けてしまっていませんか。気分が良いことも悪いことも「ヤバい」で片付けているとヤバいってことですね。

【5】あがってしまったら、『緊張する』と1分唱える


「どうしても緊張してしまったら、『緊張する緊張する緊張する』と1分間唱えてみる。これでひとまず『自分は緊張しているだけなんだ』と正面から受け入れることができるようになるはずです。その上で、ベストを尽くせばいいんです」

ついつい「緊張なんてしてない!」と自分に言い聞かせてしまいそうになりますが、むしろ緊張を受け入れることが大事なのですね。

まとめると、普段から自分の感情の状態に敏感になり、緊張を感じたら緊張をありのままで受け入れ、その中で達成できる低い目標に向かってベストを尽くす、というわけですね。ともあれ頭で考えるよりも場数をこなすのがポイント。いきなり成功するとは思わず、少しずつ合格点をクリアしてゆく態度が大事なのかもしれません。

識者プロフィール
森川陽太郎(もりかわ・ようたろう) OKラインメンタルトレーナー。1981年生まれ。元サッカー選手としてスペインやイタリアでプレー。引退後、心理学やメンタルトレーニングを学び、27歳で株式会社リコレクトを設立。独自のトレーニング方法でトップアスリートや企業向けに「結果を出す」ためのサポートを行う。近著に『絶対的な自信をつくる方法?弱い自分のまま強くなれる47の方法』(ダイヤモンド社)がある。


※この記事は2014/09/18にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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